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「幻想都市・ルーミア編」
店主「君を呼んだのは他でもない。」
壁一面が白い研究室の端にある梯子から降りて来た霖之助は言った。
店主「こういうのは探偵に任せるのが一番いいんでね。」
闇「そうなのか。」
目の前のスクリーンには永遠亭の成れの果て、ジオフロートが映し出されている。
店主「河童の河城くんの話では、永遠亭でも月の状況を把握出来てはいないらしい。」
闇「へぇ。そうなのか。」
霖之助が奥の机からコーヒーを淹れて来た。
それはソファに座る少女から、絶えず流れ出ている闇の雫のように黒かった。
闇「ブラック?」
店主「ああ、好みかと思ってね。」
闇「わたし苦いの飲めないわ。」
店主「おおっと、これは失礼。」
たっぷりのミルクを用意すると、霖之助はスクリーンの前に立ち、説明を始めた。
店主「はっきりと言うと、僕は月の科学力を知りたいんだ。」
店主「月が視えないなんて非常事態に、姫があんなに能天気でいられるはずがない。」
闇「そんなもんかなぁ。」
店主「月に関する重要な何かを握っているんだ。」
闇「がっつくなぁ。」
ルーミアは小さいカップを開け、ミルクをコーヒーに注ぎ込む。白い雫がカップを滴り、少量が机に零れる。
店主「でなければ、20年もこんな状態のままいられるはずがない。」
闇「アナタも良く20年も耐えてたわね。その情熱を。」
カップミルクを舐めとり、ルーミアは伏し目がちにメガネ男を一瞥した。光の反射でその奥の眼の色は読み取れない。
店主「正直、待ってた所もあったんだ。月は地上とはあまり関わらないし、こちらからアクションを起こしづらい。」
店主「でも、明らかに今の永遠亭は不思議だ。まるで月に何が起こったのか知っているようだ。」
闇「でもあの・・・えーとほら、いなくなってるじゃない。アイツ。」
店主「八意永琳かい?」
闇「あ、そう、アレがいなくなってるから、何も知らないんじゃないの?」
店主「それも含めて、探ってみて欲しい。」
4つめのカップを注ぎ終わったルーミアは、コーヒーを口に運ぶ。甘ぁい。
闇「・・・そうなのかぁ。」
足元に闇の海が広がっている。もう留まるのは限界のようだ。
闇「便利だけど、面倒臭いなぁ。」
店主「オーバーリミットがかい?」
闇「いやこの・・・ミルクの使った後の・・・ほら。」
店主「ゴミは僕が片付けておくよ。」
闇「何かポタポタ落ちるじゃない?」
店主「ふむ。新開発のアイデアかな?」
闇「何でこのミルクってこんなドロドロしてるのかしら。」
店主「濃厚な味わいだよね。」
闇「まぁとりあえず分かった。」
店主「お願いするよ。」
闇「今度は生乳を用意するように。」
ルーミアはポタポタと黒い雫を落としながら店を後にした。
その黒い斑点は、日の光を浴びて次々に蒸発していく。
その頭にあった、かつての赤いリボンは青に変わり、眼光とその髪の色で三原色を成している。
腰まで伸びた髪の毛は理性の発現であった。
今のルーミアは何よりも自由で、それでいて居場所を探しているように見える。
黒の雫は、存在の証の発現。
封印と言う名のルーミアを守っていた闇は晴れ上がり、黒の雨を降らせているのである。
二十年前のあの日から。
壁一面が白い研究室の端にある梯子から降りて来た霖之助は言った。
店主「こういうのは探偵に任せるのが一番いいんでね。」
闇「そうなのか。」
目の前のスクリーンには永遠亭の成れの果て、ジオフロートが映し出されている。
店主「河童の河城くんの話では、永遠亭でも月の状況を把握出来てはいないらしい。」
闇「へぇ。そうなのか。」
霖之助が奥の机からコーヒーを淹れて来た。
それはソファに座る少女から、絶えず流れ出ている闇の雫のように黒かった。
闇「ブラック?」
店主「ああ、好みかと思ってね。」
闇「わたし苦いの飲めないわ。」
店主「おおっと、これは失礼。」
たっぷりのミルクを用意すると、霖之助はスクリーンの前に立ち、説明を始めた。
店主「はっきりと言うと、僕は月の科学力を知りたいんだ。」
店主「月が視えないなんて非常事態に、姫があんなに能天気でいられるはずがない。」
闇「そんなもんかなぁ。」
店主「月に関する重要な何かを握っているんだ。」
闇「がっつくなぁ。」
ルーミアは小さいカップを開け、ミルクをコーヒーに注ぎ込む。白い雫がカップを滴り、少量が机に零れる。
店主「でなければ、20年もこんな状態のままいられるはずがない。」
闇「アナタも良く20年も耐えてたわね。その情熱を。」
カップミルクを舐めとり、ルーミアは伏し目がちにメガネ男を一瞥した。光の反射でその奥の眼の色は読み取れない。
店主「正直、待ってた所もあったんだ。月は地上とはあまり関わらないし、こちらからアクションを起こしづらい。」
店主「でも、明らかに今の永遠亭は不思議だ。まるで月に何が起こったのか知っているようだ。」
闇「でもあの・・・えーとほら、いなくなってるじゃない。アイツ。」
店主「八意永琳かい?」
闇「あ、そう、アレがいなくなってるから、何も知らないんじゃないの?」
店主「それも含めて、探ってみて欲しい。」
4つめのカップを注ぎ終わったルーミアは、コーヒーを口に運ぶ。甘ぁい。
闇「・・・そうなのかぁ。」
足元に闇の海が広がっている。もう留まるのは限界のようだ。
闇「便利だけど、面倒臭いなぁ。」
店主「オーバーリミットがかい?」
闇「いやこの・・・ミルクの使った後の・・・ほら。」
店主「ゴミは僕が片付けておくよ。」
闇「何かポタポタ落ちるじゃない?」
店主「ふむ。新開発のアイデアかな?」
闇「何でこのミルクってこんなドロドロしてるのかしら。」
店主「濃厚な味わいだよね。」
闇「まぁとりあえず分かった。」
店主「お願いするよ。」
闇「今度は生乳を用意するように。」
ルーミアはポタポタと黒い雫を落としながら店を後にした。
その黒い斑点は、日の光を浴びて次々に蒸発していく。
その頭にあった、かつての赤いリボンは青に変わり、眼光とその髪の色で三原色を成している。
腰まで伸びた髪の毛は理性の発現であった。
今のルーミアは何よりも自由で、それでいて居場所を探しているように見える。
黒の雫は、存在の証の発現。
封印と言う名のルーミアを守っていた闇は晴れ上がり、黒の雨を降らせているのである。
二十年前のあの日から。
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