今実際に介護職として働いている人達にも、それぞれ今の仕事を選んだ理由があると思います。またこれから介護職として働こうと思っている人達にも、介護職として働こうと思ったきっかけがあるのではないでしょうか。
今回は性別も年代も違う多くの介護職(介護職を目指す)人達の中から、10人の方の志望動機を選んでお伝えしていきます。
- ケース1(特養・男性・20代):自分の身内との体験を通して
- ケース2(老健・女性・20代):やりがいのある仕事だと思ったから
- ケース3(特養・男性・30代):今後高齢者も増えて、ニーズがあるから
- ケース4(ショート・男性・40代):介護業界以外になかなか就職先が見つからなかったから
- ケース5(訪問介護・女性・30代):家庭の仕事と両立できる仕事だから
- ケース6(デイサービス・女性・50代):自分の父の介護の経験から、介護の道を目指す。
- ケース7(訪問介護・女性・40代):自分の身の周りの人が、介護が必要になった時のために
- ケース8(訪問介護・女性・40代):子育てがひと段落したから
- ケース9(デイサービス・男性・60代):定年後も社会とつながっていたい
- ケース10(特養・女性・20代):お年寄りと話すのが好きだから
- まとめ
ケース1(特養・男性・20代):自分の身内との体験を通して
僕の祖父は、僕が幼い頃から認知症を患っていました。徘徊はもちろんのこと、大声で騒いだり拒否をするなど毎日が本当に大変でした。僕も小学校に入学してすぐに、自分の教科書を破き、口の中に入れられてしまった時には、とてもショックでした。
当時まだ介護保険制度もなく、祖父が他界するまでの間、家族全員が混乱しながら世話をしていたことを今でも覚えています。
その後僕も大学の社会学部に進学し、たまたまゼミが福祉系であったことをきっかけに介護職の道に入りました。祖父とのでき事が、今の仕事に就く根底にあったと思っています。
ケース2(老健・女性・20代):やりがいのある仕事だと思ったから
子どもの頃から、ずっと福祉関係の仕事に就きたいと思っていたので、高校卒業後、すぐに介護福祉士養成の専門学校に入学しました。自分のやりたかった仕事なので、卒業後も迷うことなく介護職に進みました。やりがいのある仕事だと思ってます。
ケース3(特養・男性・30代):今後高齢者も増えて、ニーズがあるから
日本は高齢化が進んでいるため、今後ますますその受容は高まっていきます。だから今は給与は安くても、今は自分自身のスキルを磨く時期だと思っています。介護の仕事はこの先も絶対になくならない仕事ですから・・・
ケース4(ショート・男性・40代):介護業界以外になかなか就職先が見つからなかったから
私の場合には、ずばり介護業界以外になかなか就職先が見つからなかったから介護職を選んだというのが最大の理由です。私はもともと他職種で働いていましたが、いざその職場を辞め、転職しようとした頃は、一般企業の求人が非常に少なかったのです。
またどうしても転職持には、35歳という壁があったため、40歳を超えた私にはなかなか思うような仕事が見つかりませんでした。その時にハローワークの勧めで介護の勉強を始め資格を取得したのです。当初は消極的な理由ではありましたが、今も継続して働いています。
ケース5(訪問介護・女性・30代):家庭の仕事と両立できる仕事だから
20代の頃は一般企業で働いていましたが、結婚を機に遠方への転居となり退職。家庭と両立できる仕事を第一優先と考え、介護職員初任者研修を受けました。資格取得後、登録ヘルパーとして自分の生活に合わせた働き方をして、家庭との両立ができています。
ケース6(デイサービス・女性・50代):自分の父の介護の経験から、介護の道を目指す。
数年前に他界した父は、癌の末期で、治療の甲斐もなくどんどん状態が悪くなっていきました。介護の知識も経験もなかった私は、痛みのためにどんどん機嫌が悪くなり、一緒に暮らす私や母親に暴言を吐く父に対し、どう対応したらわからなくなるばかり。父も父なりに、葛藤があったのだと思います。
亡くなった後になり、もっとこうしたら良かったなどしばらく悔やむ月日を過ごしましたが、その後私は、自分の経験を活かせる介護の道に入る決心をしました。
ケース7(訪問介護・女性・40代):自分の身の周りの人が、介護が必要になった時のために
介護職は、ただ働くだけではなく経験を積む中で、必要な介護技術や知識なども見につきます。私の回りにはまだ介護が必要な人はいませんが、自分は一人っ子なので、将来的に介護が必要となった時にも、介護職の経験や知識を活かし対応できたらいいなと考えたからです。
ケース8(訪問介護・女性・40代):子育てがひと段落したから
長年、専業主婦で家事と子育てに一生懸命努力してきました。しかし子どもたちの手が離れた途端、自分の役割を見失ってしまったような喪失感に苛まれてしまったのです。
そんな時に周りの友人から、少しでも子離れをするために、仕事をしてみたらと誘われたのがヘルパーの仕事でした。その後ヘルパーの資格を取得をし、ヘルパーとして働き始めました。
ケース9(デイサービス・男性・60代):定年後も社会とつながっていたい
仕事一筋で働いてきた私は、定年になった途端、趣味もなくしばらくの間は、毎日ぼーっと過ごしていました。
しかし地域に開設したばかりのデイサービスで「無資格でもやる気があれば可」という求人広告を見つけ、少しでも社会とつながっていたいという思いと妻の勧めもあり、週3回という形で働き始めました。
ケース10(特養・女性・20代):お年寄りと話すのが好きだから
私は、生まれた時から祖父母と同居して育ちました。両親が共稼ぎで働いていたので、俗に言われているおじいちゃん子、おばあちゃん子でした。
そのせいかお年寄りと話をすることが好きで、中学校時代の職場体験を通して、ますます介護に興味がわいてきました。だから介護の仕事に就くのには、何の迷いもありませんでした。
まとめ
どんな業界でも、就職活動の面接において、必ずといっていいほど聞かれるのがこの志望動機です。履歴書を書く時にも、しっかりとした志望動機を書かないと採用されないのではないかと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし正直なところ、私自身としては、介護職として働くのにその理由やきっかけはそんなに考えなくても良いのではないかと思っています。今回上記以外の多くの方の話も聞きましたが、全ての人がみな、前向きな志望動機を持って介護職の世界に入った訳ではありません。
このブログを読んで下さっている皆さんはいかがでしょうか?どんな志望動機あれ、その後介護職として頑張って働き続けている人達が大勢いることには、間違いありません。