米テスラがこのほど発表した初の電気だけで走る大型トレーラーは、充電に最大4000戸分の住宅が使うのと同量の電力が必要になるという──。
これは、エネルギー関係を手がける欧州のコンサルティング会社、オーロラ・エナジー・リサーチがこのほど調査して弾き出した推計で、テスラが2019年から出荷を開始する予定の大型EV(電気自動車)プロジェクトの実現可能性に疑問を投げ掛ける格好となった 。
テスラは11月16日にEVの大型トレーラー「セミ」を発表した。そして、同社が新たに開発する充電設備「メガチャージャー」を利用すれば、わずか30分間の充電で400マイル(約640km)の走行が可能だとしていた。
30分で充電するには1600キロワットの電力が必要
英オックスフォード大学の教授らが2013年に設立したオーロラ・エナジー・リサーチの最高経営責任者(CEO)を務めるジョン・フェダーセン氏の推計によれば、メガチャージャーなるものを使ってセミに30分で充電するには1600キロワットの電力が必要になるという。
同氏は、これは3000~4000戸に上る“平均的な住宅”が30分間に使う電力量に匹敵し、テスラが現在EV乗用車向けに展開している充電設備「スーパーチャージャー」の10倍の出力が必要になるとも指摘した。
テスラはこの調査結果に対するコメントを控えた。
テスラのイーロン・マスクCEOは以前、メガチャージャーには太陽光発電を利用する計画だと明らかにしていたが、日照量が少ない場合に備えて電力系統にも接続するかどうかについてはまだ明らかにしていない。
テスラの現在の充電設備スーパーチャージャーの多くは、電力の一部を再生可能エネルギーによって生み出している。また、同社は電力系統への負担を減らすため、蓄電池を利用する可能性についても実験的な取り組みを進めている。
テスラは、メガチャージャーの設置をいつから始めるかは明らかにしていない。
いただいたコメント
コメントを書く