前回のエントリーに、「警察官クビになってからブログ」の ハルオサン さんは職場職場で成果を出している有能な人だが、それを過去のどの会社もちゃんと評価して相応の待遇を与えなかったことが、双方にとって最大の不幸だったと思うと書いた。実際『天国に一番近い会社に勤めていた話』を読む限り、ハルオサン さんが退職して以後の会社は、どこも碌なことになっていない。
そんなことを書いてから、いつも通りネットをうろうろしていると、シンクロニシティというものであろうか、「有能な社員を正当に評価しなかった会社シンドローム」とでも評すべき記事に、立て続けにいくつか遭遇した。数が集まったのでコレクションしてみる気になった。
コレクションというのは当事者に失礼かも知れない。自分用の時代の記録である。
まずは 碧乃あか男(id:mraka2015)さんの、12月4日付の記事。
職場での無理がたたってしばらく沈静化していた持病の喘息を再発させたにもかかわらず、あか男 さんと同等の技術を持つ従業員が他にいないという理由で無理をさせ続けたため、ついに長期休職に追い込まれたという話だ。
あか男 さんは一旦退職も覚悟したが、遅まきながら あか男 さんが職場で担っている仕事の重要性に気づいた会社側から慰留されて、休職ということになったが、その間会社は、目下…
- 製品の品質がガタ落ち
- 仕上げ加工に時間がかかる
- 出荷した製品をさらに営業が手直しする
- 出荷してもお客さんの方で不良品として返品される
- 営業が仕事を取って来れない
- 職場内、苛立ちでパワハラが頻繁に起きている
という事態に追い込まれているとの由。何だろうこの誰も幸せにならない win-win ならぬ lose-lose 状態? いらぬことだが今回のブログタイトル「有能な社員を正当に評価しなかった会社症候群」というのは、このエントリーにブコメを書くときに思いついた。
続いて 反航路 (id:giveus)さんの、やはり12月4日付のエントリー。
反航路 さんは学生さんでアルバイトをしているのだが、バイト先の店長が最低賃金を守ってくれないという話。一つ前の日付のエントリーを読むと、店長には恩もあるので強く主張できないという事情もあるようだが、最低賃金違反ははっきりと違法なので、google:ブラックバイトユニオン に相談して人を介すなどして、正当な賃金を受け取ってほしいと切に望む次第。弁護士が仲介に入ると、だいたい電話対応だけで事が済んでしまう旨は、過去に書いたことがある。そりゃそうだ。法的に争っても勝ち目ないもん。
一般にバイト労働者に限らず日本の労働者には、正当な権利の主張さえもためらう傾向があるように感じられることは、弊ブログではしばしば繰り返した。関心のある方は、弊ブログを「地域労組」または「ブラックバイト」で検索していただきたい。
こちらは12月2日付「はてな匿名ダイアリー」(通称「増田」)。
■ 経営者の悩み
バカは言う事聞くんだけど無能だし、賢い奴は有能だが出て行っちゃうし…。バカな有能ってどこかにいないか
という元増田に対するトラックバックで、「給料(賞与じゃなくて毎月の給料)を定期的にちゃんと上げればたいていのやつは辞めない」という、きわめてもっともなレスポンスであった。「若手なら月給2-3万」「優秀なやつでも5万円」という具体的な数字つき。
まあそうだよね。元増田の出て行っちゃうという有能で賢い奴が、何を求めて出ていくかというと、より良い待遇、もっと言えばより高い給与の他に何があると言うのか?
少し前になるが11月21日付ブルームバーグの記事。私は Twitter のタイムラインに流れてきて気づいたので、読んだのが少し遅くなった。
さもありなん。ネット語でいう「残念でもない当然」というやつだ。
アイキャッチ画像は今回も いらすとや さんからお借りします。
スポンサーリンク