『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のGOTYを含む3冠ほか、驚きの最新作も続々発表されたThe Game Awards 2017リポート(1/2)

アメリカのロサンゼルスで行われた“The Game Awards 2017”のリポートをお届け。

 アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで、現地時間2017年12月7日、“The Game Awards 2017”の表彰式が行われた。

 ゲーム・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀作品)を獲得した任天堂のアクションアドベンチャーゲーム『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をはじめ、すでにイベント中に発表された受賞作や、新作発表などについてご紹介しているが、あらためて今年のアワードをおさらいしよう。

『ゼルダの伝説 BotW』がGOTYを含む3冠に

 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、ゲーム・オブ・ザ・イヤー以外にも、授賞式ではベストゲームディレクション部門を受賞。壇上では青沼英二プロデューサーと藤林秀麿ディレクターが「本当にゲーム作ってきて良かったです!」(藤林氏)、「これからも皆さんの期待に応えられるような素晴らしい驚きに満ちたゼルダを作っていきますのでご期待ください!」(青沼氏)と喜びを爆発させた。

 また授賞式では追加で述べられるにとどまったが、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』はベストアクション・アドベンチャーゲーム部門も受賞している。そして既報の通り、追加コンテンツ“英傑たちの詩(バラッド)”の新PVが放映され、同コンテンツ自体の配信も開始。シリーズが今後どんな展開を見せていくのかも気になるところだ。

 そして1930年代のカートゥーンスタイルを再現したグラフィックやサウンドが印象的だった高難度インディーアクション『Cuphead』も3部門で受賞。また『Hellblade: Senua's Sacrifice』が、主人公の女戦士Senuaを演じたMelina Juergens氏に対するものを含めると3部門で受賞している。なお後者は残念ながらプレイステーション4版は国内リリースされていないが、PC版は日本語字幕に対応している。

Juergens氏は映像編集が本職で、仮演技をあてたのが評価されて正式にSenuaを演じることになったという。そんな経緯もあってか、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムや『キング・コング』のコングなど、超一流のモーションアクターやスーツアクターとしてハリウッドで活躍するアンディ・サーキス氏からトロフィーを渡されると、感極まって言葉に詰まるシーンも。

 そのほか、アワード中で触れられなかった物も含めた受賞作および人物・団体リストは以下(カッコ内は記者による賞の趣旨の補足)。全体的に日本の開発やパブリッシャーのゲームが多くノミネート&受賞した年となった。

Game of The Year(※年間最優秀作品)
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

Best Game Direction(※ゲームディレクションやゲームデザインに対する賞)
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

Best Narrative(※インタラクティブ性も含めた優れた物語体験に対する賞)
フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと

Best Art Direction(※アートディレクションに対する賞)
Cuphead

Best Score/Music(※作曲や収録曲に対する賞)
NieR:Automata(ニーア オートマタ)

Best Audio Design(※音響設計に対する賞)
Hellblade: Senua's Sacrifice

Best Performance(※声やモーションキャプチャーなど演技に対する賞)
Melina Juergens(『Hellblade: Senua's Sacrifice』)

Games for Impact(※社会に対するメッセージ性や問題意識などの取り組みに対する賞)
Hellblade: Senua's Sacrifice

Best Ongoing Game(※発売後のコンテンツ追加など、継続したアップデートを主眼に置いた賞)
オーバーウォッチ

Best Mobile Game(※スマートフォンなどのモバイルゲームに対しての賞)
Monument Valley 2

Best Handheld Game(※携帯ゲーム機のゲームに対しての賞)
メトロイド サムスリターンズ

Best VR/AR Game(※VR/ARゲームに対しての賞)
バイオハザード7 レジデント イービル

Best Action Game(※戦闘に主眼を置いたアクションゲームが対象)
Wolfenstein II: The New Colossus

Best Action/Adventure Game(※戦闘だけでなくパズルや移動アクションを織り交ぜたアクションアドベンチャーゲームが対象)
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

Best Role Playing Game(※RPG作品が対象)
ペルソナ5

Best Fighting Game(※格闘ゲームおよび対戦型アクションが対象)
Injustice 2

Best Family Game(※ジャンルやプラットフォームによらず、家族で遊ぶのに向いたゲームが対象)
スーパーマリオ オデッセイ

Best Strategy Game(※RTSおよびターンベースのストラテジーゲームが対象)
マリオ+ラビッツ キングダムバトル

Best Sports/Racing Game(※スポーツゲームとレースゲームが対象)
Forza Motorsport 7

Industry Icon Award(※業界に偉大な足跡を残した個人に対する表彰)
Carol Shaw氏

Most Anticipated Game Presented by McCafe (※今後の期待作に対する賞)
The Last of Us Part II

Best Independent Game(※最優秀インディーゲーム)
Cuphead

Best Student Game(※高校またはカレッジレベルの教育機関で開発されたゲームが対象)
Level Squared

Trending Gamer(※配信者やジャーナリスト、ゲーム関連団体などの中から業界にインパクトを与えた人物に対する賞)
Guy Beahm (Dr. Disrepect)

Best Esports Game(※対戦ゲームとしてのコンテンツ開発だけでなく、大会やコミュニティサポートなども含む、より優れたeSports体験の提供に対する賞)
オーバーウォッチ

Best Esports Player, presented by Omen by HP (※eSports選手に対する賞)
Lee sang-hyeok “Faker”

Best Esports Team(※eSportsチームに対する賞)
Cloud9

Best Debut Indie Game, presented by Schick Hydro(※処女作をリリースしたインディースタジオに対する賞)
Cuphead

Best Chinese Game(※中国の視聴者の投票によって最も優れた中国産ゲームを選出)
jx3 HD

※Best Multiplayer賞についてはアワード中では触れられず、執筆時点では公式サイトでも発表されていない

業界初の女性ゲームデザイナーのひとりであるキャロル・ショウ氏が表彰された際には、敬意を表して客席はスタンディングオベーション。最初に所属したのはアタリで、作品としてはアクティビジョンで手掛けたシューティングゲーム『River Raid』が知られている。