(英フィナンシャル・タイムズ紙 2017年12月5日付)

医薬品不足のベネズエラ、患者への直接支給を開始

ベネズエラの首都カラカス市内で、医薬品不足で政府に抗議するデモの参加者ら(2017年11月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/FEDERICO PARRA〔AFPBB News

 ブラジル農業の専門知識から軍事政権に関する一般的な事例まで、中南米諸国はよく、アフリカに有益な教訓を提供してきた。

 だが最近、教えは逆方向に流れている。少なくとも、ベネズエラについて言えばそうだ。

 実際、ジンバブエの首都ハラレでロバート・ムガベ氏が大統領退陣に追い込まれた一件は、ベネズエラの首都カラカスでニコラス・マドゥロ大統領の独裁政治がいずれ、どんな終わりを迎えるかを示唆しているのかもしれない。

 双方の類似点は数多く、マクロ経済的なものから婚姻関係まで幅広い。マドゥロ氏自身、先月のジンバブエのクーデターを批判し、「この兄弟国」と呼んだ時、類似点をそれとなく認めていた。

 ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)は、ベネズエラ統一社会党(PSUV)に自党の必然的な結果を見い出す。

 どちらの体制も正式には民主主義だが、軍に支えられており、権威主義的だ。どちらも予想以上に長く経済的な孤立を生き延び、大規模な市民デモを乗り切り、野党を出し抜いてきた。

 また、どちらの体制も自分たちを帝国主義に対する防波堤として描き、エリートが国を食い物にする傍らで、中国とロシアに取り入ってきた。

 2人のファーストレディーさえ、共通点が多い。「グッチ・グレース」と呼ばれた復讐に燃えるムガベ夫人と、マキャベリ的なシリア・フローレス氏――野心的で縁故主義の政治家である同氏はむしろ、「ファーストコンバタント(戦闘員)」として知られたがる――はよく似ている。