【RPE】★神プーチン、大統領選に立候補を表明。現地の反応は?? RPE Journal============================================== ロシア政治経済ジャーナル No.1658 2017/12/08 =========================================================== ★神プーチン、大統領選に立候補を表明。現地の反応は?? 全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。 新刊、好調です。(発売4日で重版決定) これを読むと、中国の対日戦略と、戦闘なしで中国に勝つ方法 が完璧にわかります。 まだの方は、是非ご一読ください。 ↓ ●中国に勝つ日本の大戦略 (詳細は→ http://amzn.to/2iP6bXa ) さて、最悪インフルエンザも、だいぶよくなってきました。 徐々に通常モードに戻していきたいと思います。 6日、「プーチンが大統領選への立候補を表明した!」というニ ュースがありました。 今回は、その話。 ▼ロシアの神プーチン プーチンは、2000年に大統領になりました。 当時、ロシアは「新興財閥軍団」に牛耳られていた。 プーチンも、新興財閥のドン・ベレゾフスキーに選ばれて大統領 になったのです。 しかし彼は、就任早々、軍団を裏切ります。 そして、新興財閥の3人の大物、すなわち ・ベレゾフスキー ・グシンスキー(ロシアのメディア王) ・ホドルコフスキー(ロシアの石油王) を短期間で退治します。 ベレゾフスキーは、ロンドンに逃亡。 グシンスキーは、イスラエルに逃亡。 ホドルコフスキーは、捕まってシベリア送り。 経済面でも追い風が吹いていました。 1998年、バレル10ドルだった原油価格は、プーチンが大統領に なるのを待っていたかのように上昇。 なんと10年後には140ドルまで上がります。 これで、プーチンの1、2期目(2000~08年)、ロシアは年平均 7%の成長をはたした。 ロシア国民は、プーチンのことを「神」とあがめるようになっ たのです。 08年、「大統領は、2期連続までしかできない」という規定に したがい、プーチンは引退。 なんの基盤もないメドベージェフが大統領になりました。 プーチンは、立場的にはナンバー2の首相になります。 メドが大統領だったとき、「ロシアーグルジア戦争」があり ました。(08年8月) しかし、その後、米ロ関係は「再起動時代」に入り、とても 良好になった。 2012年、プーチンが再び大統領になりました。 任期は、6年に延ばされています。 プーチンは、早速戦いを再開しました。 まず、シリア問題でアメリカと対立した。 ついで、2014年3月、クリミアを併合。 以後、経済制裁、原油価格暴落、ルーブル暴落で、ロシア経済は、 厳しい状況がつづいています。 しかし、プーチンの支持率は下がらないのですね。 クリミア併合後、一貫して8割台を維持しています。 なぜ? 経済的に苦しいのは、そのとおりです。 しかし、ロシア国民は「プーチンのせいで景気が悪い」という 発想にならない。 「制裁を主導している悪いアメリカのせいで、俺たちは苦しい のだ!」 と、国民は信じているのです。 ▼変な大統領選 さて、2018年3月、ロシアでは大統領選挙がある。 しかし、「大統領選挙戦」というのは行われていません。 誰も、「私に投票してね!」という運動をしていません。 テレビCMも、新聞広告も、ありません。 いままで「大統領選に出馬する意向」を表明した人はいます。 ・クセニヤ・サプチャク 元サンクトペテルブルグ市長(=プーチンの元上司)の娘。 ・グレゴリー・ヤブリンスキー リベラル政党「ヤブロコ」代表。 ・アレクセイ・ナヴァリヌィ カリスマ・ブロガー。 現在ロシアでもっとも人気のある、反政権指導者。 ・セルゲイ・ポロンスキー ロシアの元不動産王。 大統領選挙まで、後4カ月。 アメリカみたいに2年も選挙戦というのは長すぎますが。 ロシアみたいに、「何もない」のも異様です。 ▼12月6日という日 この日、全ロシア国民は、悲しんでいる人、憤怒している人に わかれていました。 なぜ? 理由は、こちら。 ↓ <IOC、ロシア選手団の平昌五輪参加認めず 潔白選手には参加の 道 BBC NEWS 12/6(水) 13:00配信 国際オリンピック委員会(IOC)は5日、組織的なドーピングが指摘 されるロシアの選手団に来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪 への参加を認めないと発表した.。 一方で、潔白を証明できる選手については、ロシアの国歌や旗を使 わない個人としての参加を認める。> どうですか、これ? ロシア人選手は、「ロシアのユニフォームを使わず、ロシアの旗を かかげず」参加はできると。 ロシア人選手が勝っても、ロシアの国歌は流れません。 なんとなくイメージできますね。 やはり日本人選手が勝ったら、日の丸が高く掲げられ、君が代が 流れてほしいでしょう。 IOCの決定が原因で、ロシア国民は、嘆いたり、怒ったりしてい たのです。 そして、「行きたい選手を行かせるべきか?それとも国家として、 完全にオリンピックをボイコットするべきか?」 という激しい議論が起こっていました。 これ、6日の前半のことです。 ▼プーチンの立候補表明 ところが、ロシア国民の悲しみと怒りは、このニュースで吹き 飛んでしまったのです。 ↓ <プーチン氏、大統領選出馬へ…有力対立候補なく 読売新聞 12/7(木) 0:43配信 【モスクワ=畑武尊】ロシアのプーチン大統領(65)は6日、 西部ニジニーノブゴロドの自動車工場であいさつし、 「ロシアの大統領の職に立候補する」 と述べて来年3月18日に予定される大統領選に出馬する意向を 明らかにした。> これが、夕方のニューストップ。 そして、IOCの決定に関するニュースは、4番目か5番目の扱いに なった。 こちらの番組、2分38秒あたりから見てください。 ↓ https://www.youtube.com/watch?v=Um1175FZ08E ロシア語はわからなくても、なんとなく「プーチン人気」は感じ ることができるでしょう。 ま、ロシアの大統領選なんて、アメリカと違って形式的なもので すが。 来年3月にはプーチンが勝ち、6年つづく4期目がスタートします。 彼は、柔道、寿司好きの親日。 北方領土を頻繁に訪れて日本人を激怒させた軽薄男メドベージェ フよりずっとマシでしょう。 ↓ ●PS 北野の最新刊、出ました! ・これを読めば、中国、驚愕の対日戦略の全貌がわかります。 ・これを読めば、中国に、「戦争(=戦闘)」なしで勝つ方法が 完璧にわかります。 ・発売4日で重版決定 ・アマゾン外交・国際関係部門1位。 ・国際政治情勢部門1位。 ・政治入門部門1位。 とトリプル1位を達成。 ●中国に勝つ日本の大戦略 (詳細は→ http://amzn.to/2iP6bXa ) =========================================================== ○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」 発行者 北野 幸伯 Copyright (C) RPE Journal All Rights Reserved. 358 アドレス変更・解除は http://www.mag2.com/m/0000012950.html ===========================================================