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単なる「鳥頭」ではない、ハトに時間と空間の識別能力 米研究
【12月5日 AFP】ハトが一般に考えられているよりも利口である可能性があるとした研究論文が4日、米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表された。論文によると、ヒトや類人猿とほぼ同様にハトも時間と空間を判断できることが分かったという。
今回の論文は、鳥や爬虫(はちゅう)類、魚などのいわゆる下等な動物が高度な意思決定能力を備えていることを示した最新の研究結果だ。
論文を執筆した米アイオワ大学(University of Iowa)のエドワード・ワッサーマン(Edward Wasserman)教授(実験心理学)は「実際に、ハトの優れた認知能力は今や、ヒトやその他の霊長類の両方の認知能力にますます近いものとみなされるようになっている」と話す。
「鳥類の神経系は、軽蔑語の『鳥頭』が示唆すると思われるよりはるかに大きな事を成し遂げる能力を持っている」
今回の研究ではまず、横線が2秒間または8秒間表示されるコンピューター画面をハトに見せる実験を行った。横線は24センチの長いものと5センチの短いものの2種類が用意された。
ハトは表示される横線が長いか短いか、表示時間が長いか短いかを、4種類の視覚記号の中の一つをつついて知らせることができた。正解すると褒美の餌が与えられた。
研究チームは次に、課題をより複雑なものにした。空間または時間に関して無作為にハトをテストできるように、横線の長さのバリエーションを増やしてテストに変化を持たせた。
論文によると「ハトは、横線が長いほど表示時間も長くなることを判断でき、表示時間が長い横線ほど長さも長くなることを判断できた」という。ヒトとサルを対象としたこれまでの実験でも同様の結果が示されていた。
だが、ヒトの脳でこの種の判断処理を行う部位の頭頂葉皮質は、ハトには存在しないように見える。
これは、複雑な処理がハトの脳の別の部位で行われていることを示唆している。
論文の共同執筆者で、アイオワ大学神経科学研究所の大学院生のベンジャミン・デ・コルト(Benjamin De Corte)氏は「空間と時間の判断は大脳皮質だけに限られたものではない」と指摘。「ハトは時間的・空間的な長さの認識を可能にする別の脳システムを持っている」と続けた。(c)AFP