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鬼畜魂(KICHIKU-KON ) 5

”血液機動パソコン”通称ブラッドPCは、国家の最高機密に値する。しかもこのブラッドPCは、
朧月夜の血盟団における厳戒レベル最高ランクに位置しており、地表に出ることは絶対にないという
いわくつきのシロモノだ。
 ・
 ・
 ・
「吉井!そいつは回収していくぞ」

「・・・は、はい。ですが主任 これすでに機動されているようです、恐らくは機動させたのは加害者の
紗江子です」

「そんなことは言い切れないだろう。殺された克人かもしれんじゃないか?それにな、ブラッドPCは
俺たちの管轄外だ。よけいな詮索はしないほうがいい。俺たちは現場でたまたまこいつをみつけた。
ありえないことだが、見つけちまったものはしょうがねぇ。朧月夜の血盟団にほらよと渡せばそれでいい」

すでに田所は、血だらけのブラッドPCとのかかわりを早々に絶ちたい気分だった。何かがおかしい。
何かが急速に展開していくような言い知れぬ恐怖が彼の第六感に警鐘を鳴らしていた。

「主任、でもこれはやはり紗江子が機動させ、そして克人の第二組成向こうの世界で完成している
ようです」

(第二組成?  向こうの世界?)


「お前はいったい何を言ってるんだ?」

吉井は、無言でモニター画面を田所に見せた。

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second composition makeup completed
 (第二組成が完成しました)

his name is Katsuhito.
(名前はカツヒトです)

his blood is perfect.
(彼の血は完璧です)


--------------------------------

そして一番最後に こう書いてあった。


--------------------------------
administrator :  Saeko
(アドミン : サエコ )

--------------------------------

モニターの横にあるガシェットには、たくさんの項目があり、それぞれに帯グラフのようなもの
数字が切り替わる様子が書かれている。

そこには、

「現在位置」という項目もあった。

田所は、迷わず その部分をタップしてみた。

ポップアップされたウィンドウには、地図が表示される、マトリクス系の立体地図だ。
そして、恐らくは第二組成されたカツヒトの現在位置を示すものだろう。


「ここは?」

吉井も画面を食い入るように見る。

「ここはたぶん座標からして千葉県・・・ええと、船橋市でしょうか。あ、これは駅ですね!
大きなターミナル駅のようです。ん? 西船かな」


再度、田所は画面のポインタの動きと立体地図を確認した。もう少し見やすい地図はないものかと
見える箇所をタップしてみる。

(ボワン)

ブラッドPCが異様な音を立て、ホログラフィックイメージが田所たちの眼前に現れた。

「うわ!!」

思わずのけぞるぐらいの大きさだった。

「はい、ここは西船で間違いないようです。しかし、こんなに精度の高いパソコン、
日本もここまでの技術革新が進んだのですね」

吉井は、これから起こる日本を震撼させる事態の重要さに気づいていない。それよりも
違う方向に興味をもつようだった。

「これは本部にすぐに連絡したほうがいいな・・・」

「いえ、主任、これは我々が対応しましょう」

「お前、何いってんだよ。俺たちの仕事は鬼畜魂のバストだけだ。他の分野は専門家に
任せる」

吉井の妙な好奇心につきあっている暇はない。これ以上の有無を言わせぬという目で
にらんだ。

「違います、主任。これは我々がやるべきです。」

いつになく吉井は真剣なまなざしで田所を見つめ返した。

「まず第一に、なぜ紗江子はわざと我々の目につくように、発見されやすい場所にこいつを
置き去りにしたのか。少なくとも紗江子は、カツヒトを殺害ししています。そして彼らは兄妹です。
狂おしいぐらいの何かの事情があるように思いませんか。

第二にこいつです。」

吉井は、ブラッドPCを目を向ける。

「こいつは、およそ我々が生きているうちにお目にかかれるシロモノではありません。何しろ
僕もうわさにしか聞いたことがない。だけど今、こうやって本物が目の前にあるのです。」


「お前・・・鬼畜魂の捜査よりも そいつに対する興味のほうが上だろ」


「はい、それは否定しません。しかし、主任もわかると思いますが、僕らは鬼畜魂を
バストしなくてはなりません。それも根絶やしにしなければ、安全な生活など誰にも
まわってこないのです。でも こいつは、何か解決の糸口になるかもしれません。
紗江子は、その役割を僕らに託した・・・そう考えると すべてのつじつまが合いますよ」


田所は、驚きとともに多弁になった吉井の言葉を咀嚼した。

(確かに・・・)


ふと 目に付いた 紗江子の机の上にある 家族の写真。 そこには
4人家族が全員笑顔で幸せを満喫している様子がうつしだされていた。

白い帽子が風に飛ばされまいと 押さえながら はにかむようにして写っているこの子が
紗江子に違いない。

父親よりも背が高く、日焼けして 太陽が眩しいのか、片目を閉じて笑っている少年が・・・・


カツヒトなのだろう。



「吉井、そいつを持て。今からアナザー千葉に直行する!」

「いえっさ!」



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