思考録

個人の感想であり、効果・効能を示すものではございません。

M1-2017ファイナルの特に数学的でない分析

 

dakama.hatenablog.jp

上のエントリを読んで面白かったので、一点だけ気になった「もし採点競技でよくある最高点と最低点を取り除くヤツでやったらどうなるんだろう」をやってみました。

「結果がこちらのグラフです」(表です)

 

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(表1: 出場各組の得点と仮想採点方式のシミュレーション)

 

 

結論:大きく変動せず。特に最終決戦進出には影響なし

上表の左側が実際の得点と順位、「中間値計」から右が当シミュレーションの結果です。

 

算出法(読み飛ばし可)

最大値と最小値を「それぞれ1件ずつのみ」取り除いた審査員5名分の合計点で順位を算出しました。「中間値計」がその合計値、「中間値順」が中間値計による順位、「変動」が実際の順位と中間値順の差分です。

除外した最大値は表左側でオレンジ塗りに、最小値は赤塗りで表しています。ただし上述の通り除外は最大側最小側でそれぞれ1件のみです。

審査員各位のお名前は名字を基本に、2文字で表現できる方法を選択しています。以下も敬称略とさせていただきます。

データは上のリンク(以下便宜的に「引用元」)を目視しながら手打ちしたものですので誤りが含まれている可能性があります。その場合はご容赦ください

 

 

 

シミュレーションでは、実際には3位であった「とろサーモン」が2位タイ(「ミキ」と同点)に上がったほか、実際は4位タイ(「スーパーマラドーナ」と同点)であった「かまいたち」が単独5位に下がったものの、そのほかは全く順位変動なし

特に最終決戦の進出可否に影響はありませんでした。

 

 

もちろん、実際にはそのような方式が導入されれば審査員に「両極端は避ける」意識がはたらき採点にも影響する可能性はありますが、わざわざそんな方式を導入しても視聴者に分かりにくくなるだけ(?)で、公平性や結果あまり影響はないということは言えそうです。

 

引用エントリの「結論」(2017年の審査も異議なし)を支持する結果となりましたことをここに報告致します。

 

 

 

メインコンテンツは以上です。ありがとうございました。

あとは素人分析という駄文です。

 

 

2. 出場者のその他の評価

 

表中では、各採点者の与えた最高得点を黒太字に、最低得点を赤字にして表しています。

やはり最下位「マヂカルラブリー」は審査員全7名中6名から最低評価を受けており、今回のファイナル出場者の中では圧倒的につまらなかった(審査員たちにとって)ということでしょう。当たり前ですが。

 

 

一方で、各審査員から最高評価を受けた出場者をみていくと、最終決戦に進出した「和牛」はほぼ半数の3名(小朝・博多・上沼)から最高評価を受けており、実力の高さが伺えます。

ミキ」はそれにつぐ2名(上沼・渡辺)からの最高評価を得て最終決戦に進出していましたが、残る最終決戦進出者にして今回優勝したとろサーモン」は意外にも(?)各審査員からの最高評価獲得件数はゼロ。にもかかわらず最終決戦に進出できたのは、審査員5名(巨人・松本以外)からそれぞれ2番手評価を受けており、各審査員にとっての「イチバン」ではなかったものの「支持率」が相当に高かったからと言えそうです。これが最終決戦での勝利=優勝につながったのかもしれませんね。

 

4位タイ2組の対称性

最高評価者2名という数は2位「ミキ」と同数ながら、4位タイ(上の私的シミュレーションでは単独5位)で最終決戦に進めず終わってしまった「かまいたち」。このコンビは決して水準が低いわけではないものの好みが別れるタイプという感じでしょうか。

同じく4位タイの「スーパーマラドーナ」は、最高評価も最低評価もゼロ人で特に目立った浮き沈みがありません。「かまいたち」同様決して点数が低いわけではないので、万人受けするタイプだといえそうです。

同じ得点でもこうもタイプが違うと面白いですね(月並)。

どうでもいい話ですが、私としては「スーパーマラドーナ」のネタがこの日のベストでした。次点が「ゆにばーす」。次いで「和牛」一発目の結婚式ネタでした。どうでもいい話終わり。え?全部どうでもいい?

 

 

 

3. 審査員の評価~各審査員の「偏り」から~

 

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(表2: 各審査員における採点の「偏り」)

 

表2は上の表1を「タテ」にまとめたもので、ある審査員が出場各コンビに対する最大値・最小値の採点を何件出しているかを示し、下方に採点の「偏り」を評価したのです。

例えば、松本人志さんの列における「最大値最点数」の値1は、彼が「ジャルジャル」に対して出した95点が、同コンビに対する他の審査員のどの得点よりも高かったが、その他のコンビに対しての採点に同様のものは無くその1件のみであったことを意味しています。「相対甘さ」「両極端さ」については表中の説明書きどおりです。

また、表1と同様に、オレンジ塗りと赤塗りは、行(ヨコの並び)の中での最大値と最小値を表しています。

 

最も甘い採点をしたと言えそうなのが博多大吉で、3名に全審査員中最大の採点をしている一方で、最小の採点はわずか1組となっています。

一方で最も辛い採点をしたのは渡辺正行でしょうか。極端さ7は全審査員中最大であり、最大値3組・最小値4組もそれぞれ全審査員中最大です。あくまでも今回の他の審査員とくらべてですが、好き嫌いが激しいといえそうです。しかし特に注目すべきは渡辺の中での1~3位(ミキ>とろサーモン>和牛)がいずれも最終決戦に進出していることです。

 

実は同じく極端さが高い上沼恵美子の1~3位(ミキ=和牛>とろサーモン)も同じく最終決戦進出を果たしています。これをどう見るか……渡辺・上沼の「目が優れていた」と見るか、「両極端な二人の採点が結果に大きく影響を与えた」と見るか……非常に評価が難しいところですが、どうでしょう。

ちなみに春風亭小朝も1~3位(和牛>とろサーモン>ミキ)が最終決戦に進出しています。小朝の「極端さ」は渡辺・上沼と比べてもその他4名とくらべても最低値となっており、バランス感覚の良さと目の良さが光ります。

繰り返し断りますが、彼らの点数は単なる予想ではなく実際に採点として結果に影響を与えていますので、「目の良さ」的な評価は意味がないとは自覚しています。

 

中川家礼二氏は最大値1、最小値も1で差し引き0、ザ・中庸ともいうべき結果です。審査員全員の中で最もバランスがよいのではないかと思われます。

 

 

3連複」的な話に戻ると、最も結果が振るわなかったのはオール巨人でしょうか。

1位かまいたち、2位スーパーマラドーナ、3位がミキとジャルジャル同点で、評価上位3名、特に巨人の場合は4名いますが、にもかかわらずそのうち1組しか「当たって」いないというのは、他の審査員にはない悪い結果となっています。

1951生まれで審査員団中最高齢(上沼1955生・小朝1955・渡辺1956の集団より若干年上のようですが、それで感覚のズレがあるんでしょうか。気になるところです。ということを書いていて気づいたのですが、「三連複」の当選者はいずれも同じような年齢(還暦チョイ超え)なんですね。もしかしたらこの還暦年齢層を3人固めたことが結果に大いに影響を与えているかもしれませんね

 

 

おわりに

この辺で書くのが疲れてきました。そろそろ終わります。

 

 

実はこの歳(?)になって、M1というものを初めて見ました。

仕事柄か毎年この時期は忙しく「月月火水木金金」を地で行く地獄モードに突入しておりテレビどころじゃないんですが、今年は11月から忙しすぎて力つき、たまたま元々休みの日曜日に休めたところで見ておったのですが、こんなに面白かったんですね。

また来年も見ようかと思います。