格安スマートフォン「フリーテル」ブランドの端末を製造・販売するプラスワン・マーケティング(東京・港)は4日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したと発表した。負債総額は約26億円。「資金繰りの悪化により、債権者の皆様に対して従前どおり支払いを継続することが困難になった」(プラスワン)としている。事業や従業員引き受けについては今後、協議を進める。
プラスワンは格安の通信サービスと端末の両方を手がける独自の事業スタイルを展開。同社の増田薫社長は「2025年までにスマホ出荷で世界一になる」とたびたび発言してきた。
だが、不適切な広告表示などで最近は顧客離れが進み、今年11月には楽天に通信サービス事業を売却した。「フリーテルの店舗の運営を任されたのに、支払いがとまっている」(販売代理店幹部)と資金繰りの悪化について業界内では噂になっていた。
フリーテルの通信サービスを契約する人は既に楽天へ移行しており、「安心して通信サービスを使ってもらえる」(楽天)という。だが、端末の故障の受け付けや取り換えはあくまでもプラスワンが担う。
現在、プラスワンのスポンサー候補として、人材派遣やITサービスのMAYA SYSTEM(東京・新宿)が名乗りを上げ、具体的な協議を進めているという。ただ、今後の事業の引き受けや顧客のサポート体制は不透明なままだ。
(大西綾)