【12月2日 時事通信社】トランプ米政権をめぐるロシア疑惑の捜査は、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)=偽証罪で訴追=が捜査への全面協力を約束したことで新たな局面に入った。トランプ大統領の娘婿のクシュナー大統領上級顧問の関与も取り沙汰されており、モラー特別検察官は政権中枢への捜査を本格化させる。

 フリン氏は1日、連邦裁判所で、昨年12月の駐米ロシア大使との会話について連邦捜査局(FBI)に虚偽の証言をした罪を認めた。刑が確定すれば最大で禁錮6月が科される。

 フリン氏が虚偽証言で「完落ち(全面自供)」したのは、捜査協力と引き換えに、昨年の大統領選中にトルコ系団体の代理人として活動して報酬を受け取った問題など、同氏をめぐる「数々の疑惑」(米メディア)の追及を逃れる取引に応じたためとみられている。

 フリン氏はトランプ大統領の元側近として選挙期間中や政権移行期の内情に通じている。特別検察官としては、同氏の協力を得ることで、ロシアがトランプ陣営と共謀して大統領選に介入した疑惑解明の足掛かりとしたい考えだ。(c)時事通信社