一昨日、『えんとつ町のプペル光る絵本展inイオンモール広島祇園』の会場に足を運んだが、大変な賑わいだった。
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今回のイオンモール広島祇園での個展用に700冊用意していた絵本『えんとつ町のプペル』は完売。

完売なんて、ちっとも優しくない。

「いや、えんとつ町のプペル展で『えんとつ町のプペル』が買えなかったらダメでしょ。今日中になんとかしてもらえますか? なんとかできないのであれば、僕がなんとかしますが、どうされますか?」という鬼プレッシャーをかけて、「なんとかします」という返事をいただき、広島中から『えんとつ町のプペル』をかき集めていただいた。
即日対応することによって発生するコストよりも、お客さんの満足度をとった方が絶対にイイ。
また来てもらえることが一番の財産だ。

それにしても、『えんとつ町のプペル』の“体力”である。
絵本『えんとつ町のプペルと、個展『えんとつ町のプペル光る絵本展』を発表&スタートさせたのは1年と1ヶ前だが、それでも今日もたくさんの人が会場に足を運んでくださり、たくさんの人が新たに絵本を手にとってくださっている。

普遍性のあるものを作りたくて、『えんとつ町のプペル』は「星を見に行くまでの物語」だ。変化球もヘッタクレもない。
そのことが『えんとつ町のプペル』の体力を生んでいるのだろうが、作品が持っている体力に“おんぶに抱っこ”というのことを許さない性分でして、『えんとつ町のプペル光る絵本展』は回を重ねるごとにコンテンツを増やしていっている。

AR三兄弟の川田十夢さんに「絵本の世界の中に入りたいんすけど、入れますか?」と訊いたら、「入れますよ」と返ってきたので、来年5月におこなわれるニューヨークの個展からは川田さんに制作を依頼して『えんとつ町のプペルAR』が追加される。

その裏で、現在、絵本『えんとつ町のプペル』の新しいページイラストの制作を進めている。
すでに本として出版したのに、新しいページを作るとは何事か?

これは個展会場だけで追加されるページ(シーン)で、個展会場に来た人が絵本を読んだ時に、「1ページ目と2ページ目の間に、実は、(個展会場で見た)あのシーンが入るんだよね」と補完することで、絵本の面白さを膨らませてやろうというもの。

つまり、出版して、すでにお客さんの手元に届いた紙の本であろうと、体験を絡めることによって、あとから、いくらでも編集することができるというもの。
印刷してして出回ってしまった紙を編集することはできないけれど、お客さんの脳ミソを編集することは可能だ。
脳ミソを編集して『えんとつ町のプペル』を更に面白くする。

「砂浜で拾った貝殻につめこまれた思い出が、“思い出補正”がかかって、年々美化されていくような、あんな感じだよ。あれって、貝殻そのものは何も変わってないのに、脳内を編集したせいで、貝殻が面白くなってんじゃん」とスタッフに説明したら、「は?」と言われたので、やる。

育児です、育児。
『えんとつ町のプペル』は1歳1ヶ月になりました。
もっと面白くしてやります。

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