乗組員の半数ほど“元軍所属”

道南の松前町で11月に見つかった北朝鮮から来た木造船の乗組員10人のうち半数ほどが過去に北朝鮮軍の兵士だったと話していることが関係者への取材で新たにわかりました。
北朝鮮から来た木造船は函館港の外で巡視船に横付けされ、警察や第1管区海上保安本部の立ち入り検査を受けていますが、6日は乗組員10人全員が任意の聴取を拒否するなど難航しています。
こうした中、これまでの調べに対し、乗組員の半数ほどが「かつて朝鮮人民軍に所属していた」と話していることが関係者への取材で新たにわかりました。
乗組員はどの部隊でどのような任務についていたかなど詳細を明らかにしていませんが、乗っていた木造船には「朝鮮人民軍第854軍部隊」とハングルと数字で書かれたプレートが掲げられています。
韓国のソウルを拠点に北朝鮮の軍について研究するアジア経済研究所の中川雅彦調査員は「部隊を示すプレートは北朝鮮の船に対して、軍の任務で漁をしていることを示すことが目的。わざわざ部隊名を示していることからスパイ活動などをしている可能性は限りなく低い」と分析しています。
警察や海上保安部では引き続き乗組員の聴取を行い、軍との関わりなどについて詳しく調べることにしています。