スーパーコンピューターの開発を手掛けるベンチャー企業「PEZY Computing」(ペジーコンピューティング、東京都千代田区)が国立研究開発法人の助成金を不正に受け取った疑いがあるとして、東京地検特捜部は5日、同社社長の斉藤元章容疑者(49)=同区=ら幹部2人を詐欺容疑で逮捕した。
ほかに逮捕されたのは同社役員の鈴木大介容疑者(47)=同区。
逮捕容疑は、同社がメモリーデバイスの開発に絡み、2014年2月、経済産業省が所管する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から技術開発を支援する助成金を受け取る際、事業費を水増しして請求。約4億円をだまし取った疑い。
同社などが開発した省電力のスパコン「暁光(ぎょうこう)」は、毎秒約1京9千兆回(京は兆の1万倍)の計算速度を記録し、11月に発表された世界のスパコンランキングの計算速度部門で4位、日本国内では1位になった。同じく共同開発したスパコン「菖蒲(しょうぶ) systemB」も、消費電力性能部門で世界1位となった。
同社のホームページなどによると、設立は2010年で、資本金は約9億4千万円。高性能プロセッサーやソフトウエアの開発・販売なども手掛けている。
斉藤容疑者は医師で、東大病院放射線科や米国留学などを経て、ペジー社を設立してスパコン開発の道に入った。