セクハラ告発する「#MeToo」日本での広がりは?

セクハラ告発する「#MeToo」日本での広がりは?
タイム誌は毎年、その1年間で世界に最も影響を与えた人物や団体などを「ことしの人」として選んでいて6日、2017年の「ことしの人」には、世界中で過去のセクハラ被害などを訴え出る動きが広がっていることを受けて、「サイレンス・ブレーカーズ」=「沈黙を破った人たち」を選んだと発表しました。
こうした動きは、ソーシャルメディア上で「自分も被害者だ」という意味の「#MeToo」(ミートゥー)というハッシュタグを使って世界中に広がりを見せていますが、日本国内ではどうなっているのでしょうか。
国内でもSNS上で#MeTooというハッシュタグを使いセクハラの被害を訴える書き込みが見られました。

このうち、フリーランスで仕事をしていたときにセクハラを受けたと訴える人のツイートには、仕事の打ち上げの席で、発注元の会社の人から「彼氏と何回会っているの?」とか、「そんな回数じゃ彼氏は満足していないんじゃないの?」など、プライベートなことをたくさん聞かれたということで、「どこにも所属していない後ろ盾のない相手にはひどい態度をとる人間がいる」と訴えています。

また、同級生から性的嫌がらせを受けたことを恥ずかしくて言い出せなかったという人のツイートでは、「当時、被害者の一人が勇気を出して声を上げると『実は私も』という生徒が続々と出てきた。皆一人で抱え込んで、傷ついていたんだ」と書き込まれていました。

国内での#MeTooは

国内でもSNS上で#MeTooというハッシュタグを使いセクハラの被害を訴える書き込みが見られました。

このうち、フリーランスで仕事をしていたときにセクハラを受けたと訴える人のツイートには、仕事の打ち上げの席で、発注元の会社の人から「彼氏と何回会っているの?」とか、「そんな回数じゃ彼氏は満足していないんじゃないの?」など、プライベートなことをたくさん聞かれたということで、「どこにも所属していない後ろ盾のない相手にはひどい態度をとる人間がいる」と訴えています。

また、同級生から性的嫌がらせを受けたことを恥ずかしくて言い出せなかったという人のツイートでは、「当時、被害者の一人が勇気を出して声を上げると『実は私も』という生徒が続々と出てきた。皆一人で抱え込んで、傷ついていたんだ」と書き込まれていました。

専門家「日本社会への大きな一石」

女性の社会進出や職場環境などに詳しい淑徳大学の野村浩子教授は、日本人の間では#MeTooの発信がSNSで「あまり広がっていない」としています。
そのうえで「日本は、欧米に比べて女性の社会進出が20年から30年ほど遅く、いまだ職場や社会には男性中心の古い価値観が残っている。このため女性が勇気を出して声を上げても理解されないどころか、過剰反応だなどという批判を受けてしまう」と話しています。
また野村教授は「海外の動きは日本社会への大きな一石でもあり、私たちもわがこととして問題意識を持つべきだ。女性一人一人が意識して一歩を踏み出すことが大きなうねりを作り、社会を変えていく力になると思う」と話していました。

小島慶子さんも自身の経験語る

エッセイストで東京大学大学院情報学環客員研究員の小島慶子さんもツイッターで#MeTooのハッシュタグをつけ自身の経験を語っています。

小島さんは「小学6年生の時の男性教諭が身体測定の時に女子児童の上半身を比べ、胸が小さいことを笑ったことや、中高生の頃、毎朝毎夕、痴漢に遭い、声を上げたが誰も助けてくれなかったことなどをツイートで発言したが、私も同じ経験をしたというリツイートが多く寄せられ、みな声を上げられなかったということがわかった」と話しています。

そして小島さんは、今回の#MeTooの動きについて「いちばん弱い立場の女性が性被害を受けていたということを訴え、この運動が起きたという意味は大きい。女性がどう扱われてきたかをこれまで感じてきた不満を声にしてもよいのだと気付くきっかけになった」と話しています。

また小島さんは「#MeTooは暴力や支配にノーと言ってよいというムーブメントで、男性が声を上げてもいい」と話しています。

日本でも相次ぐセクハラ被害

日本でもセクハラの被害は相次いでいます。
ことし1月、滋賀県では、男性警察官が懇親会の場で女性の署員にプロレスの技をかけ、その様子を携帯電話のカメラで撮影していたとして、セクハラ行為で上司や同僚8人が処分を受けました。

7月には、サッカーJリーグの当時の常務理事が女性職員に対し、好意を抱くメールを執ように送って映画やコンサートに連れ出したり、職場などで職員の女性が不快になるような言動を繰り返したということで、セクハラなどを理由に辞任しました。

また、岩手県の新聞社「岩手日報社」は6日、記者会見を開いて女性記者が岩手県岩泉町の伊達勝身町長から抱きつかれるなどの行為を受けていたと発表しました。これに対して伊達町長は、わいせつな目的はなかったとしています。

独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が去年発表した調査によりますと、25歳から44歳の働く女性のうち、28.7%が何らかのセクハラを受けたことがあると答えています。

具体的なセクハラ行為を複数回答で聞いたところ「身体の特徴などを話題にされた」が53.9%、「不必要に触られた」が40.1%、「性的な質問をされた」が38.2%などとなっています。
セクハラ告発する「#MeToo」日本での広がりは?

セクハラ告発する「#MeToo」日本での広がりは?

タイム誌は毎年、その1年間で世界に最も影響を与えた人物や団体などを「ことしの人」として選んでいて6日、2017年の「ことしの人」には、世界中で過去のセクハラ被害などを訴え出る動きが広がっていることを受けて、「サイレンス・ブレーカーズ」=「沈黙を破った人たち」を選んだと発表しました。
こうした動きは、ソーシャルメディア上で「自分も被害者だ」という意味の「#MeToo」(ミートゥー)というハッシュタグを使って世界中に広がりを見せていますが、日本国内ではどうなっているのでしょうか。

国内での#MeTooは

国内でもSNS上で#MeTooというハッシュタグを使いセクハラの被害を訴える書き込みが見られました。

このうち、フリーランスで仕事をしていたときにセクハラを受けたと訴える人のツイートには、仕事の打ち上げの席で、発注元の会社の人から「彼氏と何回会っているの?」とか、「そんな回数じゃ彼氏は満足していないんじゃないの?」など、プライベートなことをたくさん聞かれたということで、「どこにも所属していない後ろ盾のない相手にはひどい態度をとる人間がいる」と訴えています。

また、同級生から性的嫌がらせを受けたことを恥ずかしくて言い出せなかったという人のツイートでは、「当時、被害者の一人が勇気を出して声を上げると『実は私も』という生徒が続々と出てきた。皆一人で抱え込んで、傷ついていたんだ」と書き込まれていました。

専門家「日本社会への大きな一石」

女性の社会進出や職場環境などに詳しい淑徳大学の野村浩子教授は、日本人の間では#MeTooの発信がSNSで「あまり広がっていない」としています。
そのうえで「日本は、欧米に比べて女性の社会進出が20年から30年ほど遅く、いまだ職場や社会には男性中心の古い価値観が残っている。このため女性が勇気を出して声を上げても理解されないどころか、過剰反応だなどという批判を受けてしまう」と話しています。
また野村教授は「海外の動きは日本社会への大きな一石でもあり、私たちもわがこととして問題意識を持つべきだ。女性一人一人が意識して一歩を踏み出すことが大きなうねりを作り、社会を変えていく力になると思う」と話していました。

小島慶子さんも自身の経験語る

エッセイストで東京大学大学院情報学環客員研究員の小島慶子さんもツイッターで#MeTooのハッシュタグをつけ自身の経験を語っています。

小島さんは「小学6年生の時の男性教諭が身体測定の時に女子児童の上半身を比べ、胸が小さいことを笑ったことや、中高生の頃、毎朝毎夕、痴漢に遭い、声を上げたが誰も助けてくれなかったことなどをツイートで発言したが、私も同じ経験をしたというリツイートが多く寄せられ、みな声を上げられなかったということがわかった」と話しています。

そして小島さんは、今回の#MeTooの動きについて「いちばん弱い立場の女性が性被害を受けていたということを訴え、この運動が起きたという意味は大きい。女性がどう扱われてきたかをこれまで感じてきた不満を声にしてもよいのだと気付くきっかけになった」と話しています。

また小島さんは「#MeTooは暴力や支配にノーと言ってよいというムーブメントで、男性が声を上げてもいい」と話しています。

日本でも相次ぐセクハラ被害

日本でもセクハラの被害は相次いでいます。
ことし1月、滋賀県では、男性警察官が懇親会の場で女性の署員にプロレスの技をかけ、その様子を携帯電話のカメラで撮影していたとして、セクハラ行為で上司や同僚8人が処分を受けました。

7月には、サッカーJリーグの当時の常務理事が女性職員に対し、好意を抱くメールを執ように送って映画やコンサートに連れ出したり、職場などで職員の女性が不快になるような言動を繰り返したということで、セクハラなどを理由に辞任しました。

また、岩手県の新聞社「岩手日報社」は6日、記者会見を開いて女性記者が岩手県岩泉町の伊達勝身町長から抱きつかれるなどの行為を受けていたと発表しました。これに対して伊達町長は、わいせつな目的はなかったとしています。

独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が去年発表した調査によりますと、25歳から44歳の働く女性のうち、28.7%が何らかのセクハラを受けたことがあると答えています。

具体的なセクハラ行為を複数回答で聞いたところ「身体の特徴などを話題にされた」が53.9%、「不必要に触られた」が40.1%、「性的な質問をされた」が38.2%などとなっています。