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<再生不良性貧血で闘病生活 23歳・高田亜沙美さん、逝く> 毎日新聞 2007年10月5日

◇ 待ちに待った「希望の綱」は細くて、切れた

 再生不良性貧血で闘病生活を送っていた高田亜沙美さん(成蹊大生)が9月23日、23歳の生涯を終えた。

 取材したのは昨年3月、東京・池袋の喫茶店。
すぐに仲良くなり、その足で彼女の学校近くに移動し、彼氏や保健室の先生、ゼミの仲間たちとの飲み会に
加わった。
室内に入って大きなマスクを外した亜沙美さんはいつも笑っていて、病気が信じられないくらいだった。
学生にしか過ごせないゆるやかな午後を、今では懐かしく思う。

 取材時は骨髄の型が適合するドナーを待っている状況で、早く見つかってほしいという記事を書いた。
それから1年後、「ドナーさんが見つかり、移植に成功しました」とのはがきが来たときはホッとした。
それなのに、それから1年足らずでみんなとバイバイしなければならなかった。
16歳で発病し、進行していく病気と闘いながら見つかったドナー。
待ちに待った「希望の綱」は細くて、切れた。

 お通夜の日。
数え切れないほどの友人たちが見守る中、亜沙美さんはたくさんのヒマワリと穏やかな光に包まれていた。
花を手向けながら、私は思った。
なぜこんなに悲しいことが起こるのだろう。
神様がいるとしたら、神様はなにを考えているのだろう。
なぜ、なんで……答えが見つからないままお別れした。

 「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべてのことについて、感謝しなさい」。
生前、亜沙美さんが好きだった言葉だ。
その言葉通りに生きた彼女に、恥ずかしくない社会人でありたいと思う。


 記事は昨年4月14日、「2週間に1度、輸血の日々 完治には骨髄移植 神様どうか奇跡を」の見出しで掲載
され、読者の反応は大きかった。
その後も気になっていたが、今春卒業した筆者から先週連絡があったときは、何とも言えない気持ちになった。

 心からご冥福をお祈りします。

http://mainichi.jp/life/edu/news/20071005dde012070008000c.html

* 成蹊大学  http://www.seikei.ac.jp/university/
* 財団法人 骨髄移植推進財団  http://www.jmdp.or.jp/

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