日本原子力研究開発機構は6日、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃止措置計画の認可を原子力規制委員会に申請した。2022年末に炉心からの燃料取り出しを終え、47年度に建物の解体を終え廃炉を完了する。規制委が計画を認可した後に、廃炉作業が本格化する。
機構は福井県、敦賀市と5日に改定、締結した協定に基づき同日夕、地元側に事前に概要を説明した。
廃炉計画は本来、燃料を炉心から取り出した後に認可申請をするが、もんじゅは水プールへの取り出し実績が2体しかなく、特例的にまず22年末までの燃料取り出し作業についての認可申請を行う。その間に後の工程の検討を深め、追加申請を行う方針。
計画では、燃料取り出し期間を廃炉の第1段階とし、ナトリウムで満たされている炉心と炉外燃料貯蔵槽にある燃料計530体を水プールに移す。放射能を帯びていない2次系ナトリウム約760トンは18年度中に抜き取りを終え、タンクで保管する。
47年度までの全体工程は、廃炉が先行する軽水炉や海外高速炉の事例を参考に、4段階に分けた。第1段階が終わった後はタービン建物の解体から始め、ナトリウム機器の解体、建物の解体へと続くが、第2段階以降の期限は明示されていない。廃棄物の発生量は約2万6700トンと推定したが、放射能レベルの区分は調査が必要として明らかにされなかった。
全体工程についてもんじゅの安部智之所長は記者団に、「1次系のナトリウムの抜き出しや、さまざまな設備、配管の中に残っているナトリウムをどう回収していくのか、技術的な検討が必要」と説明。1次系ナトリウムの抜き取りは技術的に可能としているものの、今後の大きな検討課題であることを認めた。
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