「Amazon Echo」で音楽を楽しんでいるときに、再生中の曲の名前を知りたくなることがある。「Alexa(アレクサ)、曲名を教えて」とリクエストすればアーティスト名と曲名を読み上げてもらえるが、全く未知の曲がシャッフル再生などで流れていた場合、音声で答えられてもピンと来ないことが多い。
スマートフォンのAlexaアプリを使えば、現在再生中の曲の他、過去に再生された曲についてもリストが見られるが、記された情報は曲名とアーティスト名、出典となるアルバム名のみだ。
これでは「昨晩シャッフル再生で流れてきた洋楽のタイトルを知りたい」と思ったときも、特定するまでが一苦労だ。また、お目当ての曲が見つかった後、曲名をコピペして検索することを考えると、テキストデータ化されていた方がありがたい。
こうした場合に重宝するのが、Webサービスの「IFTTT」で用意されている、Amazon Echoで再生された曲をGoogleスプレッドシートに書き込んでいくアプレットだ。
これをオンにしておけば、再生された全ての曲について、再生日時、アーティスト名、曲名、出典となるアルバムが記録されるので、後から曲を探してもう一度聴いたり、購入したりしたい場合にぴったりだ。曲名を尋ねようと思っているうちに再生が終わってしまい、聞くタイミングを逸してしまった場合も便利だろう。
IFTTTというサービスについては、「Google Home」関連の記事でも少し触れているが、2つのWebサービスを連携させられるサービスだ。今回はAmazon Echoの音声アシスタントである「Amazon Alexa」と、Googleの「Google Spreadsheet」を連携させる形になる。
設定はほんの一瞬だ。IFTTTに、前述の機能を実現するための組み合わせ(アプレットと呼ぶ)が既に用意されているので、ログインしてそれらをオンにするだけだ。初めて使う場合はIFTTTのユーザー登録と、さらにIFTTT上でAmazonおよびGoogleとのアカウント連携が必要になるが、それ以外は何もない。
後はほおっておけば、Googleドライブ内の「Amazon Alexa」というフォルダの中に「Songs played」というスプレッドシートに、曲が延々と追加されていく。数日間オンにしてみたが、日本語のアーティスト名や曲名にもきちんと対応しており、文字化けすることもない。
ちなみにリスト化された再生済み楽曲を見ると、いろいろと発見もある。
例えば「ビートルズをかけて」でシャッフル再生された楽曲は、常にビートルズの全曲からピックアップされているわけではなく、特定の曲を再生したときに同じアルバムで未再生の曲があると、そちらを続けて再生する傾向があるらしいことが分かる。
もう1つ、同じアルバムのバージョン違いがともに収録されることで、1曲の再生回数が増えているケースも見られる。
具体的には、アルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」は、通常版の他に50周年を記念して2017年に発売されたDeluxe Editionもこのシャッフル再生の対象となっており、結果的に同アルバムに収録された楽曲は、他の曲に比べて2倍再生されやすくなっていることが分かる。「Sgt. Pepper's~」がやたらとかかるように感じたのは、どうやらこれが原因のようだ。
このように、1曲ずつチェックしていてはなかなか分からない傾向が、リスト化することによって分かるようになるのが面白い。
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