人気急上昇中のCHAIのライブを観てきました!
CHAIにとって初めての札幌ライブとなるこのイベントは、キャパシティ200人弱のCOLONYというライブハウスで行われ、チケットはソールドアウト。
それぞれのバンドのファンが駆けつける計3組出演の対バンライブでしたが、初めての札幌と思えない盛り上がりでした。
対バンのバンドもかっこいい
CHAIの1st Album『PINK』の発売を記念した『やっぱり育ちたいトゥアー』と名付けられたこのイベント。
全国を廻るこのツアーの札幌公演はCHAIを含め計3組が出演していました。
The Floor
札幌で今最も勢いのあるバンド The Floorが一番手に登場。
Vampire Weekendを彷彿とさせるアレンジや、The 1975やOne Directionすら感じさせる音楽性など、海外のポップなバンドの要素を取り入れつつも、日本のロックバンド然とした耳馴染みのいい歌のメロディを携えた4ピースバンドです。
彩り豊かなギターフレーズとポップな曲調はイベントの一番手にピッタリ。
曲の最中にベースの音が出なくなるというトラブルがありましたが、間奏をセッション的に展開させることで間を持たせ、ベースが回復したのちに間奏のスタートに自然と戻るという見事なチームプレイを見せていました*1。
ドラムのフレーズが一定の小節ごとに徐々に盛り上がり、ベースが回復すると最初のシンプルなフレーズに戻るという機転の利かせ方。
ライブは素直にかっこよかったですが、この間を埋める時間のトラブルを見せ所に変えようとしている感じが僕的には一番グッときました。
2018年2月7日に発売するアルバム『ターミナル』でメジャーデビューすることが決まっている彼ら。
今年も全国各地でたくさんライブをして廻っていたようですが、2018年はさらに名前を聞く機会も増えると思います。
まだ知らない人は要チェックです!
2(ツー)
2番手に登場したのは元The SALOVERSの古舘佑太郎率いる4人組バンド「2(ツー)」。
今年の6月に初ライブをしたばかりのバンドで、東京を拠点に活動しています。
ボーカル・ギターの古舘佑太郎は古舘伊知郎の実の息子で、NHK朝ドラ『ひよっこ』に出演するなど、俳優としても活動しています。
音楽性は、The SALOVERSよりも泥臭さが薄くなってはいますが、それでも楽曲は若さや無骨さを感じるものでした。
古舘佑太郎の上手すぎない歌と声のパワー、声と楽曲の親和性の高さがバンドの最大の魅力だと感じました。
「こういう風に歌を歌える人は、きっと人間としても面白い人なんだろうなあ」とすら思わされました。
会場中をハッピーな空気に包み込んだCHAIのライブ
3番手に満を持して登場したのはCHAI。
CHAIのことを知らない人は、今年5月に衝撃を受けて書いたこちらの記事をご覧ください。
エンターテインメントを提供するバンド
4人お揃いのピンクの衣装、真っ赤な口紅が印象的なメイク。
「ぎゃらんぶー」の際の観客へのブーイング強要や「ボーイズ・セコ・メン」の際の英語と通訳のコント的曲紹介など、曲を演奏する前の導入の部分での遊び。
わざとらしいグッズ紹介や、マドンナの「Material Girl」を替え歌したアルバム紹介。
CHAIのライブはステージ上で巻き起こる全てがエンターテインメント的で、ライブを観に来たお客さんを楽しませようという気概に満ちています。
「コンプレックスはアートなり!」を標榜して全てのコンプレックスを肯定する彼女らのライブでは、男も女も関係なくそれぞれに楽しんでいてハッピーな空間となっていました。
CHAIのパフォーマンスはやりきり芸
新譜の1曲目に収録されている「ハイハイあかちゃん」からライブはスタートし3曲ほど演奏をしたのち、ファーストアルバム『PINK』が発売中であることをマドンナの「Material Girl」の替え歌でお知らせするというパフォーマンスを披露。
演奏はユナのドラムとユウキのベースのみにお任せして、双子のマナとカナが『PINK』のジャケット型パネルを持ってステージの一番前まで来てツインボーカルで替え歌をします。
その後曲はマイケル・ジャクソンの「Heal The World」に変わり、ユナとユウキも楽器を置いてステージ最前へ。
アカペラで歌うマナとカナを挟むように4人が横一列になり、ユナとユウキは踊ります。
この一連のくだりは、ふざけているようでとても真面目。
観てる観客は楽しくなりますし笑顔も溢れますが、当の本人はヘラヘラすることなく真面目にふざける。
この姿勢を見て、なかやまきんに君やオードリー春日のような「やりきり芸」を思い出しました。
ステージに立つ人間は「馬鹿馬鹿しいこと」「普通やらないこと」を全力でやりきる。
それがウケるかウケないかは結果論であり、本人たちにとってはしっかりと「やりきること」が大事という姿勢。
結果的にこのパフォーマンスは大好評。
真面目に音楽だけをしっかり届けるステージもかっこいいものですが、CHAIのステージは遊び心があるところが魅力だと思いました。
一連のパフォーマンスを終えてボーカルのマナが独り言のように「ヨシッ」と言ったのは、まさに「やりきり芸」の象徴でした。
ユナちゃんが癒し
CHAIのメンバーはそれぞれ個性が立っていて、全員の良さを語ることは簡単ですが、このライブで際立っていたのがドラム担当のユナの癒し力。
「ぎゃらんぶー」の演奏前には観客にブーイングを強要するという煽りのパフォーマンスが恒例となっていますが、この日のライブはブーイングのスタートがドラムのユナからでした。
バスドラムを一定のリズムで踏みながら、サングラスをかけたユナが一人で「ブー」「ブー」とブーイングするところから始まり後からメンバーが加わりますが、最初のユナの「ブー」に悪意がなさすぎてブーイングになっていないです。
これではただかわいいだけです。
また、ライブの終盤で一人任されたユナのわざとらしすぎるグッズ紹介も癒しでしかなく、その「そつなくできない感」にところどころ笑いが起きつつ、会場全体が癒されていました。
CHAIを呼んでイベントをやります
そんなNEOカワイイ最強バンドCHAIを呼んで札幌でライブイベントを企画します!
お世話になっているライブハウスSOUND CRUEと僕の共催でイベントを企画します。
CHAIと対峙するのは北海道インディーの素晴らしいバンドたち。
主催の僕もバンド編成で出演します。
ブログがきっかけ
先日の東京でのワンマンライブではきゃりーぱみゅぱみゅや亀田誠治、POLYSICS
などの著名アーティストやミュージシャンたちがCHAIのライブを観て絶賛のコメントをTwitterに投稿。
その他にもASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文やくるりの岸田繁、ダイノジ大谷やヒャダインまでもが彼女らを賞賛しています。
そんなCHAIをイベントに呼ぼうと思ってもこの僕が簡単に呼べるわけもないんですが、今回のCHAI招聘が実現したきっかけは今年5月にTwitterやブログにCHAIのことを書いたことでした。
以前から僕のことをよくしてくれていたミュージシャンでもありライブハウスのブッカーでもあるSiMoNさんという方がTwitterやブログを見てくれて、僕に今回のお話の声をかけてくれました。
言葉には言霊があって発した言葉が現実になっていく、なんてことも聞きますが、ブログやTwitterで自分の趣味や好みを表明することで実現することもあるんだなと今回の件で強く感じています。
CHAIと北海道インディーのバチバチの対決
複数のアーティストが共演する対バンイベントは必ずしも「対決」ということでもないのですが(観客が楽しむのが一番なので)、この日のライブを観た後に挨拶をさせてもらったCHAIのマナちゃんは「負けない!」と言っていました。
CHAIの2度目となる札幌でのライブ。
北海道インディーの強者たちも負ける気なしで迎え撃ちます。
2018年1月28日札幌SOUND CRUE!がんばります!
◆ライブチケットのご予約はこちらのメールフォームからどうぞ◆
(早い者勝ちなので売り切れ御免です!)
*1:ちなみにベースのヨウジくんはオードリー友達で、会うたびにオードリーの話をします