#学生LT [Part1] Advent Calendar 2017 初日は、いるやんが学生LTで喋りきれなかったネタをお送りします。
皆さんはどんなシェルをお使いでしょうか。
自分好みのシェルがある方はさぞかし chsh
コマンドにも造詣が深いことでしょう。
ところで、最近のエディタはどんどん進化していて、bashやzshのようなシェルなんて起動しなくとも、エディタさえあれば十分という方も多いのではないかと思います。(いいえ)
そこで、例としてvimをデフォルトシェルにした後に、元に戻す方法を紹介します。
実験環境は Xubuntu 16.04 です。
これで安心していたずらできるね!
アジェンダ
# chsh -s /usr/bin/vim
# chsh <ユーザ名> -s /usr/bin/vim
- 1, 2の合わせ技
# chsh -s /usr/bin/vim
chsh
でシェルを指定するためにはそのコマンドが /etc/shells
に書かれていないといけません。
ところがどっこい、スーパーユーザならなんでも指定できちゃうんです!
# chsh -s /usr/bin/vim
このコマンドを実行後、rootユーザのデフォルトシェルがvimになります。
脱出
vimには :!
からシェルコマンドが実行する機能があるのですが、基本的には使えません。
なぜなら、デフォルトシェルを書き換えると、vimがコマンドを投げる先もvimになってしまうからです。
ただ、root権限でエディタが立ち上がっているので脱出は容易です。
まずは chsh
のmanを読みましょう。
すると、ユーザアカウント情報が /etc/passwd
に記されているとあるので、root権限のvim上で
:e /etc/passwd
を実行します。
/etc/passwd
は以下のようなファイルになっているので、1行目をサクッと書き換えちゃいましょう。
root:!!:0:0:root:/root:/usr/bin/vim
(略)
の /usr/bin/vim
をフルパスのシェルのコマンド(例えば /bin/bash
)に書き換えて、 :wq
で保存。
再ログインすれば脱出完了、のはずです。
# chsh <ユーザ名> -s /usr/bin/vim
今度はroot以外のユーザのデフォルトシェルをvimにしてみます。
デフォルトシェルの反映は一旦ログアウトしてから、です。
脱出
例によって :!
は使えません。
また、root権限のvimではないので /etc/passwd
を直接編集することもできません。
なので、vimからなんとかroot権限を取る方法を考えます。
幸いにして、vimには対応している言語の処理系を呼び出す方法があります。
今回はpython3コマンドを使って、 sudo
コマンドを実行します。
:python3 import os; os.system("sudo chsh <ユーザ名> -s /bin/bash")
パスワードを要求されるので、タイプします。
再ログインすれば脱出完了、のはずです。
別解
- Shougo氏のプラグイン VimShell を使ってシェルを立ち上げる
1, 2の合わせ技
だんだん脱出が楽しくなってきましたね。
rootと一般ユーザの両方のデフォルトシェルがvimになってもやることは変わりません。
脱出
一般ユーザの時の脱出と同様にroot権限を獲得することを目指します。
ですが、 sudo chsh <ユーザ名> -s /bin/bash
は失敗します。
どうやらPAMを通すタイプの認証はvimがデフォルトシェルになっているとダメらしいです。
こうしましょう。
:python3 import os; os.system("sudo su")
:e /etc/passwd
一旦rootにログインして、root権限のvimを立ち上げてから /etc/passwd
を前述の方法で書き換えます。
一般ユーザのデフォルトシェルも一緒に書き換えておくと完全に脱出できると思います!
おわりに
Linuxは壊して直してが楽しいし勉強になるし、積極的に壊していこう!