学生だった頃、クレヨンハウスで素敵な絵本に出会った。
絵本が大好きだったのでたくさんの絵本を読んでいたが、その絵本は今までに読んだどの絵本とも違っていて衝撃を受けた。
値段を見ると少々高かったが、思い切って買うことにした。
その絵本がONE STROKEより出版されていた駒形克己の『BULE TO BULE』だ。
青くてかっちりとした雰囲気のこの本を開いて驚いた。
「それはきれいなかわのなか……」の文字とともに、現れた波は一段ごとに色と紙の素材が異なっていたのだ。ページをさらにめくると様々な生物が登場するのだが、生物達の素材も考え抜かれており、手で感触を確かめながら読み進めることとなった。ストーリーもさることながら、紙の良さを最大限に生かした絵本だと思った。元々、紙が好きではあったがさらに紙に興味を持ったし、駒形克己という人にも興味を持った。
それからはクレヨンハウスへ行くことがあると、駒形克己の本を1冊ずつ購入した。1冊ずつ購入するのは1度に何冊も購入するほど余裕はなかったからであり、また、駒形克己の本はどこの本屋でも置いてあるわけではなかったので、それが楽しみでもあったのだ。
『ほしが ねむる ところ』は白が基調の絵本で、フランス、グルノーブル市からの依頼で制作された。2004年に生まれた赤ちゃんへ市からのお祝いの本として贈られたのだという。こんな絵本が贈られたらずっと大事にすると思う。
赤ちゃんがすやすや眠る様を描いたような、静かで穏やかな絵本。
読み終えると気持ちが澄んでいくような気がする。
『ぼく、うまれるよ!』は新しい命が授かった際に、読んでもらいたい絵本。
妊娠過程から出産に至るまでをデザイン性豊かに表現されており、出産時にプレゼントしたくなってしまう。
色づかいも美しく、眺めているだけでも楽しい。
私が持っている「ぼく、うまれるよ!」は白い表紙だが、現在販売されている新装版は赤い表紙でデザインも異なっている。
『雨があがって』はノアの方舟をモチーフにした絵本。モノトーンで構成されたこの絵本は失意の状態から明るい、希望のある未来が見えたような気がして心が無になってしまう。考えてしまうのだ。
じゃばら式になっているのが面白い。
『NORA』と『HANA』。2冊の本はリンクしていて、「NORA」は猫ののらから見たハナを、「HANA」は犬のハナから見たのらを描いている。お互いをどう思っているか、それぞれの立場で読めるのが面白かった。
こちらの2冊は現在販売されていないようで、おすすめできないのが残念である。
ONE STROKEより出版されている絵本は他にも「Little tree」など素晴らしいものが揃っているのでぜひ読んでもらいたい。Amazonでは販売していないので、ONE STROKEのONLINESHOPでチェックするのがいいと思う。眺めているだけでも十分楽しめるのでおすすめ。
こんなきれいな紙じゃ、こどもが破いちゃうわよ!って方は「ごぶごぶ ごぼごぼ」を。かたいボードブックなのですぐには破れないし、擬音が楽しいし、穴から指を出して遊べてしまうおすすめ絵本。赤ちゃんがケタケタ笑います。