この記事は私がまとめました

hiraoyogiさん

番組

池上さんのひどい発言をいくつか書き起こし(一度聴いただけなので完璧ではないと思います)

中国軍のゲリラ兵、あるいは中国の一般市民などを殺害したとされている事件

以前の教科書では、南京大虐殺と書かれていたんですけど、中国が大虐殺があったと言ったけれども、日本側で専門家が調べたら、それほどの数ではないんじゃないか、ということになり、南京大虐殺ってのはちょっと極端だよね、と、そういう意見があって、南京事件という表記に最近の日本の教科書は変わりつつあります。

南京大虐殺と習った人もいる、南京事件と習った人もいる。それは中国の言う犠牲者と日本側の言い分が大きく食い違っているからなんですね。

30万人を6週間で、毎日7千人を殺していかなければ、遺体をどうしたのか、これはありえないだろうということになる、さらに、当時、南京は、日本軍が入る前の人口は20万人、データがあるんですね。20万人のところでどうやって30万人殺せるんだろう。ということにもなる。

そもそも、なかったと言っている人もいる。いろいろな説がある。

2万人だったら大虐殺ではないのか、となると、これちょっとなかなか微妙ですね。

南京事件FAQや歴史学辞典などで簡単におさらい

「ゲリラ兵」

呼称「南京大虐殺」「南京事件」についての池上さんの解説はおかしい。歴史学辞典の項目は「南京大虐殺」でも「南京事件」でも犠牲者数の記述はほぼ同じ。

歴史学辞典の項目と記述

平凡社 『日本史大事典 第5巻』

「南京大虐殺」(執筆者・江口圭一)

「犠牲者数については中国側の公式見解は三十万人とするが、戦闘行為による戦死者を除き、上海から南京へ進撃途中から三十八年二月初めまでの期間をとれば、十数万人から二〇万人前後に達するとみられる。」


弘文堂『歴史学事典 第7巻』

「南京事件」(執筆者・笠原十九司)

「日中戦争初期、当時の中国の首都南京を日本軍が攻略・占領した際に中国軍民にたいしておこなった虐殺、強姦、掠奪、放火、拉致、連行などの戦時国際法と国際人道法に反した大規模な残虐行為の総体。南京大虐殺事件、略称として南京事件という。単に南京大虐殺ともいう。・・・

犠牲者数の確定は困難であるが、現段階の日本側の研究では、十数万から二〇万人の中国軍民が犠牲になったと推定する説が有力である。」

項目が「南京大虐殺」でも「南京事件」でも犠牲者数の記述はほぼ同じ。

そして「十数万から二〇万人の中国軍民が犠牲になったと推定する説が有力」とする笠原氏の本の題名ももちろん「南京事件」。

笠原氏が池上さんの「中国が大虐殺があったと言ったけれども、日本側で専門家が調べたら、それほどの数ではないんじゃないか、ということになり、南京大虐殺ってのはちょっと極端だよね、と、そういう意見があって、南京事件という表記に最近の日本の教科書は変わりつつあります」「南京大虐殺と習った人もいる、南京事件と習った人もいる。それは中国の言う犠牲者と日本側の言い分が大きく食い違っているからなんですね」なんてトンデモ発言に同意する可能性はゼロでしょう。

池上さん「南京は、日本軍が入る前の人口は20万人、データがあるんですね」は間違い

歴史学辞典の記述

南京城区には四〇万~五〇万人(南京攻略戦以前の人口は一〇〇万人以上)、近郊の六つの県には一〇〇万人前後(同じく一五〇万人以上)の市民が残留していた

「30万」や「可能?」や「遺体」や「虐殺とは?」などに関して

「(「30万人が殺害された、とする根拠が十分じゃない」から)直ちに「30万人も殺されていない」とするのは論理の飛躍である。「30万人も殺されていない」と主張するためには、それこそ安全区の人口を南京市の人口とすり替えるようなゴマカシ抜きで当時の人口移動について実証的な検証*1をし、「30万人も殺されたはずがない」ことを示す必要があろう。秦郁彦も(80年代には)こう言っていた。

「奥野元国土庁長官は「中国政府にかけあって紀念館のかかげる三十万の数字を訂正させろ」と迫って外務省を困惑させたが、代わる数字の持ちあわせがあったのだろうか。へたな数字を持ち出して根拠をただされれば恥をかくだけで、終戦直後の泥ナワとは言え、生きのこり被害者の証言を積みあげた三十万に対抗できる数字をわが方から出すのは不可能と思う。(「論争史から観た南京虐殺事件」、『昭和史の謎を追う』所収)」」

http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20061202/p3