ジェダイ騎士団の性格について その2


  さて、おそらくは「名誉ある中立」を守る事で、共和国の「政治的側面を体現する」元老院に対して、伝統的に一定の距離を置いていたと思われる、ジェダイ騎士団という存在…共和国内において「ある程度の」独立性を持ち、独自の「掟」をもって運営される、しかも「武人集団」でもある組織が、それにも関わらずこれまでほとんど警戒される事も敵視される事もなく、存在を「許されて」きたのは「なぜ」なのか?


 おそらくは、元老院ばかりでなく共和国の人々のほとんどが、
  • 「銀河系(共和国)の平和と秩序の守護者」であるジェダイ(騎士団)が、共和国に敵対する事などありえない
  • ジェダイ(騎士団)は正義の味方であり、共和国とその人民すべてを守ってくれる存在なのだから…これまで千年もの間ずっと、伝統としてそうしてくれてきたのだから

 などという、「無言の了解」「ある種の信頼」…そして言い方はよくないのですが、いわば「無邪気な思い込み」とでもいうべき感情を共有していたためではないだろうか、そう感じているのですね。
(とはいえむろん、例外というものはいつの世にでも、またどこの世界にでもある事だろうとも思ってはいますので…理由もなくジェダイを敵視したり、そこまで行かなくてもうっとおしく感じていただろう人々は、後ろめたい事のある連中ばかりではなかっただろうとも思ってはいますが)

 本来ならば、独自の武力と権威を備えている「集団」であるという事は、実はそのまま「クーデターを起こせる可能性を持つ存在」、つまり「現政権にとって脅威=敵となりうるだけの力を、潜在的にとはいえ持つ存在」と見なされてしまう危険性を、常にはらんでいるのではないか、そう思われるのですね…共和国そのものが、これまで「ジェダイ騎士団以外の武力を持っていなかった」という話でもあるので、なおさらではないかとも思っているのですが。
 とはいえ、これまで一度もそのような疑いをかけられるどころか、疑われた事さえなかったのではないかと思われる事からも、共和国の人々がジェダイ(騎士団)という存在によせてきた深い信頼、そして尊敬と畏怖という感情の強さを感じとる事ができるのではないだろうか、そうも思っているのですね…個人的にではありますが。


 しかし、不特定多数の人々が共有する「無言の了解」「ある種の信頼」そして「無邪気な思い込み」によって、存在をいわば「許されている」という状態は、実は非常に不安定なものとも言えるのではないだろうか…そうも感じているのですね。


 つまり、何かのきっかけによって人々がどんな形であれパニックに陥り、平常心を失ってしまったとしたら? ましてや、人々がパニックに陥るよう積極的に策謀(陰謀)をめぐらし、その状態が少しでも長引くよう、陰で煽ったりする存在がいたとしたら? 
 おそらく「無言の了解」「ある種の信頼」そして「無邪気な思い込み」のような「頼りない」「不安定な」感情は、それを上回るパニックという衝撃によって、どこかへ吹き飛ばされてしまうだろう…そう、私には思われるのですね。

 したがって、そのような状態に共和国の人々を追い込み、ジェダイ騎士団の存在基盤と思われる「無言の了解」「ある種の信頼」そして「無邪気な思い込み」のすべてを忘れさせ、むきだしになった「(潜在的な)危険性」にのみ目を向けさせる事で、人々の心にジェダイという存在に対する警戒心と敵意を植えつけてしまい…さらにはそれを煽りたてる事で、ジェダイ(騎士団)の打倒に一般の人々の「協力」を取りつけ、ジェダイ(騎士)たちから「共和国(の人民)の守護者」という名誉と誇り、そして逃げ場さえも奪い取った上で、1人残らず抹殺する…これこそが、ジェダイ(騎士団)の不倶戴天の敵として千年来の復讐をついに果たそうとしている「見えざる脅威」シス、つまりシディアスの隠された「真の狙い」なのではないか、そう感じているのですね。

 なので、『エピソードII』において「クローン大戦」という共和国はじまって以来の全面戦争という危機を、しかも「宿敵」ジェダイ(騎士団)にその「引き金を引く」役を演じさせるという形で引き起こす事に成功したと思われるシディアス(パルパティーン)は、すでに『エピソードIII』に向けて先のような状況を着々と作りつつあるのではないか、そうも感じているのですね。


 また、ジェダイ騎士団という存在が、共和国内において「ある程度の」独立性を持ち、独自の「掟」をもって運営される、しかも人々からは尊敬とある種の畏怖をもってうやわまれる独特の「権威」を備えた「武人集団」と思われる以上、このような「力ある」存在を打倒するためには、それを上回る「力」=権力、武力、財力、Etc. が必要となるのは、当然ではないだろうか…そう、私には思われるのですね。
 したがって、打倒しようとする側…言うまでもなく、シディアスの事ですね…としては、それだけの「力」を備えた存在となる必要があるだろう、そうも思われるわけですね。
 なのでおそらく、シスであるシディアスがあえて、「政治家パルパティーン」という「見せかけの姿」を演じている最大の理由は、この事にあるのではないだろうか…そうも感じているのですね。 

 「政治家パルパティーン」という「仮の姿」「隠れみの」をまとった事により、おそらくシディアスはジェダイはむろん他の誰にも、シスという「真の姿」および「ジェダイ(騎士団)の打倒」という「真の狙い」を悟られる事なく、「宿敵」ジェダイ…さらにはジェダイたちが守ってきた共和国をも打倒できる、圧倒的な「力」…権力、武力、財力、Etc. のすべてをつかみとれる地位にまで、ごく自然な形でのぼりつめる事が可能になったのではないか、そう私には思われるのですね。

 手はじめに出身地ナブー選出の元老院議員という、共和国の要人の一員となり…『エピソードI』においては、最高議長の地位の獲得に成功し…『エピソードII』においては、非常時大権の委任を受ける事で絶対的な「権力の獲得」に成功し、同時にクローン軍団という強力な「武力の獲得」にも成功した事で、ついにほとんどすべての面において、「宿敵」ジェダイ(騎士団)を上回る圧倒的な「力」を手に入れたと見なしてもよいのではないか、そう思われるわけですね。


 また、その過程において綿密にして容赦のない策略(陰謀)をも同時にめぐらしてきた事により、シディアス(パルパティーン)はジェダイ(騎士団)を「罠」、つまり逃れようのない嫌疑に「はめて」「陥れて」しまう事にも成功したのではないか…そうも感じているのですね。

 その「罠」、つまり嫌疑とは、
  • クローン軍団創設にまつわる疑惑…発注者が、当時ジェダイ評議会のメンバーであった、マスター・サイフォ=ディアスとなっている事
  • 分離主義者の頭目ドゥークー伯爵が「元ジェダイ(騎士)であった」という事実
  • 「元老院はすでに、シス卿ダース=シディアスに支配されている」というドゥークーの言葉が意味するもの…すなわち「元老院で最高の地位にある者、つまりパルパティーンこそがシディアスである」…にジェダイたちが気づき、実力でパルパティーン(シディアス)を排除しようと試みてしまうと思われる事
 したがって、おそらく『エピソードIII』においてはこれらすべてがジェダイ(騎士団)を滅ぼすための格好の口実として、パルパティーン(シディアス)に使われる事になってしまうのだろう…そう、私には思われてならないのですね。

 なので今となってはもはや、シディアスがいかにして千年来の「宿敵」ジェダイ(騎士団)を、「仮の姿」「隠れみの」である「政治家パルパティーン」としてではなく、「真の姿(本質)」であるシス=悪魔にふさわしい方法で、徹底的に打倒して復讐をなしとげるか…そういったいわば「お約束」が残っているのみなのではないだろうか、そうも感じているのですね…これも個人的にではありますが。


ではまた ^^☆

(『ジェダイ騎士団の性格について・ふたたび』2003/01/20初稿、2004/12/08決定稿)



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