20~30代が出世を望まなくなってきた本質

「わたし、管理職になりたくありません」

「管理職になりたくない」のは甘えでしょうか?(写真:ICHIMA / PIXTA)

「管理職になりたくない」という若手、中堅社員がここ数年で急速に増えています。

リクルートマネジメントソリューションズが3年おきに実施している「新人・若手の意識調査」によると、「管理職になりたい」および「どちらかといえばなりたい」と回答した肯定派の割合が減少し、2010年の新人では55.8%だったのが、2016年の新人では31.9%となっています。

しかも、この2016年の新人は、「管理職になりたくない」「どちらかといえばなりたくない」という否定派の割合が37.9%となり、本調査で初めて管理職になりたい人たちを上回る結果となっています。さらに、新人だけでなく、3年目の若手、7年目の中堅でも、管理職になりたくないという否定派が、肯定派を上回る結果になっています。

また、キャリアインデックスが2017年5月に実施した「有職者に向けた仕事に関する調査」では、管理職になりたくない人の割合は、20代男性は51.9%、30代男性は48.7%、さらに20代女性は83.1%、30代女性は84.2%と8割を超える結果になっています。

今の管理職の状況を見れば、若手や中堅が管理職になりたくないと思うのは当たり前でしょうか。彼らは甘えたことを言っているだけでしょうか。ミドルクラス以上のビジネスパーソンにとっては、放置できない問題と感じるかもしれません。

負担が嫌だから?

拙著『“誰も管理職になりたくない"時代だからこそ みんなでつなぐリーダーシップ』でも詳しく解説していますが、管理職になりたくない理由を若手・中堅世代に聞くと、「ストレスが増えるから」「責任が増えるから」「管理職に向いていないから」「ワーク・ライフ・バランスが大事なので」など、自分が大変になるからという回答が真っ先に返ってきます。

ところが、その背景にある理由をさらに深く聞くと、今の管理職やリーダーという存在に対する根本的な疑問、違和感が出てきます。

まず、管理職という役割自体への疑問です。そもそも仕事の専門性も多様性も進んでいる中で、上司がすべての業務に精通しているわけでもありません。だから、部下が困ってアドバイスを求めても適切な指示や助言が返ってこない。上司の言うとおりにしても、成果が上がるとも思えない。むしろ余計な管理やプレッシャーをかけてくるだけ。上司に存在価値を見いだせないというのが、1つ目の理由です。

次ページ2つ目の理由は
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  • NO NAME9e8b498f9030
    日本の管理職とはプレーイングマネージャーで、プレーヤーとマネージャーの二足の草鞋。
    負担は2倍でも給料は2倍にならないから経済的にメリットがない。
    up148
    down3
    2017/12/4 08:17
  • NO NAMEb396e3f29c12
    >「責任ある立場になることで人は大きく成長するんだ」。今の40代以上はそういう考え方を持っている人も少なくないかもしれません。

    若手から見ると「成長してその程度なの?」って思われてそうだな。
    up126
    down16
    2017/12/4 08:14
  • NO NAME656117dc8ade
    上からの圧力と下からの突き上げで報酬は僅か。誰がそんな役職やりたがるのか?
    up102
    down5
    2017/12/4 08:39
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