初代女流名人・蛸島彰子女流六段が引退…「ひふみん」に続き女流レジェンドも
将棋の蛸島彰子(たこじま・あきこ)女流六段(71)が今期限りで現役を引退することが7日、分かった。
1967年に史上初の女流棋士となったレジェンドが今年6月に同じく現役引退した男性棋士界のレジェンド「ひふみん」こと加藤一二三九段(77)に続いて盤上を去ることになった。
報知新聞社が主催し、74年にスタートした初の女流棋戦「女流名人位戦(現・女流名人戦)」で第1期から3連覇するなど活躍した。獲得タイトルは女流名人4期、女流王将3期の通算7期を誇る。
関係者によると、年齢による衰えと、通算勝率5割(657戦331勝326敗、7日現在)を守ったままで退くことを考慮して引退を決めた。今月から始まる第45期岡田美術館杯女流名人戦予選と女流王将戦予選に参加し、共に敗れた時点で引退となる。8日にも所属する日本女子プロ将棋協会(LPSA)から正式発表される見込みだ。
東京都杉並区出身。まだ女性が将棋を指すことが一般的ではなかった幼少期から盤上の世界に魅了され、1961年、15歳の時に日本将棋連盟の棋士養成機関「奨励会」入会。「指し分け(5割)以上」という特例を受けながらも、初段まで昇段した。女性として初めて注目を集める存在となり、66年に退会した。
翌67年に女流二段として女流棋士制度の発足に尽力し、74年の女流名人位戦スタートとともに活躍を始めた。兼ねそろえた美貌も手伝い、一躍人気者に。「NHK杯テレビ将棋トーナメント」の記録係も長年にわたって務め、ファンにとって憧れの存在だった。
日本将棋連盟で女流棋士会長を務めた後、2007年に連盟から分離独立して発足したLPSAに移籍し、対局のみならず普及にも尽力してきた。
今後はLPSAの特別相談役として引き続き普及活動を行う他、公式戦以外の一部の大会には出場の意欲も示している。