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【社会】

加計学園設置審の専門委 議事要旨を公開せず 「圧力感じた」証言

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 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡り、審査した大学設置・学校法人審議会(設置審)の専門委員会の議事要旨が、公開対象となっていないことが八日、文部科学省への取材で分かった。この専門委では出席した複数の委員が「主査(座長)の委員から訴訟リスクがあると告げられ、圧力を感じた」と証言。専門家は認可判断の妥当性を検証するため、「公開は必要」と話す。

 公開対象となっていないのは、獣医学の大学教授らで構成する専門委員会(主査・久保喜平大阪府立大名誉教授)。三段階で審査する設置審で一番下に位置する会議体だが、専門家が委員を務め、認可の是非を実質審査する。

 設置審は本年度から、プロセスの透明性を高めようと、最上位の分科会と中位の審査会の議事要旨を公開するようにルールを改めた。ただし、専門委は従来通り対象外とした。

 その理由について、文科省大学設置室は「専門委の議論は、審査意見の素案としてまとめている。設置審がどう評価、判断したかは答申後に審査意見を公表しており、透明性は確保されている」と主張。専門委の議事非公開を見直す考えはないとした。

 しかし文科省が公開した審査意見は、加計学園の計画に対する設置審の指摘事項と学園側の改善内容を列記したもので、専門委でどのような議論が交わされたのかまでは分からない。

 情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「どのような議論を経て結論に至ったのか、そのプロセスが問題。加計学園の特区選定手続きや森友学園の問題でも、プロセスが不透明なことが不信感や疑念を招いた」と指摘。「審査意見という結論にかかわる部分だけを公開しても透明性は担保されない。文科省に都合のいい情報公開だ」と話している。 (中沢誠)

 

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