2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は7日午前、大会マスコット候補の3案を発表した。全国約2万校・28万クラスの小学生が1クラス単位で今月11日~来年2月22日の期間で投票し、1票でも多い得票作品が採用される。組織委以外の一般市民が投票し、マスコットを決めるのは五輪史上初めて。結果発表は同28日。

 今年8月、一般公募で集まった2042件から絞られたア、イ、ウの3案。五輪とパラリンピックのマスコットはそれぞれ対になっている。以下は、原作者が応募した際のマスコットプロフィルの要約。

 ◆ア案

 「五輪版」…大会エンブレムでも使われている青い市松模様をあしらった、伝統と近未来性を併せ持つキャラクター。伝統を大切にし、常に最新情報をキャッチ。瞬間移動ができる。

 「パラリンピック版」…ピンク色の市松模様で、桜の触角があり、超能力を持つ。自然を愛し、石や風と話せて、見るだけで物が動かせる。

 「共通点」…性格は正反対も、お互いを認め合う大の仲良し。

 ◆イ案

 「五輪版」…福を呼ぶ招き猫や神社のキツネがモデル。日本を暖める炎と大地から生まれた。お祭りの活気を伝え、炎の尻尾で人々に元気を与える。縁側で昼寝をするのも好き。

 「パラリンピック版」…神社の守り神、こま犬がモデル。雲がモチーフのたてがみなど、日本に四季を呼ぶ風と空をイメージした。枯れ木に花を咲かせることもできる。

 「共通点」…日本の大地や大空を舞台に競い合っている。

 ◆ウ案

 「五輪版」…日本昔話の世界から飛び出してきたキツネをイメージし、日本古来の勾玉(まがたま)を眉やほおにあしらった。人懐っこいリーダータイプで、風の精霊と一緒に応援する。

 「パラリンピック版」…日本古来の化けるタヌキがモデルで、頭の上の葉っぱで、自由に変身できる。おっとりしながらも、ムードメーカーで、森の精霊と一緒にみんなを盛り上げる。

 「共通点」…おめでたい紅白カラーに金の水引を背負っている。

 

 決定マスコットの名前は来年7~8月に発表予定。一般公募ではなく、専門家に業務委託し、複数案をマスコット審査会に提示。決定案の作者も入り、数案に絞り込む。その後、国内外の商標調査にかけ、決定する。

 五輪でマスコットが初登場したのは1968年グルノーブル冬季大会(フランス)。パラリンピックでは80年アーネム夏季大会(オランダ)。