yasuokaの日記: 新たな元号はJIS X 0213に入るのか
いつか遠い未来に新たな元号が決まったとして、それはJIS X 0213に収録されるのか、という趣旨の質問をいただいた。現在、1-13-77「㍾」、1-13-78「㍽」、1-13-79「㍼」、1-13-63「㍻」がJIS X 0213に収録されているので、これに新たな元号が追加されうるのか、という疑問である。私(安岡孝一)個人の意見としては、かなり難しそうだと思う。というのも、これらの『国内実装互換文字』は、以下のような経緯で選定されたからだ(JIS X 0213:2000解説p.511)。
4.4.12 国内実装互換文字 この規格では,過去の資産との互換性を維持するため,国内のパーソナルコンピュータなどで広範に実装されていた1面13区のJIS外字については,非漢字の選定の規準の適用を除外することととし,JIS X 0208と重複しているものを除いた73文字を,面区点位置を保存して採録することとした。
これらの文字のうち,この規格の非漢字の選定の規準に当てはまらなかったものは,38文字であった。これらは,いずれも,図形文字として十分に同定され,使うために必要な情報が提供されていたと判断されるものであり,実際にある程度広範に利用されていると推定される根拠が認められたことから,互換用であることを明示し,国内実装互換文字として採録することとした。
実際には1-13-62なんかが空いているので、もったいない話ではあるのだが、採録規準を変えるしかないということである。しかも、採録規準を変えたとしても、今度はISO/IEC 10646(というかUnicode)との間の問題が立ちはだかる。U+337E「㍾」、U+337D「㍽」、U+337C「㍼」、U+337B「㍻」とくれば、当然U+337Aが使いたくなるが、U+337Aには「IU」が入っていて、もう使えない。それどころか、U+3300~U+33FFは、すでに完全に埋まってしまっている。どこか別のところを探さなければいけないのだけど、正直、この手の文字は、ISO/IEC 10646に追加収録される可能性が低くなっているのだ。さてさて、どうしよう…。
コメント (6件)
Unicodeに新元号は入るのか (スコア: 1)
スラドでも話題になっていましたね。
http://srad.jp/comments.pl?sid=689605&cid=3047064
caret氏が、JOINERかリガチャで良いのではないかと述べております。
Re:元号廃止する根拠になったりして… (スコア: 1)
たか【多寡】の例文 - goo国語辞書で寺田寅彦、宮本百合子、黒島伝治、福沢諭吉、永井荷風以外の文筆家が使っている悪い例にひっぱられたようで申し訳ない。
// どうして理学者とプロレタリア作家は悪い例にならないで済んでいるのか謎。