ハワイで開催中のQualcomm Snapdragon Tech Summitより。クアルコムは、スマホ用SoCのSnapdragon 835をWindows 10 PCに転用することで、丸1日を超える連続駆動時間、そして1Gbpsクラスのセルラー接続を実現する「Always Connected PC」を猛アピールしています。
スマホ用SoCを搭載したPCの使い勝手は実際どうなのか、会場にて実機を触る機会がありましたのでレポートします。
▲Snapdrgaon 835を搭載したHP ENVY x2
こちらが「HP ENVY x2」です。12.3インチ 1920 x 1200解像度のタッチ液晶を搭載した2 in 1で、Surfaceシリーズのようにキーボードを外してタブレットとしても利用可能。キーボードカバーはスタンドを兼ねており、傾きを110〜150度の範囲で無段階に調整できます。
最大の特徴は、チップセットに「Snapdragon 835」を搭載する点。ARMベースのSoCではありますが、x86エミュレーションでWindows 10 SまたはWindows 10 Proアプリがフルに動作します。なお出荷時OSはWindows 10 Sですが、10 Proにもアップグレード可能。同SoCを採用したことにより、バッテリー連続駆動時間は20時間(動画再生)と、丸2日持つ電池持ちを売りにします。RAMは8GB。
▲キーボードを外せばタブレットとしても使える
▲本体は6.9mmとiPhone 8よりも薄い
▲1GbpsまでのLTE接続に対応する
Snapdragonで動いているとは思えないサクサク感
さて、ここで気になるのが動作速度です。Snapdragon 835はハイエンドのAndroidスマートフォン向けSoCとはいえ、所詮はスマホ向け。同SoCでWindows 10アプリを、しかもエミュレーションで動かしていると聞くと、どうしてもサクサク動くかなどのパフォーマンスが心配になります。
▲Snapdragon 835を8コアとして認識
結論から言うと、PowerPointやWord、Excel、ウェブブラウザなどの試用においては、Snapdragon 835とは信じられないほど機敏に動作。アプリの起動・終了もサクサクでした。一般的にロースペックのPCにありがちなもっさり感を微塵も感じません。(会場ではベンチマークが禁止されていたのは残念なところ)
(更新:2017年12月6日正午)記事掲出時、フルWindowsが動作すると記載していましたが、正確には動作しているのはARM版Windows 10で、x86アプリをエミュレーションで動作させています。プリインストールされているMicrosoft OfficeアプリやEdgeブラウザがARM版か、x86版かは現在確認中です。
なお搭載OSはWindows 10 Sだったので、これがWindows 10 Proだったり、ヘビーなアプリ、例えばPhotospohopなどではどうなのか気になる所ではありますが、一般的なライトユーザーの利用では動作速度に問題なさそう。むしろ、これほど快適に動くWindows 10マシンで20時間超の連続駆動時間が実現できているとなると、PCの電池持ちに対する常識が変わりそうです。
なお「HP ENVY x2」は2018年春に発売予定。日本での発売予定は明かされていません。