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飛び込み営業とは、企業や法人などへ直接、赴いて営業し顧客を獲得することで、営業活動の王道ようなものです。
行政書士の場合、建設業や運送業などといったところがメジャーな営業先です。
しかし、飛び込み営業はアポを取らない非常識な営業と思われるところがあり、その賛否は両論です。
自分のところへ飛び込み営業をされた(営業マンが来た)ことがある人は、わかると思いますが、仕事を中断して話を聞かなければならないので迷惑と感じる人が多いでしょう。
だから、飛び込み営業は断られて当然なところがあります。
飛び込み営業は効果があるのか
では肝心なところ、飛び込み営業は効果があるのか?
はっきり言って、すぐに顧客の獲得には繋がらりませんし、効果は薄いと言えるでしょう。
実際に営業活動してみるとわかりますが、そもそも営業先で意思決定権のある経営者の方などとはなかなか話せません。
意思決定権のあるポストの人は忙しいということもありますし、外出が多いので話せる機会や会える機会というのは少ないのです。
しかし飛び込み営業が全く効果がないかと言われればそうでもありません。
また飛び込み営業は門前払いされるようなイメージがあると思います。
しかし私が実際の営業活動で思ったのは行政書士の飛び込み営業は案外門前払いされにくいということです。
中にはそういう営業先もありますが、大抵の方はきちんと話を聞いてくれます。
飛び込み営業はすべきか
一般的に飛び込み営業はつらいというイメージがあります。
営業先では門前払いされ、何件まわっても顧客が獲得できない。
体力的にも精神的にもつらい営業活動で、新人の登竜門のような扱いがされています。
では行政書士は飛び込み営業すべきなのか?
ここは意見の分かれるところでしょう。
飛び込み営業をやってきた人は飛び込み営業をした方がいいと言います。
反対に飛び込み営業をせずに顧客を獲得している人はしなくていいと言います。
私は飛び込み営業をしてきたので、おすすめする立場です。
特に、営業活動の経験がないという人は飛び込み営業をしたほうがいいと思います。
それは、営業初心者にとって飛び込み営業は最適なトレーニングになるからです。
行政書士は自分で顧客を獲得しなければなりません。
営業方法に関わらず、必ずどこかで営業力が必要となります。
その営業力を身につけるには飛び込み営業はもってこいなのです。
話す練習になる
まず、飛び込み営業が苦手だと言う人の多くは話すことが苦手な人です。
しかし、それではいつまで経っても顧客は獲得できません。
話すというのはビジネスにおいて最も重要なスキルと言えます。
トークスキルを磨くには、とにかく場数を踏むことです。
話が上手くなるためのスキルを人に伝えるのはなかなか難しいものです。
その場の雰囲気や相手の状況、自分のキャラなど様々なシチュエーションが考えられるからです。
従って、教えてもらうよりも場数を踏んで自分で学んでいったほうが早いです。
また度胸もつきます。
最初は緊張することも多いですが営業活動を繰り返していくことで次第に慣れていきます。
営業先で数をこなし、話すことが当たり前の状況を作り上げていくと良いでしょう。
顔を覚えてもらえる
行政書士にとって顔を覚えてもらうということは大切なことです。
飛び込み営業は直接、相手と面と向かう営業活動のため、顔を覚えてもらいやすいです。
また、人と人とは、どこで繋がるかわからないものです。
行政書士は様々なところで色々な方々に会う機会があります。
飛び込み営業の営業先で伺った経営者の方とどこかのパーティーでばったり出会うこともあります。
そんな時は初対面よりも随分と話しかけやすいものです。
人は意外と他人には興味がありません。
ホームページやチラシだけでは、なかなか自分の顔を覚えてもらえないものです。
直接、話すことで、「出身が同じだった」、「話が盛り上がった」、「共通の趣味があった」、そんなことが付随して顔を覚えてもらえます。
また、中には飛び込み営業を評価してくれる人もいます。
「今時、飛び込み営業をするなんて見込がある」
「自分の若い時は飛び込み営業をよくしていた」
ひょんなことから評価を頂き、仕事や顧客の獲得に繋がったりするものです。
顧客の生の声を聞ける
飛び込み営業をする最大のメリットはこれです。
実際に飛び込み営業をしてみると、営業先からの生の声を聞くことができたり、会社の状況や現場の雰囲気を感じ取ることができます。
時には顧客から厳しい意見もありますが、逆にそんなことを言って頂けるのは有難いことです。
営業先の声から顧客が本当に欲しいサービスやサービスに足りないもの、自分に足りないものなど様々なことが見えてきます。
「事件は会議室で起きてるんじゃない現場で起きてるんだ」
とある映画で、そんなセリフがありましたが、それは行政書士にも言えることです。
現場での営業活動でしか分からないことがあり、現場を知らずして顧客の利益になるサービスは提供できません。
顧客の声から本当に顧客の利益となる新しいサービスが生まれます。
行政書士にしか気づけない問題点や改善点があり、それが私達、行政書士の存在意義です。
これを突き詰めていくことが顧客の獲得へと繋がるのです。
多くの経験を得られる
飛び込み営業は営業という部分にフォーカスすると、あまり効果が期待できない営業活動かもしれません。
しかし、飛び込み営業でしか得られない経験とノウハウがあります。
それを自分の利益となると思うかどうかは、その人それぞれでしょう。
私はこの経験があったからこそ、顧客が獲得できたと思っています。
上記に挙げたメリットに共感できる方は、是非、トライしてみてください。
失敗してもいいんです。
仮に成約が取れなかったからといっても誰からも怒られることはないのですから。
リストアップ
まずは営業先のリストアップをしましょう。
どこに行くか決めないと話になりませんからね。
リストアップの方法は近隣から行っていくのが良いでしょう。
行政書士の依頼は近隣からのものが多いからです。
営業先の候補数が多ければ、業種別にしてもいいですが、効率を考えると地域別にしたほうが良いです。
例えば東西南北に分けるなど。
北部地域
株式会社○○建設
○○運送株式会社
南部地域
○○不動産会社
・・・
この方が効率よく回ることができます。
営業ツールを持っていく
営業先に行く際は、営業ツールを必ず持っていきましょう。
名刺やチラシなどですね。
名刺は必ず、持ち歩いていると思いますが、チラシもあったほうが話やすいです。
この営業ツールは営業先によって変えていったほうがいいです。
例えば、建設業の会社に営業に行くなら、名刺は建設業関係の業務を前面に出したもの、チラシも建設業者が興味を持ちそうなチラシにするなど。
営業先の業種に合ったツールを用意するということです。
出来れば業種ごとにツールを用意したいので名刺やチラシも複数、用意することになります。
飛び込み営業は営業先に何かメリットがある、と思わせることが重要です。
なので、チラシには法改正のことや旬なネタを記載しておくなど、相手の利益になりそうなことを掲載しておくと興味を持ってくれます。
それが顧客獲得のポイントです。
一発で顧客の獲得は狙わない
飛び込み営業はひとつの営業先に一回、行って終わりではありません。
「何十社と回ったけど依頼は取れなかった」
「A社は一回いったけど駄目だった」
それで営業活動は終わりという人がよくいます。
一回やって終わりではなく、何度も同じ営業先に通うのです。
飛び込み営業は、それでやっと効果が出てくるものだからです。
一発で獲得を狙っても、まず無理です。
何故なら飛び込み営業には大抵の人が警戒心を抱くからです。
その警戒心は時間をかけて徐々に解かれていくものです。
飛び込み営業はマーキングとも言われています。
いきなりクロージングを狙うのではなく最初は挨拶程度にしておくと良いでしょう。
また飛び込み営業に行く前にDMを送ってみる方法もあります。
もし営業先がDMを見ていれば、営業に行ったときも話やすいですし、見ていなくてもDMを送ったということを取っ掛かりにして営業をすることができます。
飛び込み営業だと思わせない
飛び込み営業は営業先に迷惑と思われたり、警戒心を持たせるので飛び込み営業と思わせないことが大切です。
相手に飛び込み営業と思わせないコツは、まず自分が飛び込み営業と思わないことです。
飛び込み営業と考えると自分も気負いますし、それは相手にも伝わります。
そうではなく、ちょっと寄ってみたというスタンスで訪問するのです。
「法改正があるかもしれないのでお知らせに来た」
「近くまで来たので挨拶に伺った」
「こんな助成金が創設されたのでおすすめに伺った」
そんな感じで、ちょっとした理由をつけて寄ってみました、というスタンスにするのです。
情報収集
初めて訪問した営業先では必ず情報を収集しましょう。
飛び込み営業はマーケティングでもあります。
飛び込み営業で訪問した会社の現場から、社員の人数や様子、設備や機器の状態など色々な情報を集めましょう。
その情報をもとに顧客の利益になりそうなネタを用意して次回の営業へと繋げるのです。
基本的に顧客は欲しいと思ったものしか買いません。
その欲しいものは何かをまずは見つけるのです。
マーケティングは大事な営業活動のひとつなのです。
受付と顔見知りになる
経営者や意思決定権のある方は忙しいので、飛び込みで営業しても経営者や意思決定権限のある人と会える確率は低いです。
そこでおすすめなのは営業先の受付と顔見知りになることです。
受付の方に挨拶をして、業務の案内などをするのです。
そうすると受付の方から経営者に訪問したこと、業務の案内があったことなどが伝わる可能性があります。
受付の方に言っても意味がないんじゃないの?と思うかもしれませんが、受付と言って侮るべからずです。
受付でも何年も務めているベテランがいる場合があります。
そういう方は経営者と直接、話すことができる人もいますので、受付の方に伝えるメリットはあるものです。
特に小さな会社には、そういう方が多い傾向があります。
飛び込み営業は将棋に似ているところがあります。
歩から攻め、飛車角を落とし、王手を狙うのです。
これが顧客の獲得のコツです。
飛び込み営業の注意点
飛び込み営業は本来、相手の都合を考えない迷惑な営業活動です。
なので出来る限りの気配りと配慮が必要となります。
特に営業に行く時間には気をつけましょう。
その業種のよっても違いますが、営業先の忙しい時間帯は避けるべきです。
一般的には就業の開始時刻と終了時刻のあたりは避けましょう。
また、お昼休みの時間帯も避けたほうが無難です。
最後に
飛び込み営業は
やっても意味がない
迷惑がられるだけ
そんなネガティブなイメージがあります。
確かに成約率は他の営業方法と比べて低く、体力的にも精神的にもつらいものがあります。
しかし私は、全く意味がないとは思いません。
これは私が実際にやってきて、経験した実感です。
色々な情報に惑わされずに、まずは本当に無駄なのか、自分自身で体験してみることが大事です。
通常は会社には営業マンがいて営業マンが仕事を取ってきてくれます。
営業マンがいるから仕事があるわけです。
しかし、営業マンがいない行政書士は自分で営業しなければなりません。
よく営業をしても駄目だったと言って、すぐに諦めてしまう人がいます。
しかし、そんなにすぐに結果が出るなら誰も苦労はしません。
質より量なのです。
飛び込み営業が悪い方法なのではなく、訪問する数と回数が足りないだけです。
こんなことを言うと体育会系のような感じで敬遠されがちですが、誰しもがまずはスマートに営業しようとするはずです。
きっと、それで上手くいかないから悩んでいるのだと思います。
スマートに出来ないなら、泥臭くやるしかありません。
一度でダメなら二度三度と繰り返し営業するのです。
これだけ言っても飛び込み営業で2回以上訪問する人は少ないです。
当たり前のことを当たり前にやるしかないのですが、この当たり前が皆できないのです。
まずは自分でやってみましょう!
そして、やるなら1度でへこたれずに何度も訪問してみましょう!!
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