ロシア政治経済ジャーナル

【RPE】★神プーチン、大統領選に立候補を表明。現地の反応は??


カテゴリー: 2017年12月07日
【RPE】★神プーチン、大統領選に立候補を表明。現地の反応は??

RPE Journal==============================================



     ロシア政治経済ジャーナル No.1658  


                                2017/12/08 

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★神プーチン、大統領選に立候補を表明。現地の反応は??


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さて、最悪インフルエンザも、だいぶよくなってきました。

徐々に通常モードに戻していきたいと思います。


6日、「プーチンが大統領選への立候補を表明した!」というニ
ュースがありました。

今回は、その話。



▼ロシアの神プーチン



プーチンは、2000年に大統領になりました。

当時、ロシアは「新興財閥軍団」に牛耳られていた。

プーチンも、新興財閥のドン・ベレゾフスキーに選ばれて大統領
になったのです。

しかし彼は、就任早々、軍団を裏切ります。

そして、新興財閥の3人の大物、すなわち


・ベレゾフスキー
・グシンスキー(ロシアのメディア王)
・ホドルコフスキー(ロシアの石油王)


を短期間で退治します。

ベレゾフスキーは、ロンドンに逃亡。

グシンスキーは、イスラエルに逃亡。

ホドルコフスキーは、捕まってシベリア送り。


経済面でも追い風が吹いていました。

1998年、バレル10ドルだった原油価格は、プーチンが大統領に
なるのを待っていたかのように上昇。

なんと10年後には140ドルまで上がります。


これで、プーチンの1、2期目(2000~08年)、ロシアは年平均
7%の成長をはたした。

ロシア国民は、プーチンのことを「神」とあがめるようになっ
たのです。


08年、「大統領は、2期連続までしかできない」という規定に
したがい、プーチンは引退。

なんの基盤もないメドベージェフが大統領になりました。

プーチンは、立場的にはナンバー2の首相になります。

メドが大統領だったとき、「ロシアーグルジア戦争」があり
ました。(08年8月)

しかし、その後、米ロ関係は「再起動時代」に入り、とても
良好になった。


2012年、プーチンが再び大統領になりました。

任期は、6年に延ばされています。

プーチンは、早速戦いを再開しました。

まず、シリア問題でアメリカと対立した。

ついで、2014年3月、クリミアを併合。

以後、経済制裁、原油価格暴落、ルーブル暴落で、ロシア経済は、
厳しい状況がつづいています。


しかし、プーチンの支持率は下がらないのですね。

クリミア併合後、一貫して8割台を維持しています。

なぜ?

経済的に苦しいのは、そのとおりです。

しかし、ロシア国民は「プーチンのせいで景気が悪い」という
発想にならない。

「制裁を主導している悪いアメリカのせいで、俺たちは苦しい
のだ!」

と、国民は信じているのです。



▼変な大統領選



さて、2018年3月、ロシアでは大統領選挙がある。

しかし、「大統領選挙戦」というのは行われていません。

誰も、「私に投票してね!」という運動をしていません。

テレビCMも、新聞広告も、ありません。


いままで「大統領選に出馬する意向」を表明した人はいます。


・クセニヤ・サプチャク

元サンクトペテルブルグ市長(=プーチンの元上司)の娘。


・グレゴリー・ヤブリンスキー

リベラル政党「ヤブロコ」代表。


・アレクセイ・ナヴァリヌィ

カリスマ・ブロガー。

現在ロシアでもっとも人気のある、反政権指導者。


・セルゲイ・ポロンスキー

ロシアの元不動産王。


大統領選挙まで、後4カ月。

アメリカみたいに2年も選挙戦というのは長すぎますが。

ロシアみたいに、「何もない」のも異様です。



▼12月6日という日



この日、全ロシア国民は、悲しんでいる人、憤怒している人に
わかれていました。

なぜ?

理由は、こちら。
↓



<IOC、ロシア選手団の平昌五輪参加認めず 潔白選手には参加の
道

BBC NEWS 12/6(水) 13:00配信  

国際オリンピック委員会(IOC)は5日、組織的なドーピングが指摘
されるロシアの選手団に来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪
への参加を認めないと発表した.。

一方で、潔白を証明できる選手については、ロシアの国歌や旗を使
わない個人としての参加を認める。>



どうですか、これ?

ロシア人選手は、「ロシアのユニフォームを使わず、ロシアの旗を
かかげず」参加はできると。

ロシア人選手が勝っても、ロシアの国歌は流れません。


なんとなくイメージできますね。

やはり日本人選手が勝ったら、日の丸が高く掲げられ、君が代が
流れてほしいでしょう。

IOCの決定が原因で、ロシア国民は、嘆いたり、怒ったりしてい
たのです。


そして、「行きたい選手を行かせるべきか?それとも国家として、

完全にオリンピックをボイコットするべきか?」

という激しい議論が起こっていました。


これ、6日の前半のことです。



▼プーチンの立候補表明



ところが、ロシア国民の悲しみと怒りは、このニュースで吹き
飛んでしまったのです。
↓


<プーチン氏、大統領選出馬へ…有力対立候補なく

読売新聞 12/7(木) 0:43配信  

 【モスクワ=畑武尊】ロシアのプーチン大統領(65)は6日、
西部ニジニーノブゴロドの自動車工場であいさつし、

「ロシアの大統領の職に立候補する」

と述べて来年3月18日に予定される大統領選に出馬する意向を
明らかにした。>



これが、夕方のニューストップ。

そして、IOCの決定に関するニュースは、4番目か5番目の扱いに
なった。

こちらの番組、2分38秒あたりから見てください。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=Um1175FZ08E

ロシア語はわからなくても、なんとなく「プーチン人気」は感じ
ることができるでしょう。

ま、ロシアの大統領選なんて、アメリカと違って形式的なもので
すが。

来年3月にはプーチンが勝ち、6年つづく4期目がスタートします。

彼は、柔道、寿司好きの親日。

北方領土を頻繁に訪れて日本人を激怒させた軽薄男メドベージェ
フよりずっとマシでしょう。
↓


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