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2017年7月クール テレビ番組視聴質ランキング

 要点

  • 1位はNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』、2位はフジテレビ『コード・ブルー』、 3位はテレビ朝日木曜ドラマ『黒革の手帖』と、トップ5はドラマが独占
  • ゴールデンタイムの番組が多い中、唯一、昼帯のテレビ朝日『やすらぎの郷』がランクイン
  • 男女トップ10のうち男性は5本がバラエティー、女性は8本がドラマ。ドラマはじっくり、バラエティーは大勢で長時間、ながら視聴される傾向

 

 

昼帯の『やすらぎの郷』がランクイン、1位は再び『おんな城主 直虎』

ドラマはじっくり、バラエティーはながら視聴の傾向に

7月期は夏休みがあるため、視聴者が外出しがちとなり視聴率が伸び悩む傾向にあるともいわれます。この時期どのようなテレビ番組が注視されたのか、TVision Insights (以下TVision)が計測した視聴質データを基に「2017年7月クール テレビ番組視聴質ランキング」を作成しました。

 

 

2017年7月クール テレビ視聴質ランキング

 

※VI値・AI値についてはページ最下部の「データについて」をご参照下さい。

 

 

今回のランキングは、VI値とAI値をかけあわせた「VI値×AI値」の高い順に順位づけしました。これは専念視聴度合いであり、数値が高いほどその番組がよく見られていることを示します。

以下、上位の番組にはどのような特徴があるのかを見ていきます。

 

1位は『おんな城主 直虎』、2位は『コード・ブルー』、3位は『黒革の手帖』。ドラマがランキングを席巻

4月クールのランキング にひきつづきドラマが強く、トップ5をドラマが独占。7月クールも1位はNHK総合の大河ドラマ『おんな城主 直虎』(「VI値×AI値」=2.31、以下かっこ内の数値は「VI値×AI値」)となり、2位以下に大きな差をつけました。2位はフジテレビの『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(1.82)。人気医療ドラマの3rdシーズンで、山下智久さん、新垣結衣さんなど人気・実力ともにトップクラスの若手俳優が多数出演し、話題となりました。3位は武井咲さん主演のテレビ朝日・木曜ドラマ『黒革の手帖』(1.78)。2004年に米倉涼子さん主演で人気を博した松本清張作品を、再ドラマ化したものです。
バラエティーはランクインした9番組中4番組がテレビ東京の番組と、前クールにひきつづきテレビ東京の強さが目立ちます。

 

 

昼帯の『やすらぎの郷』はF3層から熱い支持

7月クールは全体の8割にあたる15番組がゴールデンタイム(19~22時)の番組でした。その中で、昼帯の番組として唯一ランクインしたのが、13位のテレビ朝日・帯ドラマ劇場『やすらぎの郷』です。放映開始は4月ですが、ランクインは今回が初。脚本家・倉本聰氏による平日昼の帯ドラマで、主演の石坂浩二さんをはじめベテラン俳優陣がキャストに名を連ねました。

『やすらぎの郷』の特徴は、F3層(50歳以上女性)からの圧倒的な支持です。以下のF3層ランキングでわかる通り、F3層の専念視聴度合い(VI値×AI値)=5.02と驚異的な数値を叩き出しました。これが個人全体ランキングを押し上げています。

同様に個人全体ランキング3位の『黒革の手帳』、4位のNHK・土曜時代ドラマ『悦ちゃん~昭和駄目パパ恋物語~』、5位のテレビ東京・金曜8時のドラマ『警視庁ゼロ係 SECOND SEASON』も、F3層の人気に支えられています。ちなみに『悦ちゃん~昭和駄目パパ恋物語~』は、4月クールで2位だった『みをつくし料理帖』と同じ放送枠です。

 

 

 

ドラマはじっくり、バラエティーはながら視聴の傾向が明らかに

男性ランキングはトップ10のうちバラエティーが5本ランクイン。一方、女性ランキングはトップ10のうち9番組がドラマ。男性はバラエティーを中心に幅広いジャンルの番組を、女性は圧倒的にドラマを好む傾向がうかがえます。

全体的に、ドラマはバラエティーにくらべてAI値が高く、じっくり見られているようです。それにくらべてバラエティーは、VI値は高くてもAI値は低い傾向に。バラエティーは大勢で長時間にわたって、ながら視聴されていることがわかってきました。

総じて男性はバラエティーを中心にながら視聴をし、女性はドラマをじっくり見ていることが浮き彫りになってきました。

 

 

 

データについて

  •  視聴質を示す数値

VI値(滞在度­=Viewability Index)

テレビの前に人が滞在している度合いを示す。数値が高いほど、テレビの前の滞在人数が多く、滞在時間が長い。

AI値(注視度=Attention Index)

テレビ画面に人の顔が向いているかを示す。数値が高いほど、画面を注視した人数が多く、注視秒数が長い。

  •  データの収集方法

関東800世帯の一般視聴者宅に人体認識アルゴリズムを組み込んだKinectセンサーを設置し、顔認証システムを用いてテレビの前に人がいるか、視聴者の表情、番組のどこで画面に注目したかといった視聴態勢を判断・計測しています。2015年6月より計測スタートし、2017年8月現在、地上波6局7チャンネルの全番組について、毎秒レベルで視聴質の計測を行っています。

  •  注釈

・対象番組は2017年7月3日(月) ~10月1日(日)に放送された番組のうち、6回以上放送があったものです。

・延べ接触人数が20人未満の番組は除外しています。

・小数点3位以下は四捨五入しています。

 

TVisionでは毎月、視聴質に関するニュースを様々な角度から発信していきますので、12月もご期待下さい。

 

⇐2017年4月クールテレビ番組視聴質ランキングはこちら

 

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