各地で開催される自動運転の実験で、愛知県が全国初、一番乗りの名乗りを上げた。運転席に運転者がいないレベル4での実験の1つだ。14日に大村知事も同乗して公開する。レベル4の自動運転とは加速・制動・操舵を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態をいう。愛知県が実施するのは、運転席に運転者を置かずに遠隔で安全を確保。実験地は一般公道で、さらに一般車両を規制しない状態で行う。同じレベル4の実験は、すでに国土交通省が全国の道の駅で年度内13か所で予定し5か所で実施済みだが、同省が行うのは公道であっても一般車両を規制した状態で行っている。トヨタ自動車のおひざ元でもある愛知県産業労働部自動車産業グループは、警察庁のガイドラインに従って道路使用許可を取得。一般車両と混在した状態で行うことに、こだわり続けた。実験車両は当然というべきか、トヨタ製の『エスティマ』がベースだ。自動走行実験の条件としては、国交省より愛知県のほうがより厳しい。14日の終日、同県幸田町内にある町民会館の周辺約700メートルを周回して、データを収集する。速度は15km/h以下。事前に作成した高精度3Dマップを用意して、LiDARで周囲を検知しながら決められたルートを走行するものだ。レベル4とはいえ、自動運転で思い浮かべる実用にはまだ遠いが、愛知県はこれらの実証で得られたデータを公開し、自動運転の技術向上に役立てる。実験主体は愛知県のほか、アイサンテクノロジー、ティアフォーなど。愛知県はこうした実証実験を今年度に県内10か所の市町を選んで実施。幸田町での実証は12月13日の豊田市に続き県内7番目の実施となる。 ZMPは日本科学未来館(東京都江東区)と協力し、遠隔型自動運転システムの公道実証…