SNSカウンセリング協議会が発足 自殺・いじめ防止へ

全国SNSカウンセリング協議会の立ち上げセミナー
全国SNSカウンセリング協議会の立ち上げセミナー

多様な企業や大学などが参画する「全国SNSカウンセリング協議会」が12月6日、発足し、立ち上げの報告を兼ねたセミナーが衆議院第一議員会館で開かれた。同協議会では今後、SNSを利用した子供の自殺やいじめ防止の相談、情報発信などの研究を行う。

同協議会は、トランスコスモス㈱とLINE㈱が設立。児童生徒の自殺やいじめを防止するため、ICT企業や研究機関、教員、カウンセラーなどの多様な関係者が協働する。両社がこれまで実践してきたLINEによる児童生徒の相談や情報発信などの知見を活用し、SNSを生かした▽相談員のスキル向上研修の実施▽相談ノウハウの研究▽高品質な相談体制などの普及――を目標にする。

同協議会の設立発起人には、アディッシュ㈱の江戸浩樹代表取締役、(一財)情報法制研究所の鈴木正朝理事長、関東学院大の折田明子准教授、ストップいじめナビの須永祐慈副代表などが名を連ねている。

LINEの江口清貴同協議会協同代表は「現在の子供のコミュニケーション手段を考慮したエビデンスに基づく対策を進めたい」と、同協議会の実践研究の方向性を話した。また、SNSのテキストによる相談手法の研究も深めたいなどとした。

来賓の馳浩元文科相は「カウンセラーがSNSで子供たちから相談を受けた際、内容に応じて情報を教員や保護者などにつなぐ仕組みなどの研究が進むのを期待する」とあいさつ。

文科省初中局の高橋道和局長は「SNSの相談体制に関した予算獲得に尽力したい」と述べた。