5.
…以下は描かれるかどうか、微妙な所…省かれて、そのままエンディングへ飛んでしまう可能性の方が大きいと思われる。 オビ=ワンはベイルを頼って、パドメともどもオルデラーンに身をよせる…重傷を負ったパドメが回復するまでには、数ヶ月はかかるはずなので…その間にお腹もどんどん大きくなっていって、双子を出産することになる。 (で、意識が戻った時にはすべてが終わっていて、しかも妊娠していることもはっきりわかったために、絶望したものの死を選ぶことはできなかったのではないか、そうも思われて…かわいそうなパドメ) 可能性としては、オルデラーンから極秘でさしむけられた宇宙船がオビ=ワンとパドメを救出するということも考えられるのだが…ただ、ナブーの周辺空域は共和国軍に封鎖されているはずなので、それをかいくぐって二人を救出するというのは、実際にはかなり困難なのではないか…そう思われる。 (万一、オルデラーンからの船だということが知れてしまった場合には、『新たなる希望』まで待つこともなくナブーの運命がオルデラーンの運命になってしまうと思われるだけに、ベイルとしてもいくら旧知の二人を救うためとはいえ、オルデラーンの人民すべての命に関わるような危険な賭けをできるかどうか? 微妙な所ではないかとも思われる) 仮に、オルデラーンからの船が救出に当たった場合は、オビ=ワンとパドメ以外にもう少し人を乗せる余裕があるのではないかと思われるが…それでもナブーの人々はともかく、グンガン族はやはり誰一人乗らない道を選ぶのではないか、そんなことも感じている。 なぜなら、「大地の子」…つまり「土着」の種族であるグンガン族にとっては、ナブーを失ってしまうことはそのまま、一族の「死」を意味するのではないか…なのでやはり、ナブーを離れて(捨てて)生きのびる道ではなく、自分たちグンガンを生みだし、育んでくれた大地や水とともに滅びることの方を選ぶのではないか…そんなことを感じてもいる。 (ついでながら、おそらくグンガン族は自分たちの星を「ナブー」ではなく、別の名で呼んでいると思われるが…「グンガ」だろうか?) 一方、こちらも重傷(重度の火傷?)を負ったアナキンも、機械の身体が完成するまで…また、それになじんで自分の意志のままに動かせるようになるにも、これまた少なくとも数ヶ月はかかるのではないかと思われるので、「ヴェイダー誕生」までに多少時間がかかったとしても、不思議ではないだろう…そうも思われる。 最後になったが、アナキンとしてはおそらく、自分が深い愛情をよせ、心の「拠り所」になって欲しいと願っていたパドメとオビ=ワンが、二人とも「自分を選んでくれなかった」以上(なのでパドメは、自分の手で殺してしまった…アナキン本人は、おそらくそう思い込んでしまったのではないかと思われる…また、その反対にオビ=ワンは自分を殺してくれた、こちらは思い込みではなく事実であるわけで)、自分を「人の世」につなぎとめる存在はもはや何もない…そう思い決めてしまったのではないかと思われる。 そして、もはや未練なく「自分から」人間としてのすべて…心も、愛も、何もかも一切を捨ててしまい、生きながらにして「死者」「機械」である存在、つまりシス卿ダース=ヴェイダーと化してしまったのではないか…残っているものはただ、自分を拒絶するこの世のすべてに対する「凍りつく」ほどの憎悪と、そのすべてをねじ伏せられる「力」、つまりダークサイドのもたらす「絶対的な力」…人の生死をも支配できる「力」への渇望だけなのではないか…そうも思われる。 …以下、エンディング。 (セリフは一切なし、すべて音楽のみ) コルサント、時間は夜。 パルパティーン、帝国樹立を高らかに宣言する…左右には、トリロジーで帝国の要人として活躍する人々がずらりと居並び、皇帝のかたわらには全身黒づくめで、黒い仮面をかぶった謎の人物が控えている。 歓声をあげる民衆の姿…ただし、『エピソードII クローンの攻撃』において非常時大権の委任が可決されたシーンとは違い、エイリアンは一人もいない…すべてヒューマノイドである。 場面が移動し、廃墟となったジェダイ・テンプルや図書館などが映しだされる…続いて、これまた廃墟となったナブーの街並み、シード宮殿、宇宙港、グンガン族の聖地が順に映しだされていく…人の姿はまったくなく、時間はすべて夜(場面によっては、月や星などが美しく輝いているかもしれない)。 さらに場面が移動し、窓際の椅子に座っているパドメの姿が映しだされる…ひざの上に、生後数ヶ月と思われる赤ん坊が抱かれている(これで、「火口の決闘」のシーンから一年あまりが経過していることがわかる)。 赤ん坊がおもちゃにしているのが、「シャポールの木のお守り」(これで、アナキンの子であることがわかる)…時おり、母親に向かって可愛らしく笑いかけたりもするが、パドメはうつろなまなざしのまま、見るともなく外の景色(これも夜)を見ているだけ。 部屋の中には他に、数人の侍女もいるが…パドメに話しかけることも、お互いに言葉を交わす様子もなく、静まり返ったまま。 ドアが開き、ベイル・オーガナが入ってくる(ここで、オルデラーンであることがわかる)…パドメの姿を見て立ち止まり、痛ましそうな目を向ける。 パドメに取り次ごうとする侍女を目顔で制し、ベイルは来た時と同じように、静かに部屋を出ていく。 (愛するアナキンを失い、故郷ナブーと共和国、そして民主主義を守るという理想も失い、おそらくは家族もすべて失ってしまったことで、パドメの心は砕けてしまい、アナキンとは別の意味で「生ける死者」となってしまったのではないか…なので今はただ子供のためにのみ、かろうじて命をつないでいる状態に過ぎず、数年後に本当の死を迎えた時に「お守り」もパドメとともに棺に納められたために、成人したレイアの持ち物の中にこれはない) R2とC3POは、アナキンを思いださせるものをもう見たくなかった(つらすぎて…でも「お守り」だけはやはり、どうしても手放せなかった…)パドメが、亡命? を受け入れてもらったこと、また怪我の治療や出産の世話をしてもらったこと、その後も母子ともどもかくまってくれていることへのいわばお礼として、ベイルに譲ってしまったのではないかと…なので、2体ともパドメの側にはいない。 (そして最終的には、『新たなる希望』で2体の持ち主となっていたオルデラーンの艦長に譲られることになる) さらに場面が移動し…宇宙空間に小型艇が出現、乗っているのはオビ=ワン。 下に広がっているのは、タトゥイーン…二重太陽をバックに、小型艇が降下していく。< br> 着陸した小型船から、これまた生後数ヶ月の赤ん坊を抱いて降りてくるオビ=ワン…砂漠に降り立った時、ちょうど夜が明け、二重太陽が姿を見せる…明け方とはいえ強い陽射しに軽く顔をしかめ、片手で赤ん坊を抱いたまま、もう一方の手で陽射しをさえぎるオビ=ワン…その腕に抱かれた赤ん坊が、大きく映しだされる…よく眠っていたのが、強い陽射しのためかふと目を覚まし、自分を見つめるオビ=ワンににっこりと笑いかける。 小型艇のかたわらに、赤ん坊を抱いてたたずむオビ=ワンの後ろ姿が、小さく映しだされる…頭上にはタトゥイーンの二重太陽が輝いて、新しい朝…そして新たなる希望の始まりを告げている。 おしまい♪ |