若年層がメインユーザーのスマートフォンアンケートアプリ「TesTee(テスティー)」を運営するテスティーと、CNET Japanが共同で現代の若者たちの実態に迫る同連載。
第7回目は10~20代の男女2311名(10代:1200名、20代:1111名)を対象に「チャット小説」に関する調査を実施した。また、10〜20代の男女106名から「利用しているチャット小説アプリ」のスクリーンショット画像を収集。傾向を分析し、若年層の行動や意識を解明していく。調査期間は2017年11月1~15日。
まず、10〜20代の男女を対象に小説について調査した。「文庫本や電子書籍などで小説を読みますか?」と尋ねたところ、「日常的に小説を読む」「たまに読む」という回答は10代女性で70.9%、10代男性で62.6%、20代女性で56.4%、20代男性で58.8%となった。小説を読む割合が最も高いのは10代女性ということがわかった。
さらに、「日常的に読む」「たまに読む」と回答した人を対象に「小説を何で読みますか?」と尋ねたところ、いずれの性年代においても「文庫本・書籍」との回答が圧倒的多数を占めた。
それぞれに利点を尋ねたところ、以下のような回答となった。
「書籍派」からは、「紙の良さ」や「読んでいる感覚が感じられる」といった回答が多く挙がった。一方「電子書籍派」からは、「持ち運びの利便性」や「場所を選ばない」など1台で複数冊を持ち運べる点に利点を感じているという回答が多く挙がった。
続いて、小説を読むと回答した人を対象に好きな小説のジャンルを調査した。その結果、女性は10代、20代ともに第1位は「恋愛」、第2位は「SF・ファンタジー」、第3位は「ホラー・サスペンス」となった。一方男性は、10代、20代ともに第1位は「SF・ファンタジー」、第2位は「アクション・冒険」、第3位は「恋愛」となった。
続いて、海外で話題となり国内でも最近注目されはじめた「チャット小説」に関して調査を実施した(下記画像にて紹介しているのはチャット小説単体アプリのみ)。
まず、チャット小説に関して認知度を調査した。「利用したことがある」と回答したのは、10代女性で11.8%、10代男性で7.0%、20代女性で6.3%、20代男性で5.7%となり、10代女性の利用経験率が最も高い結果となった。
また、「チャット小説を読んだことがある」と回答した人を対象に利用しているチャット小説アプリを尋ねたところ、第1位は「DMM TELLER」で37.2%、第2位は31.1%で「HOOKED」、第3位は「Balloon」で13.3%となった。
チャット小説利用経験者を対象に「チャット小説の良い点」を尋ねたところ、多くの若年層は読みやすさや手軽さを支持している様子がうかがえた。また、メッセージを実際にやりとりしているような臨場感に魅力を感じているようだ。
さらに、チャット小説アプリを利用している男女106名(10代:49名、20代:57名)を対象に、利用しているチャット小説アプリのスクリーンショット画像を提供してもらい、周辺アプリの傾向を分析した。
チャット小説アプリを管理しているフォルダ名は「本」や「Book」という表記が多く見られた。そして、チャット小説アプリのみでフォルダ管理している人は33.0%、「漫画アプリ」とともにフォルダ管理している人は23.6%となった。
また、チャット小説を読んだことがないと回答した2131名を対象に、今後チャット小説を読んでみたいと思うかを尋ねたところ、全体の35.4%が「読んでみたいと思う」と回答した。「読んでみたいと思う」と回答した人にその理由を尋ねたところ、「新しいスタイルで面白そう」「どんな風に話が展開していくのか気になる」など、今までにない読書スタイルに注目している様子がうかがえた。
若年層の“活字離れ”が叫ばれて久しいが、慣れ親しんだLINEのようなチャット形式で手軽に小説が読める「チャット小説」は、今後若年層の間で普及していくかもしれない。
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