認知症への正しい知識を身に付けてもらおうと、子ども向けに「にんちしようカルタ」を作った白陵高校(兵庫県高砂市阿弥陀町阿弥陀)の4人グループが、認知症の課題解決策を企画し、実行する大会の中高・高専生部門でグランプリを獲得した。4人は「これからもかるたを進化させていきたい」と発奮している。(広岡磨璃)
いずれも医学部志望の2年生で、塩見桃菜さん(17)、植田凜子さん(17)、越智美羽さん(16)、金谷俊宏さん(17)。4人は、若者が医療を考える祭典「inochi学生フォーラム」に参加し、かるたを考案。早期発見に役立ててもらおうと「めんどくさい そう思うこと増えてない?」など、症状や対処法を端的に表した読み札を考えた。取り札を白紙にし、子どもたちがかるたで遊ぶ際に絵を描いてもらい、知識が身に付くよう工夫した。
関西の中高・高専の72チームが6月、プランを応募。面接やプレゼンテーションを勝ち抜いた6チームが11月下旬、大阪市で開かれたフォーラムで発表した。大学教授や厚労省担当者らが審査し、白陵高のグループは清風南海高校(大阪)のチームとともに、グランプリを受賞した。
より使いやすいよう、札を安く作れる印刷用データを公開するなど、直前まで改良を重ねた。4人は「知識は力」と声を合わせ、約600人の聴衆を前に堂々と発表した。リーダーの塩見さんは「たくさんの人に興味を持ってもらうことができた」と振り返った。今後は図書館などを通じて普及を働き掛けたいという。