2.


 クローン戦争もついに最終局面に入り、共和国の優勢が確実になりつつある所へ、分離主義者同盟の頭目ドゥークー伯爵および主要なメンバーたちの居所に関し、かなり確かな情報が入る。
(実はこの情報、シディアス=パルパティーンが故意に漏らしたもの…とはいえ、この事実は語られないままである)

 オビ=ワン将軍を司令官とした、おそらくはジェダイ&オルデラーン人を司令部とする軍が結成され、(一般の兵士はむろん、クローントルーパー)コルサントを出立…アナキンも副官として、オビ=ワンたちと行動を共にすることになる。
(クローン戦争が始まって以来、アナキンはパルパティーンの命令により、護衛として側についている…それにより、ますますパルパティーン個人およびその政治姿勢への傾倒を、ひそかにとはいえ強めつつもある…ただし、これまでにもパルパティーンより命令を受けて前線に出ることもしばしばあったので、今回の出撃命令についても、アナキン本人をはじめ誰も不思議に思う者はいなかった)

 ヨーダやメイスをはじめとするジェダイ評議会は、護衛となったアナキンを通してパルパティーンおよび元老院をそれとなく監視していると思われる…むろん、他にもいろいろと手をうってはいるだろうが。
(とはいえ、もとからパルパティーンに心酔しているアナキンでは、監視どころか人選ミスそのものと思われるのだが…おそらくは伝統的に「名誉ある中立」を保つことにより、共和国の「政治的側面を体現する」元老院、さらにはそのトップである「最高議長」に対し常に一定の距離をおいて存在してきたのではないかと思われるジェダイ騎士団のメンバーたちが、そのいわば副作用として良く言えば「政治に疎い」「政治嫌い」、悪く言えば「政治音痴」であったとしても特に不思議ではないし、むしろ当然かもしれないとさえ思われるので…なので結果的にこのようなミスが起きてしまったとしても、ある意味仕方のないことなのかもしれないとも思われる)


 オビ=ワン率いる共和国軍、頭目のドゥークーをはじめ分離主義者の主だったメンバーが集結しているという情報があった惑星を包囲し、攻撃を開始する…司令官であるオビ= ワンは、旗艦にとどまって戦局の把握と周辺空域の封鎖に当たり、副官のアナキンが地上部隊の指揮をとって、ドゥークーおよび分離主義者たちの追跡および逮捕を行うことになる。

 激しい戦いが行われ、その最中にアナキンはドゥークーと対面することになる。
 ドゥークーはアナキンに、以下の事実を告げる。

  • パルパティーンの正体は、ジェダイの宿敵「シス卿ダース=シディアス」であること。
  • 分離主義者の運動もすべて、シディアス=パルパティーンがジェダイを倒すために仕組んだ「罠」であること。
  • アナキンの母シミの誘拐と無残な死についても、実は裏でシディアス=パルパティーンが糸を引いていたこと。
 動揺するアナキンに、ドゥークーはともにシディアスを倒そう!! と誘惑する。
 しかし、パルパティーンに心酔していること…また、「母を殺した真犯人とは、実はドゥークー本人ではないのか? その事実を隠すために、また敵である共和国最高議長パルパティーンを自分に打倒させるために、このような根も葉もないことを吹き込もうとしているのではないのか?」と思い至って爆発し、怒りと憎悪で一気に強まった力をもってドゥークーと対決し、ついに打倒する。
(アナキンには電撃は使えないだろうが…おそらく、使い方そのものがわからないだろうと思われるので…とはいえ、ジェダイの禁じ手? フォースで操った物を人に直接ぶつけるという攻撃は、してしまう
かもしれない…『エピソードII』で、ジオノーシス人相手にしていたように…怒りと憎悪のままに、おまけに禁じ手? まで使って、手段を選ばず相手を打倒したとあっては、もはや首までダークサイドに浸かってしまったと考えるしかないかもしれない)


 ドゥークーを失ったことにより、分離主義者同盟は総崩れとなり、共和国側の勝利がほぼ確定する…分離主義者同盟の主要メンバーたちは、ある者は投降し、ある者は逮捕されて捕虜となり、一ヶ所にまとめて集められる。
 アナキン、地上部隊の指揮官として、捕虜となった分離主義者たちと対面する(通商連合総督ヌート・ガンレイなども、その中にいるのかもしれない)。
 エイリアン種族がほとんどの捕虜たち、哀願する者もいれば(中にはひざまづいて、命乞いをする者もいるのかもしれない)、ぐったりと弱った様子であらぬ方を眺めている者もいる。
 惨めなエイリアンたちを、無表情に見ていたアナキン…嫌悪の色が、しだいに目に浮かんでくる。
 クローントルーパーの指揮官、「この者たちをいかがいたしましょうか?」と指示を仰ぐ…「殺せ」と即答するアナキン。
 エイリアンたち、静まり返り…一瞬後、悲鳴をあげて騒ぎはじめる…構うことなく、アナキンは重ねて「殺せ、一人残らず」と命じる。
 クローントルーパーたち、直ちにアナキンの命令を実行に移す…無表情なまま眺めていたアナキン、すぐに興味を失ったように殺戮の場に背を向け、ジェダイ・ローブをひるがえして歩きだす。

 ほとんど行かないうちに、アナキン…こちらに向かって急いできたらしいオビ=ワンと行きあう。

 「ドゥークーを討ち取ったそうだな、アナキン。捕虜を捕らえたと聞いたが…あの声はなんだ!?」
 オビ=ワン、アナキンの背後をすかし見るような仕草を見せる…目こそオビ=ワンと合わせたものの、無表情のまま答えようともしないアナキン。
 はっとなったオビ=ワン、激しい目でアナキンを見る「まさか…」アナキンの横をすり抜け、走りだしていく…「やめろ!! やめないか!!」
 司令官の命令を受け、直ちに動きを止めるクローントルーパーたち…しかし殺戮はすでに、ほとんど終わってしまっていた…呆然と立ちつくすオビ= ワン(「なんてことだ…」とか、つぶやくかもしれない)。

 気配を感じ、振り返るオビ= ワン…背後に立っていたのはアナキン、動揺してもいなければ、哀れみを感じている様子もまったくない…相変わらず無表情で、無言のまま。
 オビ= ワン、激しい目でアナキンをにらみすえる…怒りをかろうじて押さえた声で、絞りだすように言う「なんてことを…お前は何をやったのか、わかっているのか? お前は本当にジェダイなのか!?」
 目をそらすことなくオビ=ワンの視線を受け止めているアナキン、無表情だった顔にかすかな微笑が浮かんでくる…「もちろん。最強のジェダイだ」叩きつけるように言い放つ。
 激しい視線をぶつけあう二人…オビ= ワンは激しい怒りを抑えながら、アナキンは今やはっきりと微笑しながら…向かいあって立つ二人の姿が次第にに遠くなり、戦いの場となった惑星が映しだされ、そして宇宙空間へと場面は変わっていく…。

(アナキンの「力がすべて」「強い者が正義」という「力の価値観」と、オビ=ワンの「名誉ある騎士」としての「ジェダイの価値観」との「相違」が、ついに表面化して激突した瞬間…これ以降、「火口の決闘」を経て『新たなる希望』でオビ=ワンが死ぬまで、二人の対立は生涯続くことになる)


 頭目であるドゥークーが死んだことによって、クローン戦争そのものはほとんど消化試合の段階に入る。
(この頃、分離主義者にエイリアン種族が多かったことから、エイリアン種族そのものを「共和国の敵」と見なす風潮が広まりつつある…陰で煽らせているのはむろん、シディアス=パルパティーン)


 アナキン、ジェダイ評議会にドゥークーの言葉を報告する…あまりのことに動揺する評議会、とにかく真偽を確かめなくてはならないと、メイスを中心に特に強いジェダイが選ばれて、パルパティーンのもとへ向かうことになる。
(当然ながら、アナキンによる捕虜虐殺も大問題となったのだが、パルパティーンの方がもっと問題だということで、取りあえずは棚上げとなり…ドゥークーと直接言葉を交わしたのがアナキン一人だけであるため、同行を命じられることにもなる)



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