WADA=世界アンチドーピング機構の調査チームは、去年、ロシアによる国家ぐるみのドーピングと、その隠蔽が行われていた手口について詳細を記した調査報告書を発表しました。
報告書によりますと、ロシアでは、WADAの公認分析機関だったモスクワ検査所がロシアスポーツ省の管理下におかれ、2011年末から2015年まで、ドーピング検査で陽性の可能性があるロシアの有望選手の検体について、結果のねつ造が行われていたということです。
この結果、夏と冬のオリンピックやパラリンピックの30以上の競技で選手やコーチなど1000人以上が関与していたと報告しています。
特に用意周到だったのが2014年のソチオリンピックです。
大会の前には、「ドーピングカクテル」と呼ばれるアルコールに筋肉増強作用のある禁止薬物、ステロイドを混ぜた飲み物が作られ、ロシアの選手に提供されていました。
このカクテルは、口に含むだけで薬物が体に吸収されるため、その後吐き出します。
さらに禁止薬物が検出される期間が短いため、大会の直前に使ってもドーピング検査で陽性になる確率が低かったということです。
また、大会で使われた分析機関では、事前にロシアのスポーツ省から提供された選手のリストを基に、検体のすり替えが行われていたことを指摘しています。
ソチオリンピックでは、検体が保管されている場所と隣の部屋の間の壁に「ネズミの穴」と呼ばれる小さな穴があけられていました。
この穴を使って、分析機関の担当者は採取された検体を深夜に部屋の外に出し、ロシアの連邦保安庁の職員が検体のふたを秘密裏に開け、事前に保存していたクリーンな検体とすり替えていたということです。
検体のボトルは、本来は割らなければ開けることができない仕組みになっていますが、大会の1年前にはロシア連邦保安庁の職員がその開封方法を生み出していたということです。
調査チームが、検体を顕微鏡で調べたところ、開封されたと見られるわずかな傷が見つかっています。
また、連邦保安庁の職員は配管工事などを装って、分析機関に出入りしていたということです。
IOC ロシア選手団の五輪出場認めず 個人は条件つきで容認
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IOC=国際オリンピック委員会は5日、理事会を開き、ロシアが組織的なドーピングとその隠蔽を行っていたと結論づけ、来年2月のピョンチャンオリンピックにロシア選手団としての出場を認めないことを決めました。一方で、厳しい条件を満たした選手に限っては、個人の資格での出場を認めるとしています。
ロシアが国家ぐるみで組織的なドーピングを行っていたとするWADA=世界アンチドーピング機構の報告を受けて、IOCは、規律委員会と調査委員会による独自の調査を行い、5日、スイスのローザンヌで開いた理事会でロシアの選手を来年2月のピョンチャンオリンピックに参加させるかどうか議論しました。
その結果、IOCとして、ロシアが組織的なドーピングとその隠蔽を行っていたと結論づけ、ロシアオリンピック委員会の資格を停止し、来年2月のピョンチャンオリンピックへの出場をロシア選手団として認めないことを発表しました。
一方で、厳しい条件を満たした選手に限っては、個人の資格での出場を認めるとしています。
IOCはその条件として、過去にあらゆるドーピング規定に違反していないことや、IOCがWADAなどと設置する作業部会でピョンチャン大会までに合わせて2万件実施する、ドーピング検査を受けることなどを求めるとしています。
そして、出場を認められた選手はロシア出身のオリンピック選手として、オリンピックの旗のもと大会に参加できるとしています。
その結果、IOCとして、ロシアが組織的なドーピングとその隠蔽を行っていたと結論づけ、ロシアオリンピック委員会の資格を停止し、来年2月のピョンチャンオリンピックへの出場をロシア選手団として認めないことを発表しました。
一方で、厳しい条件を満たした選手に限っては、個人の資格での出場を認めるとしています。
IOCはその条件として、過去にあらゆるドーピング規定に違反していないことや、IOCがWADAなどと設置する作業部会でピョンチャン大会までに合わせて2万件実施する、ドーピング検査を受けることなどを求めるとしています。
そして、出場を認められた選手はロシア出身のオリンピック選手として、オリンピックの旗のもと大会に参加できるとしています。
国家ぐるみのドーピングと隠蔽の手口 WADA報告書
WADA=世界アンチドーピング機構の調査チームは、去年、ロシアによる国家ぐるみのドーピングと、その隠蔽が行われていた手口について詳細を記した調査報告書を発表しました。
報告書によりますと、ロシアでは、WADAの公認分析機関だったモスクワ検査所がロシアスポーツ省の管理下におかれ、2011年末から2015年まで、ドーピング検査で陽性の可能性があるロシアの有望選手の検体について、結果のねつ造が行われていたということです。
この結果、夏と冬のオリンピックやパラリンピックの30以上の競技で選手やコーチなど1000人以上が関与していたと報告しています。
特に用意周到だったのが2014年のソチオリンピックです。
大会の前には、「ドーピングカクテル」と呼ばれるアルコールに筋肉増強作用のある禁止薬物、ステロイドを混ぜた飲み物が作られ、ロシアの選手に提供されていました。
このカクテルは、口に含むだけで薬物が体に吸収されるため、その後吐き出します。
さらに禁止薬物が検出される期間が短いため、大会の直前に使ってもドーピング検査で陽性になる確率が低かったということです。
また、大会で使われた分析機関では、事前にロシアのスポーツ省から提供された選手のリストを基に、検体のすり替えが行われていたことを指摘しています。
ソチオリンピックでは、検体が保管されている場所と隣の部屋の間の壁に「ネズミの穴」と呼ばれる小さな穴があけられていました。
この穴を使って、分析機関の担当者は採取された検体を深夜に部屋の外に出し、ロシアの連邦保安庁の職員が検体のふたを秘密裏に開け、事前に保存していたクリーンな検体とすり替えていたということです。
検体のボトルは、本来は割らなければ開けることができない仕組みになっていますが、大会の1年前にはロシア連邦保安庁の職員がその開封方法を生み出していたということです。
調査チームが、検体を顕微鏡で調べたところ、開封されたと見られるわずかな傷が見つかっています。
また、連邦保安庁の職員は配管工事などを装って、分析機関に出入りしていたということです。
報告書によりますと、ロシアでは、WADAの公認分析機関だったモスクワ検査所がロシアスポーツ省の管理下におかれ、2011年末から2015年まで、ドーピング検査で陽性の可能性があるロシアの有望選手の検体について、結果のねつ造が行われていたということです。
この結果、夏と冬のオリンピックやパラリンピックの30以上の競技で選手やコーチなど1000人以上が関与していたと報告しています。
特に用意周到だったのが2014年のソチオリンピックです。
大会の前には、「ドーピングカクテル」と呼ばれるアルコールに筋肉増強作用のある禁止薬物、ステロイドを混ぜた飲み物が作られ、ロシアの選手に提供されていました。
このカクテルは、口に含むだけで薬物が体に吸収されるため、その後吐き出します。
さらに禁止薬物が検出される期間が短いため、大会の直前に使ってもドーピング検査で陽性になる確率が低かったということです。
また、大会で使われた分析機関では、事前にロシアのスポーツ省から提供された選手のリストを基に、検体のすり替えが行われていたことを指摘しています。
ソチオリンピックでは、検体が保管されている場所と隣の部屋の間の壁に「ネズミの穴」と呼ばれる小さな穴があけられていました。
この穴を使って、分析機関の担当者は採取された検体を深夜に部屋の外に出し、ロシアの連邦保安庁の職員が検体のふたを秘密裏に開け、事前に保存していたクリーンな検体とすり替えていたということです。
検体のボトルは、本来は割らなければ開けることができない仕組みになっていますが、大会の1年前にはロシア連邦保安庁の職員がその開封方法を生み出していたということです。
調査チームが、検体を顕微鏡で調べたところ、開封されたと見られるわずかな傷が見つかっています。
また、連邦保安庁の職員は配管工事などを装って、分析機関に出入りしていたということです。
IOC調査 25人のドーピング指摘
IOC=国際オリンピック委員会は、ロシアが国家ぐるみでドーピングとその隠蔽を行っていたとする去年7月のWADA=世界アンチドーピング機構の調査報告を受けて、どの選手がドーピングを行ったかや、組織的な隠蔽が国家主導によるものだったのかどうかを独自に調べるため、スイスの弁護士でIOCのオズワルド理事をトップとする規律委員会と、元スイスの大統領、シュミッド氏をトップとする調査委員会を立ち上げ、調査を開始しました。
このうち規律委員会は、WADAの調査チームによる最終報告書でドーピングをしていたと指摘されたソチオリンピックの28人のロシア選手が、実際に違反を行っていたかどうか徹底的に調べました。
具体的には、選手の検体の再検査や、検体のすり替えの方法が報告書に述べられているとおりに実施可能かどうか専門家に依頼して分析しました。
さらに、選手本人やWADAの調査チームのトップを務めたマクラーレン氏などへの聞き取り調査も行いました。
その結果、規律委員会は「ソチオリンピックでは、ドーピングを行っていたロシアの選手を守るため、国家ぐるみの組織だった隠蔽が行われていて、それが紛れもない事実だとわかる数々の証拠や証言がある」などとしてWADAの調査チームの報告を全面的に支持しました。
そして、これまでに25人の選手のドーピングを指摘し、今後、オリンピックに出場する資格はないと発表しています。
この中には、ソチオリンピックでロシア選手団の旗手を務め、ボブスレー男子で2つの金メダルを獲得したアレクサンドル・ズブコフ選手。
ボブスレー男子4人乗りで金メダルを獲得したアレクセイ・ネゴダイロ選手とドミトリー・トルネンコフ選手。
スキークロスカントリーの男子50キロフリーで金メダルを獲得し、40キロリレーでも銀メダルを獲得したロシアのアレクサンドル・レグコフ選手。
同じく50キロフリーなど3つの種目で銀メダルを獲得したマキシム・ヴィレグジャニン選手。
スケルトン男子で金メダルを獲得したアレクサンドル・トレチャコフ選手。
スケルトン女子で銅メダルを獲得したエレーナ・ニキチナ選手。
スピードスケートの女子500メートルで銀メダルを獲得したオリガ・ファトクーリナ選手。
バイアスロン女子24キロリレーで銀メダルを獲得したヤナ・ロマノワ選手とオリガ・ヴィルヒナ選手、オリガ・ザイツェワ選手の11人のメダリストが含まれています。
このうち規律委員会は、WADAの調査チームによる最終報告書でドーピングをしていたと指摘されたソチオリンピックの28人のロシア選手が、実際に違反を行っていたかどうか徹底的に調べました。
具体的には、選手の検体の再検査や、検体のすり替えの方法が報告書に述べられているとおりに実施可能かどうか専門家に依頼して分析しました。
さらに、選手本人やWADAの調査チームのトップを務めたマクラーレン氏などへの聞き取り調査も行いました。
その結果、規律委員会は「ソチオリンピックでは、ドーピングを行っていたロシアの選手を守るため、国家ぐるみの組織だった隠蔽が行われていて、それが紛れもない事実だとわかる数々の証拠や証言がある」などとしてWADAの調査チームの報告を全面的に支持しました。
そして、これまでに25人の選手のドーピングを指摘し、今後、オリンピックに出場する資格はないと発表しています。
この中には、ソチオリンピックでロシア選手団の旗手を務め、ボブスレー男子で2つの金メダルを獲得したアレクサンドル・ズブコフ選手。
ボブスレー男子4人乗りで金メダルを獲得したアレクセイ・ネゴダイロ選手とドミトリー・トルネンコフ選手。
スキークロスカントリーの男子50キロフリーで金メダルを獲得し、40キロリレーでも銀メダルを獲得したロシアのアレクサンドル・レグコフ選手。
同じく50キロフリーなど3つの種目で銀メダルを獲得したマキシム・ヴィレグジャニン選手。
スケルトン男子で金メダルを獲得したアレクサンドル・トレチャコフ選手。
スケルトン女子で銅メダルを獲得したエレーナ・ニキチナ選手。
スピードスケートの女子500メートルで銀メダルを獲得したオリガ・ファトクーリナ選手。
バイアスロン女子24キロリレーで銀メダルを獲得したヤナ・ロマノワ選手とオリガ・ヴィルヒナ選手、オリガ・ザイツェワ選手の11人のメダリストが含まれています。
ロシア政府 今のところ公式反応なし
IOC理事会の決定についてロシア政府は、今のところ公式な反応は出していません。
今回の決定は、ロシア選手の出場が全面的に認められないというロシアにとって最悪のケースではないものの、ロシア選手団として出場できないという厳しいものであることに変わりはありません。
ロシアオリンピック委員会のジューコフ会長は、先月、ロシアメディアに対して「選手たちは自分の国のためにたたかっているので、中立の立場で参加することはない」と述べています。
スポーツの振興によって国威の発揚や国民の統合につとめてきたプーチン大統領にとって、ロシア選手団が活躍するオリンピックは、強いロシアを内外に示す絶好の機会で、多くのメダルが期待される冬の大会ではなおさらのことです。
ロシアの国旗の掲揚や国歌の斉唱が認められず、個人の立場でしかオリンピックに出場できないという今回のIOCの判断に対して、ロシアがどのような反応を示すのか注目されます。
今回の決定は、ロシア選手の出場が全面的に認められないというロシアにとって最悪のケースではないものの、ロシア選手団として出場できないという厳しいものであることに変わりはありません。
ロシアオリンピック委員会のジューコフ会長は、先月、ロシアメディアに対して「選手たちは自分の国のためにたたかっているので、中立の立場で参加することはない」と述べています。
スポーツの振興によって国威の発揚や国民の統合につとめてきたプーチン大統領にとって、ロシア選手団が活躍するオリンピックは、強いロシアを内外に示す絶好の機会で、多くのメダルが期待される冬の大会ではなおさらのことです。
ロシアの国旗の掲揚や国歌の斉唱が認められず、個人の立場でしかオリンピックに出場できないという今回のIOCの判断に対して、ロシアがどのような反応を示すのか注目されます。
ロシアの五輪メダル推移
オリンピックでロシアは、金メダルの数が旧ソビエト時代を含めて過去最低となった2010年のバンクーバー大会のあと、自国開催の2014年のソチ大会に向けて国を挙げて選手強化に取り組んできました。
ソチ大会で当時、獲得したメダルの数はバンクーバー大会の2倍以上となる33個に増え、内訳は金13個、銀11個、銅9個で、金メダルの数と総数は出場した88の国と地域のうち最も多くなりました。
競技ごとに見ますとフィギュアスケートの女子シングルとペア、それに団体で3つの金メダルを獲得したほか、ボブスレーなどのそり競技、スキーのクロスカントリーやスケートのショートトラックなどで金メダルを獲得しました。
しかしその後、国家主導のドーピングが明らかになり、IOC=国際オリンピックが検体の再検査を進めた結果、表彰台を独占したスキークロスカントリーの男子50キロフリーをはじめ、ボブスレーやバイアスロンなどで次々と違反が発覚して11個のメダルが剥奪されました。
現在のメダルの数は金9個、銀5個、銅8個の合わせて22個となっています。
そして来年のピョンチャン大会に向けては、すでに一連の再検査で、実績を残してきた25人の選手が参加資格を失った一方、フィギュアスケート女子シングルで世界選手権2連覇中の18歳、エフゲニア・メドベージェワ選手など、メダル獲得が有力視されている選手が大会への出場を目指しています。
フィギュアスケートをはじめカーリングやスノーボードなど、日本の選手にとってロシア勢がライバルになる競技もあり、メダル争いにも影響が出ることも想定されたため、IOCの判断が注目されました。
ソチ大会で当時、獲得したメダルの数はバンクーバー大会の2倍以上となる33個に増え、内訳は金13個、銀11個、銅9個で、金メダルの数と総数は出場した88の国と地域のうち最も多くなりました。
競技ごとに見ますとフィギュアスケートの女子シングルとペア、それに団体で3つの金メダルを獲得したほか、ボブスレーなどのそり競技、スキーのクロスカントリーやスケートのショートトラックなどで金メダルを獲得しました。
しかしその後、国家主導のドーピングが明らかになり、IOC=国際オリンピックが検体の再検査を進めた結果、表彰台を独占したスキークロスカントリーの男子50キロフリーをはじめ、ボブスレーやバイアスロンなどで次々と違反が発覚して11個のメダルが剥奪されました。
現在のメダルの数は金9個、銀5個、銅8個の合わせて22個となっています。
そして来年のピョンチャン大会に向けては、すでに一連の再検査で、実績を残してきた25人の選手が参加資格を失った一方、フィギュアスケート女子シングルで世界選手権2連覇中の18歳、エフゲニア・メドベージェワ選手など、メダル獲得が有力視されている選手が大会への出場を目指しています。
フィギュアスケートをはじめカーリングやスノーボードなど、日本の選手にとってロシア勢がライバルになる競技もあり、メダル争いにも影響が出ることも想定されたため、IOCの判断が注目されました。
IOC ロシア選手団の五輪出場認めず 個人は条件つきで容認
IOC=国際オリンピック委員会は5日、理事会を開き、ロシアが組織的なドーピングとその隠蔽を行っていたと結論づけ、来年2月のピョンチャンオリンピックにロシア選手団としての出場を認めないことを決めました。一方で、厳しい条件を満たした選手に限っては、個人の資格での出場を認めるとしています。
ロシアが国家ぐるみで組織的なドーピングを行っていたとするWADA=世界アンチドーピング機構の報告を受けて、IOCは、規律委員会と調査委員会による独自の調査を行い、5日、スイスのローザンヌで開いた理事会でロシアの選手を来年2月のピョンチャンオリンピックに参加させるかどうか議論しました。
その結果、IOCとして、ロシアが組織的なドーピングとその隠蔽を行っていたと結論づけ、ロシアオリンピック委員会の資格を停止し、来年2月のピョンチャンオリンピックへの出場をロシア選手団として認めないことを発表しました。
一方で、厳しい条件を満たした選手に限っては、個人の資格での出場を認めるとしています。
IOCはその条件として、過去にあらゆるドーピング規定に違反していないことや、IOCがWADAなどと設置する作業部会でピョンチャン大会までに合わせて2万件実施する、ドーピング検査を受けることなどを求めるとしています。
そして、出場を認められた選手はロシア出身のオリンピック選手として、オリンピックの旗のもと大会に参加できるとしています。
国家ぐるみのドーピングと隠蔽の手口 WADA報告書
IOC調査 25人のドーピング指摘
IOC=国際オリンピック委員会は、ロシアが国家ぐるみでドーピングとその隠蔽を行っていたとする去年7月のWADA=世界アンチドーピング機構の調査報告を受けて、どの選手がドーピングを行ったかや、組織的な隠蔽が国家主導によるものだったのかどうかを独自に調べるため、スイスの弁護士でIOCのオズワルド理事をトップとする規律委員会と、元スイスの大統領、シュミッド氏をトップとする調査委員会を立ち上げ、調査を開始しました。
このうち規律委員会は、WADAの調査チームによる最終報告書でドーピングをしていたと指摘されたソチオリンピックの28人のロシア選手が、実際に違反を行っていたかどうか徹底的に調べました。
具体的には、選手の検体の再検査や、検体のすり替えの方法が報告書に述べられているとおりに実施可能かどうか専門家に依頼して分析しました。
さらに、選手本人やWADAの調査チームのトップを務めたマクラーレン氏などへの聞き取り調査も行いました。
その結果、規律委員会は「ソチオリンピックでは、ドーピングを行っていたロシアの選手を守るため、国家ぐるみの組織だった隠蔽が行われていて、それが紛れもない事実だとわかる数々の証拠や証言がある」などとしてWADAの調査チームの報告を全面的に支持しました。
そして、これまでに25人の選手のドーピングを指摘し、今後、オリンピックに出場する資格はないと発表しています。
この中には、ソチオリンピックでロシア選手団の旗手を務め、ボブスレー男子で2つの金メダルを獲得したアレクサンドル・ズブコフ選手。
ボブスレー男子4人乗りで金メダルを獲得したアレクセイ・ネゴダイロ選手とドミトリー・トルネンコフ選手。
スキークロスカントリーの男子50キロフリーで金メダルを獲得し、40キロリレーでも銀メダルを獲得したロシアのアレクサンドル・レグコフ選手。
同じく50キロフリーなど3つの種目で銀メダルを獲得したマキシム・ヴィレグジャニン選手。
スケルトン男子で金メダルを獲得したアレクサンドル・トレチャコフ選手。
スケルトン女子で銅メダルを獲得したエレーナ・ニキチナ選手。
スピードスケートの女子500メートルで銀メダルを獲得したオリガ・ファトクーリナ選手。
バイアスロン女子24キロリレーで銀メダルを獲得したヤナ・ロマノワ選手とオリガ・ヴィルヒナ選手、オリガ・ザイツェワ選手の11人のメダリストが含まれています。
このうち規律委員会は、WADAの調査チームによる最終報告書でドーピングをしていたと指摘されたソチオリンピックの28人のロシア選手が、実際に違反を行っていたかどうか徹底的に調べました。
具体的には、選手の検体の再検査や、検体のすり替えの方法が報告書に述べられているとおりに実施可能かどうか専門家に依頼して分析しました。
さらに、選手本人やWADAの調査チームのトップを務めたマクラーレン氏などへの聞き取り調査も行いました。
その結果、規律委員会は「ソチオリンピックでは、ドーピングを行っていたロシアの選手を守るため、国家ぐるみの組織だった隠蔽が行われていて、それが紛れもない事実だとわかる数々の証拠や証言がある」などとしてWADAの調査チームの報告を全面的に支持しました。
そして、これまでに25人の選手のドーピングを指摘し、今後、オリンピックに出場する資格はないと発表しています。
この中には、ソチオリンピックでロシア選手団の旗手を務め、ボブスレー男子で2つの金メダルを獲得したアレクサンドル・ズブコフ選手。
ボブスレー男子4人乗りで金メダルを獲得したアレクセイ・ネゴダイロ選手とドミトリー・トルネンコフ選手。
スキークロスカントリーの男子50キロフリーで金メダルを獲得し、40キロリレーでも銀メダルを獲得したロシアのアレクサンドル・レグコフ選手。
同じく50キロフリーなど3つの種目で銀メダルを獲得したマキシム・ヴィレグジャニン選手。
スケルトン男子で金メダルを獲得したアレクサンドル・トレチャコフ選手。
スケルトン女子で銅メダルを獲得したエレーナ・ニキチナ選手。
スピードスケートの女子500メートルで銀メダルを獲得したオリガ・ファトクーリナ選手。
バイアスロン女子24キロリレーで銀メダルを獲得したヤナ・ロマノワ選手とオリガ・ヴィルヒナ選手、オリガ・ザイツェワ選手の11人のメダリストが含まれています。
ロシア政府 今のところ公式反応なし
IOC理事会の決定についてロシア政府は、今のところ公式な反応は出していません。
今回の決定は、ロシア選手の出場が全面的に認められないというロシアにとって最悪のケースではないものの、ロシア選手団として出場できないという厳しいものであることに変わりはありません。
ロシアオリンピック委員会のジューコフ会長は、先月、ロシアメディアに対して「選手たちは自分の国のためにたたかっているので、中立の立場で参加することはない」と述べています。
スポーツの振興によって国威の発揚や国民の統合につとめてきたプーチン大統領にとって、ロシア選手団が活躍するオリンピックは、強いロシアを内外に示す絶好の機会で、多くのメダルが期待される冬の大会ではなおさらのことです。
ロシアの国旗の掲揚や国歌の斉唱が認められず、個人の立場でしかオリンピックに出場できないという今回のIOCの判断に対して、ロシアがどのような反応を示すのか注目されます。
今回の決定は、ロシア選手の出場が全面的に認められないというロシアにとって最悪のケースではないものの、ロシア選手団として出場できないという厳しいものであることに変わりはありません。
ロシアオリンピック委員会のジューコフ会長は、先月、ロシアメディアに対して「選手たちは自分の国のためにたたかっているので、中立の立場で参加することはない」と述べています。
スポーツの振興によって国威の発揚や国民の統合につとめてきたプーチン大統領にとって、ロシア選手団が活躍するオリンピックは、強いロシアを内外に示す絶好の機会で、多くのメダルが期待される冬の大会ではなおさらのことです。
ロシアの国旗の掲揚や国歌の斉唱が認められず、個人の立場でしかオリンピックに出場できないという今回のIOCの判断に対して、ロシアがどのような反応を示すのか注目されます。
ロシアの五輪メダル推移
オリンピックでロシアは、金メダルの数が旧ソビエト時代を含めて過去最低となった2010年のバンクーバー大会のあと、自国開催の2014年のソチ大会に向けて国を挙げて選手強化に取り組んできました。
ソチ大会で当時、獲得したメダルの数はバンクーバー大会の2倍以上となる33個に増え、内訳は金13個、銀11個、銅9個で、金メダルの数と総数は出場した88の国と地域のうち最も多くなりました。
競技ごとに見ますとフィギュアスケートの女子シングルとペア、それに団体で3つの金メダルを獲得したほか、ボブスレーなどのそり競技、スキーのクロスカントリーやスケートのショートトラックなどで金メダルを獲得しました。
しかしその後、国家主導のドーピングが明らかになり、IOC=国際オリンピックが検体の再検査を進めた結果、表彰台を独占したスキークロスカントリーの男子50キロフリーをはじめ、ボブスレーやバイアスロンなどで次々と違反が発覚して11個のメダルが剥奪されました。
現在のメダルの数は金9個、銀5個、銅8個の合わせて22個となっています。
そして来年のピョンチャン大会に向けては、すでに一連の再検査で、実績を残してきた25人の選手が参加資格を失った一方、フィギュアスケート女子シングルで世界選手権2連覇中の18歳、エフゲニア・メドベージェワ選手など、メダル獲得が有力視されている選手が大会への出場を目指しています。
フィギュアスケートをはじめカーリングやスノーボードなど、日本の選手にとってロシア勢がライバルになる競技もあり、メダル争いにも影響が出ることも想定されたため、IOCの判断が注目されました。
ソチ大会で当時、獲得したメダルの数はバンクーバー大会の2倍以上となる33個に増え、内訳は金13個、銀11個、銅9個で、金メダルの数と総数は出場した88の国と地域のうち最も多くなりました。
競技ごとに見ますとフィギュアスケートの女子シングルとペア、それに団体で3つの金メダルを獲得したほか、ボブスレーなどのそり競技、スキーのクロスカントリーやスケートのショートトラックなどで金メダルを獲得しました。
しかしその後、国家主導のドーピングが明らかになり、IOC=国際オリンピックが検体の再検査を進めた結果、表彰台を独占したスキークロスカントリーの男子50キロフリーをはじめ、ボブスレーやバイアスロンなどで次々と違反が発覚して11個のメダルが剥奪されました。
現在のメダルの数は金9個、銀5個、銅8個の合わせて22個となっています。
そして来年のピョンチャン大会に向けては、すでに一連の再検査で、実績を残してきた25人の選手が参加資格を失った一方、フィギュアスケート女子シングルで世界選手権2連覇中の18歳、エフゲニア・メドベージェワ選手など、メダル獲得が有力視されている選手が大会への出場を目指しています。
フィギュアスケートをはじめカーリングやスノーボードなど、日本の選手にとってロシア勢がライバルになる競技もあり、メダル争いにも影響が出ることも想定されたため、IOCの判断が注目されました。