貴乃花親方が「おじさん」から叩かれている。
連日のようにマスコミが取り上げる貴ノ岩暴行事件で、ウン十年もこの世界を見てきたと胸を張るベテランの相撲ジャーナリストや、著名な評論家、学者などのコメンテーター、果ては大御所芸能人というそれぞれの世界で社会的地位を築いた方たちがこぞって貴乃花親方批判を展開しているのだ。
その主張をザックリとまとめると、こんな調子である。
「理事のくせに協会に協力しないのは組織人失格」
「改革したいからって、飲み屋のケンカを大騒ぎしすぎだ」
「正義感からかもしれないが、なにもしゃべらないのは頑固すぎる」
なかには、「ファッションがヤクザみたい」「理事会でふんぞりかえって態度が悪い」など本筋ではないバッシングや、過去の「洗脳騒動」を引き合いに、「カルト」なんて誹謗(ひぼう)中傷をしている御仁もいる。
騒動が勃発してから次から次へとわいて出るこの手の「おじさん」たちの主張を見て、何かに似ているなとずっと考えていたのだが、先日ようやくそれがなにか思い出した。
「内部告発者」に対して行われるバッシングだ。
こういう仕事をしている関係で、企業や役所という組織の不正をタレ込む人とちょいちょいお会いするのだが、そういう方は往々にして貴乃花親方のようなバッシングに遭っている。
警察やマスコミにタレコミを入れる前に、なぜ組織内で声をあげなかったのだと「裏切り者」扱いをされて孤立。ポストから外されたり、悪評を流されたりと露骨な嫌がらせを受ける人も少なくない。
例えば、有名なのは、1974年に大手運送会社がトラック運賃で闇カルテルを結んでいることを、新聞社や公正取引委員会に告発したトナミ運輸という会社の社員である。
この方の告発によって、運送業界は闇カルテルなどの改革に乗り出したが、その功労者ともいうべきこの社員に対して、組織はあまりにも厳しかった。告発後、教育研修所に飛ばされ、なんと30年近く昇給なしと露骨に干されていたのだ。後に和解をしたが、会社を相手取って損害賠償請求を起こした際、こんな辛い日々を振り返っている。
『朝八時過ぎに出社してから夕方まで、することは何もないんです。かつては三畳ひと間のスペースにぽつんと一人。誰ともしゃべらない日も少なくありませんでした』(日本経済新聞 2002年10月13日)
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