沖縄県宜野湾市内の保育園に、米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリの部品が落下したとみられる問題で、米軍は8日、部品はCH53Eのものと認める一方、飛行中の機体から落下した可能性は低いとの認識を示した。ポール・ロック米海兵隊太平洋基地司令官が富川盛武副知事と面会し、説明した。
富川氏によると、ロック氏は「飛行中の機体から落ちたかは疑わしい」と説明。「飛行場から200メートルしか離れておらず、別の要因が考えられる」と落下以外の可能性に言及したが具体的な説明は避けたという。
富川氏は「県民は非常に不安に思っている」と述べ、米軍へ早急な事実解明を求めた。
複数の関係者によると、米軍は(1)機体の部品は全てそろっており不足はない(2)700フィート(約200メートル)上空から落下すれば部品、屋根ともに損傷する―などの理由を挙げ、落下の可能性を否定。保育園で見つかった部品と、実際に使用している部品についているロープの結び目も異なるとの指摘もしているという。
一方、県の大浜浩志環境部長は、8日の県議会一般質問で、県が普天間飛行場周辺で実施している騒音調査で落下時刻に2回の衝撃音が記録されていることを明らかにした。
データは保育園から東に約40メートル離れた場所で測定しており、7日午前10時16分ごろに「ドーン」という2回の衝撃音が残っているという。同じ時刻にCH53Eとみられるヘリが周辺を飛行している画像も記録されている。大浜氏は「落下物と関係があると認識している」と述べ、米軍ヘリから落ちた可能性を指摘した。
米海軍ホームページに、今回見つかった部品と同じものとみられる部品が掲載されている。説明では、CH53Eヘリの回転翼が損傷した際に異常を検知する機器のカバーで、離陸前に取り外すことになっている。見つかった部品と「部品番号」も一致しており、同一の可能性が高い。