2017.12.10 Sun posted at 10:22 JST
(CNN) イラク軍は9日までに、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から国土を完全に解放した。アバディ首相がツイッターを通して宣言した。
ISISは2014年にイラクとシリアで勢力を急激に拡大して「建国」を宣言し、一時は地中海からイラク首都バグダッド南方まで8.8万平方キロの広大な面積を支配した。掃討作戦には3年以上かかり、米軍主導の有志連合による空爆は2万5000回に及んだ。
イラク軍はこの数カ月間で多くの都市からISISを追放し、先月には最後の拠点とされた西部ラワを奪還していた。
アバディ氏はツイートに続き、国民へのテレビ演説で「解放の夢は現実となった。ISISの夢は終わった」「ISISの影響を排除し、テロの再発を阻止しなければならない」」と呼び掛けた。
ただしイラク国内の宗派、民族間対立や経済問題など、ISISの台頭を許した根本的な問題は今も解決していない。ISISはこの約1年で支配地こそ失ったものの、過激なイデオロギーという形で中東一帯や欧米に脅威を及ぼし続けている。
アバディ氏は「今後も警戒を続け、我が国と国民を狙うテロに立ち向かう態勢を維持する必要がある」「テロは永続的な敵であり、戦いは続く」と強調した。
国際人道支援団体「マーシーコー」は「イラク国民のより良い未来」に向け、奪還された地域に入って支援活動に取り組む構えを示した。
米国務省の対ISIS有志連合特使、ブレット・マクガーク氏はツイッターで、アバディ氏とイラク国民は「多くの人々が不可能だと考えていたことを達成した」と称賛し、ISISの復活を阻止するために支援を継続すると表明した。
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