【清水】続投方針急転!小林伸二監督を解任 後任はポポヴィッチ氏らリストアップ
J1清水エスパルスが小林伸二監督(57)を今季限りで解任することが4日、分かった。複数の関係者が明かした。きょう5日にクラブから発表される。
J1復帰からわずか1年で、小林体制が終わりを迎えることになった。クラブ幹部が「勝負師というより教育者」と評するように、小林監督は補強に頼るより選手を育てることにこだわりを持っていた。居残り練習で熱心にアドバイスを送った結果、若手は一定の健闘を見せた。ただその一方で、チームの成績は低迷。強化部からは外国人選手を起用するよう度々進言があったが、指揮官は受け流していた。
2年ぶりのJ1となった今季は主力に故障者が続出。4月16日の大宮戦(アイスタ)から9戦勝ちなしを記録。守備を固めるのか、ボールを回すのか戦術も迷走し、シーズン終盤になってもスタイルを確立できなかった。総失点はリーグワースト3位の54。総得点36はシーズンが34試合制になった05年以降のクラブワースト記録となった。最終節の勝利で残留したが目標の9位に及ばない14位に終わった。当初は続投の方針だったが、上層部はこれ以上現体制を続けてもチーム状態は改善しないと判断。
後任には元F東京監督のランコ・ポポヴィッチ氏(50)、韓国・FCソウルなどを指揮した崔龍洙(チェ・ヨンス)氏(44)らをリストアップ。関係者は「海外の複数の候補と接触中」と説明。ポポヴィッチ氏を監督に据えた上で元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(76)にアドバイザーを要請するプランも検討されている。来季、オレンジ軍団は新監督の下で再出発することになる。
◆小林 伸二(こばやし・しんじ)1960年8月24日、長崎県生まれ。57歳。83年にマツダSC(現広島)に入団し、90年に引退。01年6月に大分監督に就任し、翌年J2を制覇。以後、C大阪、山形、徳島で指揮を執り、16年に清水の監督に。清水を含め過去最多の4クラブをJ1に導き「昇格請負人」と呼ばれる。監督通算成績はJ1で257戦63勝128敗66分け。J2で287戦141勝81敗65分け。