「わろてんか」一週間 第9週「女のかんにん袋」[字] 2017.12.03

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てんと藤吉の長男隼也が生まれ1年がたちました
(てん)わろていきまへんか?
(亀井)今日も満員御礼や。
ありがたいこっちゃ。
坊ちゃんは招き猫ならぬ招きボンやな。
フフフフフ。
従業員は少し増えたもののてんはますます忙しくなるばかりでした
笑顔笑顔やで。
気張らしてもらいます。
よろしゅうな。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」
(藤吉)ただいま。
(一同)お帰りやす。
いや〜疲れた。
今日は遠くまでお疲れさまでした。
客を呼べる芸人はなかなかおらんわ。
やっぱり寺ギンしか頼るとこあらへん。
なんとか木戸銭の取り分5分5分にできたらええんやが。
そないに焦らんでも…。
お前と隼也のためにも稼げる手考えんと。
そういうたらもうすぐ端午の節句です。
おおそうか。
そら一大事や。
男は兜や。
俺がええもん買うてくるわ。
楽しみやわぁ。
ハハハハハ。
(戸をたたく音)・
(栞)こんばんは。
伊能さん?俺が呼んだんや。
ちょっと知恵拝借しよう思うてな。
てん酒くれるか?ああ…堪忍。
今切らしてますよって万々亭で分けてもらいに行ってきます。
すまんな。
働きながら子育てに家事。
大変だ。
ホンマに頭が下がるわ。
そやからこそてんと隼也を守らないかん。
もっともっと頑張らなアカンのや。
(歌子)はいどうぞ。
おおきにすんまへん。
男はんはホンマ勝手気ままやなぁ。
仕事がオモロイと男は調子ん乗ってはしゃぎ回る。
あんたも亭主なんか当てにするもんやない。
もう一人の手ぇのかかる子どもや思うとった方がええで!お待たせしました。
来た来た。
てんええ事思いついたで。
もう一軒寄席を増やす。
へ!?今活動写真の小屋があっちこっちに何軒もできてるんやて。
活動写真は大人気でね。
どの小屋主も2軒目3軒目と小屋を増やしてる。
うちは木戸銭の安さと小屋の数で勝負する。
それがこれからの北村笑店のやり方や。
ほな早速新しい寄席探してくるわ。
ホンマにやらはんの?お前ら家族のためや。
あっ!兜忘れんといておくれやす。
隼也の初節句や。
忘れるか。
(隼也の声)お利口さんにしといてな。
今日は芸人さんのお給金の日ぃやさかいお母ちゃん忙しいんや。
(トキ)ごりょんさん!そこでよろしおすか?そこやのうて…。
そっちに積んどいてくれへん?へえ。
そうやお茶の葉出しとかな。
(隼也の声)
(おもちゃの鈴の音)いや〜っ!皆さんのお給金を計算した紙が!
(アサリ)真っ黒で読まれへんで!堪忍でっせ。
すぐ計算し直しますよって。
ごりょんさん一人やったら手ぇ足りまへんな。
(アサリ)ボンの子守もせなアカンのに。
でそのボンは?いやぁ隼也!?
(キース)え?どこ行かはったんやろ!?隼也!
(風太)何してんねや!
(2人)風太!?目ぇ離したらアカンで。
なあ隼也。
今晩はうちに泊まっていき。
一緒にごはんにしよ。
ああすまん小屋譲ってくれそうな席主見つけてな会う約束してもうたんや。
ああそうですか。
なんとかはよう切り上げて帰ってくるわ。
おいしいごはん作っときます。
(藤吉)うん。
いや〜あいつ遅いな。
あいつは隼也の事ちゃんとかわいがってんのか?そらそうや。
立派な兜を買うてきてくれるいうて。
まあそやけどこんな大変やのに寄席もう一軒増やすなんてとんでもない話やで。
ホンマはそんな事より隼也と三人でいる時間を増やしてほしいんやけどな。
(戸が開く音)てん帰ったで!お帰りやす。
隼也お父ちゃん帰ってきたで。
おいおいおい!隼也寝てるさかい!ああ…そうか?うまそうやなぁ。
ああっ…。
あっ!こらお前!すまんすまん。
風太ええから。
ええ事あるかい!家族の事寄席の裏方てんがどれだけ大変な思いしてるか分かってんのか!?それが何や。
俺も家族のためにいろいろやってるんや。
ほな兜は?何が家族のためや。
新しい寄席買う前にちゃんと兜買うてこいアホ!ほなお前は寄席の事分かるんか。
は?俺らは今が勝負の時なんや。
お前に知った顔で言われとうないわ。
何やこら。
何やその態度。
何やお前やってそうやろ。
兜買うてこいやおい。
買うてくるわ。
やめて。
何すんねん。
隼也が起きるさかい!いつもの宿に泊まるわ。
(寺ギン)何やお前。
お前こそ何や。
ん?あ?大変だ!大将ごりょんさん。
どないした?東京の売れっ子が…。
東京の売れっ子?「お客さん。
私の足が地面に着きました」。
(笑い声)
(アサリキース藤吉)リリコ?またお前の顔見れてうれしいわ。
(リリコ)おおきに。
うちの高座にも出てくれんか?な!そうどすな!うちやめた。
何を?娘義太夫。
(3人)えっ!?人気が出たらあちこちからえらいやきもちやかれてな。
大阪のなまりが気に入らんとかいじめられたり。
何や?それ。
師匠にもえらい不義理したから二度と高座で義太夫は語られへん。
もったいないやないか。
しばらくのんびり暮らすわ。
(泣き声)あ…堪忍。
どないしたん?ん?どないした。
その子が藤吉っつぁんの子ぉか?はい。
おいで。
可愛らしいなぁ。
リリコちゃんやでぇ。
昔っから子ども好きやったな。
やっぱり子どもはええなぁ。
うちも欲しいわぁ。
チョンチョンチョン。
今夜も出かけはるの?ああ。
番組考えたら行くわ。
初節句の兜の事…。
(戸が開く音)ごりょんさんちょっとお願いします。
はい。
ほな隼也の事頼みますわ。
ああ。
大将大将!新しい芸考えたんやけどええか?どんなんや?剣戟やってみよう思うんや。
アホ!それわいが先に言いだしたんやろ。
お前が言う前に俺も考えとったんやわ!あ!?何やそれ!何やそれ!気色悪っ!あ〜怖い怖い怖い!来んな来んな!アイタッ!当てんなや痛いやないか!そ…それや!それや!お前らのケンカオモロイさかい2人で剣戟やったらどうや?アイタッ!痛いやないかお前!何するんやお前!
(キース)来んな来んな!ええやないか!
(おもちゃが転がる音)隼也は?見ててくれ言うたやない!寝てたはずやけど…。
隼也!隼也!隼也!小屋の中はどこにもいたはらへん!裏にもおらんで!まだよう歩かれへんのに。
ひょっとしてかどわかし?え?どないしたん?そんな血相変えて。
声かけんで悪かったなぁ。
藤吉はんに見といてって頼んだんやけど…。
ここんとこ隼也やうちの事ほったらかしで。
ちゃんと話したいだけやのにな。
ちょっと借りるで。
東京で聴いた落語で「堪忍袋」いう噺があってな。
ケンカしてばっかりの夫婦が面と向かって愚痴言い合う代わりに袋にいろんな不満をぶちまけるんや。
「亭主を亭主と思わないスベタあま!」。
「一緒になったら幸せにしてくれるって言ったくせにこの大嘘つき!」。
袋に愚痴言うてると夫婦ゲンカがのうなってその噂を聞いた近所の人が袋に言いたい放題や。
そしたら袋がパンパンになって破裂してかんにん袋の緒が切れてしもたちゅうお噺でございます。
あんたもやったらええ。
よ〜し。
藤吉はん!いつまでたっても兜買うてこおへん!ホンマそれでも父親か〜っ!おてん様よう言わはった!面と向かってそんな事言うたらどつかれるわ!今戻りました。
お前もう見込みないわ。
はよ故郷帰れ。
お世話になりました。
何年も面倒見た奴何で簡単に放り出すんです?ウケんようになったら芸人しまいや。
オモロない奴にはさっさと引導渡して別の道行かしたんのが仏心や。
何や。
芸人をモノ扱いするだけのクソ坊主やないんやなと。
ハハハハハハハハハハ!お前ホンマに憎たらしいやっちゃな。
藤吉はんあの…。
(藤吉)ん?隼ちゃんはホンマに可愛らしいなぁ。
今日から子守頼んだんや。
お前も助かる思うてな。
そない大事な事何で相談もなく?ん?うちがしっかり面倒見るから気兼ねのう仕事してや。
藤吉のアホ〜!あの小屋手放す気あるんやったら是非うちに譲って下さい。
できる事は何でもやりますさかい。
ほな一つ頼みがあるんやが。
はい。
何が寄席をもう一軒や!毎日遊び歩いて藤吉のどアホ〜!忙しすぎてつい文句言いとうなって…。
忙しいからじゃなく寂しいからだと聞こえた。
隼ちゃんの世話もできず藤吉君も話を聞いてくれない。
寂しいて言うてもよろしいんですやろか。
たまにははっきり言わないと。
男は鈍い。
そうか。
言うてもええんや。
(戸が開く音)ただいま!お帰りやす。
喜べてん!通うたかいあった。
ええ小屋が手に入りそうや。
え?これで手付け打ってくるわ。
これは芸人さんに渡すお給金で…。
今すぐ払わなアカンのや。
そんなむちゃくちゃな…。
みんなの給金はちょっと待ってもらおう。
ほな行ってくる!大将に金持ってかれた!?そう言うたら今日行った先の席主がどこぞに借金してて今すぐ金が欲しい言うてたわ。
皆さんのお給金はなんとか明日中には用意しますんで。
質入れするもんありまんのか?いっつも世話になってるごりょんさんの頼みやで。
(岩さん)しゃあないな。
申し訳ありません。
新しい小屋な手付け打ってきた。
あとは本契約して…。
なっさけない。
大事な芸人さんたちのお給金をあんなふうに取っていかはるやなんて。
哀しいわ。
お前ら家族のためや。
もっと儲けてお前ら楽させたい…。
そんな事がうちらのためになるて本気で思てはるんですか?今のあんたは自分のしたい事だけに夢中のどアホや!父親でも夫でもありまへん。
あんさんにとって兜はただの言いつけられた買い物かもしれまへん。
そやけどそれ囲んで一緒に隼也の成長を祝う事が大事なんとちゃいますか?分かった。
兜買うてきたらええんやろ?もう何も話しとうありまへん。
てんはんこどこや?亀さんお願いします。
はんこです。
てん印紙は?「印紙は」て言うてはりまっけど。
そちらの戸棚にあるとお伝え下さい。
戸棚のどこ?「戸棚のどこ」って言うてはりまっけど。
左の3段目やとお伝え下さい。
「左の3段目や」って言うてはりまっけど。
おおきに。
…て言うてはりまっけど。
いいえ。
このままやったら…離縁か?離縁!?この寄席潰れるで。
こらなんとかせんとな。
ホンマに破れてしもたん?あんたらがケンカしたら隼也はどうなんの。
風鳥亭を始めた頃はよかったわ。
親子三人一緒に働いて。
苦労も楽しかったな。
あっまた愚痴言うてしもた。
アカンアカン。
仕事せんと。
てんの事も隼也の事もちゃんと見てるし一所懸命やってる。
ならさっさと帰ってやった方がいいんじゃないか。
帰りにくいんや。
どうして?女は母親になると何や強うなってな。
いろいろ面倒なんや。
結婚してへんから分からんのや。
結婚ねえ。
失ってから後悔しても遅いぞ。
ちょっとお話が。
お二人のためにいろいろ考えて。
妙案がありますねん。
(戸が開く音)やったで!新しい寄席の本契約してきた!これ新しい寄席の契約書や。
亀さん。
「新しい寄席の契約書や」言うてはります。
ほな金庫へしもといて。
へえ。
何でや…何で一緒に喜んでくれへんねん。
兜の事でまだ怒ってんのか?「兜の事はすまなんだ」って言うてはりまっけど。
そんな事でいつまでも…ええ加減にせえ。
「もうそろそろ許してほしい」。
黙っとれ!いや…ちゃう。
ホンマに俺はお前らのためを考えてやってるんや。
これで寺ギンと決着つけて…。
俺を呼んだか?うちの取り分もらいに来たわ。
実は小屋をもう一軒手に入れました。
そやから寺ギンさんとこの芸人今までの倍回してほしいんです。
構へんで。
それにこれからはお互いの木戸銭の取り分5分5分にしてもらいます。
オモロイ事言うようになったな。
そやうちの新しいの紹介するわ。
風太…。
(寺ギン)こいつは肝の据わった憎たらしい奴でな気に入ったんや。
ハハハハハハハハハ!お取り込み中すんません。
ちょっとした趣向がおましてな。
(太鼓の音)今日は何の日や?端午の節句!でっかい武者人形やろ。
近くで見てみ。
おてんちゃんも。
おっ!
(笑い声)岩さん!もう脅かさんといて。
ボンも喜んでくれてるわ。
(隼也の声)藤吉さんおてん様に結婚申し込んだ時のお気持ち隼ちゃんの前で思い出しとくれやす。
おてん様も。
へ?あん時のおてん様は何があっても藤吉さんの言葉を信じてついていかはった。
今ここでお互いホンマの気持ちをちゃんとぶつけ合うて仲直りしとくれやす。
焦ってたんや。
やっと二人で夢かなえて寄席作って隼也も生まれた。
そやのにますます大変な思いさせて。
一生笑わしたるって約束したのに俺は何してんのやて。
自分奮い立たせて頑張ったけど家族ほったらかしや。
もういっぺん家族三人でやり直させてもらわれへんか?ほならうちもお願いがあります。
お互いに愚痴はためずにすぐ吐き出す事です。
もうかんにん袋は要りまへん。
俺がここまでやってこれたんはてんと隼也がおってくれたからや。
俺はお前らが一番大切なんや。
藤吉はん日本一の席主になって下さい。
うちと隼也が支えていきます。
おおきにありがとうな。
こちらこそおおきに。
よかったなぁ隼也。
隼也よいしょ。
でっかい男に育つんやで。
お父ちゃんみたいにな。
どないなってんのや!いつまで待たす気ぃや!お待たせしました。
ほな帰ろか。
ちょっ…待って下さい。
何や?お互いの木戸銭の取り分も5分5分にしてもらいます。
お前どう思う?芸人の数が倍なるからいうて取り分の条件変える必要はありまへんな。
風太!どういうこっちゃ。
嫌ならほかで芸人探せばええちゅうこっちゃ。
あんたどっちの味方や。
俺は正直に思うた事を言うたまでや。
帰るで。
何であんな奴んとこいてるんや。
京都帰らんでええんか?藤岡屋は辞めよう思てる。
分家させてもらう話があるけど断る。
そんなええ話何で?大阪はオモロイ。
どんどん変わってく。
俺も新しい事をしたいんや。
ホンマにそれでええの?ああ。
後悔しても知らんえ。
ぜ〜んぶ思てる事吐き出したらええのになぁ。
何やお前こそやろ!うちは隼也がかわいいだけや。
俺はただてんに幸せになってもらいたいだけや。
兜おおきに。
これからますます忙しゅうなりますな。
この子のためにも気張らんと。
そやからこそ2軒といわず3軒4軒と寄席を増やしていかんとな。
生字幕放送でお伝えします2017/12/03(日) 11:00〜11:20
NHK総合1・神戸
「わろてんか」一週間 第9週「女のかんにん袋」[字]

大正4年、藤吉(松坂桃李)は寄席を増やすため奔走。長男・隼也の初節句も忘れる始末。不満を募らせたてん(葵わかな)は、藤吉が芸人の給金を持ち出したことで、ついに…

詳細情報
番組内容
大正4年春。風鳥亭開業から4年が過ぎ、てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)の長男・隼也は1歳になっていた。家族の将来のため寄席を増やしたい藤吉は、新たな小屋探しを始める。ある日、子守りを頼まれた藤吉が目を離した隙に隼也の姿が見えなくなったが、リリコ(広瀬アリス)が面倒を見てくれていた。仕事ばかりの藤吉に不満を募らせるてんだが、芸人たちの給金を藤吉が持ち出したことで、ついに堪忍袋の緒が切れてしまう。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,濱田岳,広瀬アリス,徳永えり,大野拓朗,前野朋哉,枝元萌,兵動大樹,藤井隆,内場勝則,高橋一生
原作・脚本
【作】吉田智子

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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