行政書士事務所 名前の注意点
行政書士事務所を開業するにあたって、事務所の名前を決めなければなりません。
ここでは、行政書士事務所の名前をつけるにあたっての注意点やどんな名前が良いのかなどを解説していきます。
行政書士事務所の名前には注意事項がある
事務所の名前については、日本行政書士会連合会の会則で規定されています。
(名称の使用制限)
第 60 条の2
単位会の会員は、その事務所につ いて、他の法律において使用を制限されてい る名称又は行政書士の事務所であることにつ いて誤認混同を生じるおそれがあるものその 他行政書士の品位を害する名称を使用しては ならない。
事務所の名称に関する指針についても触れているので、それらをまとめますと以下のようになります。
・事務所の名称には「行政書士」の文言を明示すること
・※同一名称の禁止(単位会区域内)
・「法律」の文言の禁止
・他業種と誤認されるおそれが文言の使用禁止(「司法」、「税務」など)
・他資格の名称が含まれるものは不可(「司法書士」、「土地家屋調査士」など)
・国又は地方公共団体など行政主体と誤認される文言の禁止
・公序良俗に反するものは不可
※例外あり
以上の規定に反しなければ、どんな名前をつけても大丈夫です。
最も一般的な名前は
「行政書士」 + 「氏」又は「氏名」 + 「事務所」又は「法務事務所」
「氏」又は「氏名」 + 「行政書士」 + 「事務所」又は「法務事務所」
の組み合わせでしょうか。
個人事務所の方が多いので、個人名をつける方が多いです。
やはり広告塔は自分自身になるので。
フルネームでつける場合は、語呂や、バランスなども考慮したほうが良いです。
長すぎるのは言いにくかったり、覚えにくいといったように、メリットが少ないので、そのあたりはバランスを取るようにしましょう。
地域名をつけてもいいのですが、始めは自宅事務所から開業する方も多く、その後賃貸事務所を構える事も考慮して地域名をつけない方が多いです。(事務所移転の際に、地域が変わる可能性もあるため)
また何かの都合で、別な都道府県に移転するという可能性もあります。
「事務所」か「法務事務所」かと、こだわる方がいますが、どちらでも構いません。
お客様からすると違いはわかりませんので、お好きなほうを選択して頂ければ良いと思います。
ただし、「法律」の文言を入れることは禁止されていますので、注意してください。
また、あまりにも大手っぽい名前にして実は個人事務所だった、なんて場合は、お客様の印象が悪くなる可能性もありますので、そこは気をつけましょう。
自分らしい名称に
個人的には、ただ自分の名前をつけるよりも、少しひねった名前の方がいいと思います。
特に自分の「氏」又は「氏名」があまり珍しくない場合は、変わった名称の方が、お客様の興味を引きますし、印象に残ります。
ありきたりの名称だと、すぐに忘れられてしまいますが変わった名前だと、必ず、「どんな意味があるのか」という話になりますし、それだけでもお客様の印象に残るでしょう。
これから、ずっと使っていく名称ですから、ご自身も気に入るような名前にしましょう。
また、事務所の理念やご自身の想いを名前に反映させるのも良いでしょう。
女性なら、ひらながやカタカナを使って優しい感じにするのも良いでしょうし、男性なら、固い感じにして誠実そうな印象にするという方法もあります。
名称は、あとで変更することができますので、申請後に使いたい名前を思いついた場合や何か問題があった場合は思い切って変更するのも手です。
しかし、変えすぎるのは、あまりメリットはありませんので、そこは気をつけてください。
色々と悩むところではありますが、自分らしい、ご自身でも愛着の湧くような名称が思いつくと良いですね。
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