見えないものをちょっと想像すると変わる景色がある(かも)
さめちゃんのこんな記事を読みました。
これについて語るには大前提を先に書かなくてはいけないんですが。
それは「仕事に対する価値観は本当に人それぞれだ」ということ。
お金さえ貰えれば泥水の中を泳ぐのでもいい、という人もいるし、高層ビルの上でリクライニングするようなチェアに腰掛けてパソコンの画面を見てる仕事が好きだと言う人もいるでしょう。さめちゃんの記事にあるように「条件」で仕事を選ばざるを得ない状況とか年齢とか生活環境とかもある。
そんな中に存在するそれぞれの仕事に対する「価値観」をいじるつもりはないのです。
仕事の先にあるかもしれない景色
ビジネス書を読んだことがある人ならきっとこの逸話を知ってると思うんですよ、3人の石工の話。3人の石工がいて、それぞれに何をしてるか聞いてみるわけです。
- 「お金をもらうために仕方なくだよ」というAさん
- 「綺麗に石を切る仕事をしてるんだよ」というBさん
- 「教会を建ててるんだよ」と目をイキイキとさせるCさん
意識が高い人はCさんのような心で仕事をしなさい、なんていう。漢字までいじっちゃって「志事」とかしちゃったりして(こういうの僕嫌いだから)。
とはいえ仕事というもの。
某トヨタのディーラーで営業をしているときは「夜中に懐中電灯を持って家の前に止まっている車のナンバーを控えて古い車を探しつづける仕事」だったり、商社の営業をしているときは1円でも高く売り1円でも安く仕入れるためにおだてたり頭を下げたり愚痴ったり「なんで僕がそこまでやらなきゃいけないんだ」って腹を立ててたことも毎日のようだった。「土下座しろ」といわれたことも2度もある。それも2回とも僕にはまったく責任ないんだよ?
でも。
ディーラーにいるときは「買ってくれたお客さんが喜んで車に乗って楽しくしていること」を考えるとあと1軒訪問しようという気持ちになった。
商社にいるときは小さな部品とか小さな機械とかの一つであっても、その部品が組み込まれてとんでもない機械の一部になっていると思うだけで世界を背負ってるような気がした(言えないけどとんでもない製品の部品開発したんだよ?)。
人材派遣の仕事で営業担当をしているときは「派遣先に喜ばれ、スタッフに喜ばれ、結果派遣会社が儲かる」仕事をできているプライドを持って仕事をしてた(時期もあった)。人柄もスキルもすごくいいスタッフの子がいて、絶対的な自信で派遣先に紹介したらそこの社員さんに見初められて結婚し、優秀なスタッフを一名失ったこともあるけど、それはそれで僕の自慢。
目の前はごちゃごちゃした思いがいろいろあるかもしれないけど、そのずっと先にある(かもしれない)良いことを思い浮かべるとちょっと一歩踏み出せることってあると思うのです。
今僕は製造メーカーにいてあるものを作ってて、その商品はいろんなところを経由してユーザーの手元に届くといろんな意味で「思いのこもった商品」になるんです。ありがたいことに僕はお客さんの販売イベントなどに借り出される(笑)おかげで実際のユーザーさんと話す機会があるんですが、やっぱりというか「良い商品作ってくれるメーカーさん」と思われててやっぱり嬉しいんです。
じゃあ逆に。
仕事に愛情が注げない、商品に愛着を持てないからダメ、なんて全然思わない。それはそれぞれの仕事に対する価値観の違いから。ストイックに仕事をする人ほど仕事は手段だ、と割り切ってるものだと思うし(ほら、アフィリエイターさんはアフィ記事は思い入れなんてなくてただの武器と言い切ったりするじゃないですか)。商品に愛情を注ぎすぎると販売価格よりも製造原価が上がっちゃうことにもなりかねない。
今の自分の生活環境とか立ち位置とかいろんなものによって仕事に対する価値観はどんどん変わっていくと思うし、何をどんなふうに思っていてもその時はそれが正解なんだと思うのです。
ただ。
一つだけ思ってほしいなあと思うのは古臭くてどうしようもない言葉なのかもしれないんですけど、
『はたらくとは 「傍(はた)」を「楽」にすること』
なんだよ、志事はダメで「傍楽」はいいのかよと(ごめん)
つまらないと思っている仕事かもしれないけど、それはまわりまわってどこかで誰かの役に立ってると思うんです。じゃあそれが「どこでどんなふうに誰の役に立ってるのかな」と考えることも仕事に価値を見出すことができるきっかけになるんじゃないのかなと。
ということでさめちゃん(id:nemurenai-same)のこの言葉はものすごく刺さる。さすが歯が多くて鋭い。
後悔も挫折も屈辱も 無駄なことなんてひとつもないから。
夢と現実と未来と - 感想文
なんだかんだ言って車が売れなくてしんどくてディーラーをやめたり、人間関係でもめて出社できなくなるくらい追い込まれて退職したり、やりたかった人材紹介部門に行けなかった後悔とかやってたら一旗揚げられてたのにとかいろんな思いは今までの仕事の中に山ほどあるんだけど、それはそれで自分の今を形作ってるものだから。
あの時のあれやこれが今の仕事で「知恵」として発揮できてるから、それでいいのかな。その分仕事がどんどん増えてしまってカラダ壊し気味だけど。
でも五十肩じゃないから!!!