日本相撲協会の定例理事会が11月30日、東京・両国国技館で開かれ、引退した元横綱、日馬富士による暴行問題を調査している危機管理委員会から中間報告を受けた。平幕、貴ノ岩への暴行の経緯が判明。危機管理委が12月20日の理事会で最終報告する見通しで、暴行問題は年内決着に向け、道筋がみえてきた。
報告によると、秋巡業中の10月25日、元日馬富士と貴ノ岩のほか、白鵬や鶴竜、照ノ富士、石浦らは鳥取城北高の関係者が開いた食事会に参加した。
その後の2次会で白鵬が説諭していた際、スマートフォン(スマホ)をいじっていた貴ノ岩が「彼女からのメールです」と苦笑いしたことに元日馬富士が立腹。平手で顔を殴ったところ、にらみ返されたため、さらに平手で十数回、カラオケのリモコンで数回頭を殴り、白鵬が止めたという。
元日馬富士は日本酒を飲んでいたものの泥酔はしていなかった。ビール瓶で殴ったとの報道もされたが、そうした事実はなく、馬乗りになったり、何かを投げたりすることもなかったといい、貴ノ岩は頭部を医療用ホチキスで縫う裂傷を負った。
鳥取県警は12月中旬までに元日馬富士を書類送検するとみられる。危機管理委ではその後、貴ノ岩からの聞き取りを踏まえて最終報告を作成する。
11月29日に引退し、協会員でなくなった元日馬富士は処分の対象にならない。しかし今後も似たような事態が起きる可能性はあり、理事会ではどのような処分が妥当かを議論する。