オイラ昨日深センに行ってきたんですわ。広州から電車で深センに入って、深センから香港経由で日本に帰ってきた。
そしたらタイムリーなことに深セン行ったら日本ヤバイと思ったっていう↓の記事がバズってて、だけどオイラの見て感じたことと相当違うなと思ったんで忘れないうちに感想を書く。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53545
あなたは今から書くことを読んでも深センに希望を見ることができるだろうか?
これはよく知られている話だけど、深センではGoogle, Facebook, Twitter, Line等の資本主義国のWebサービスが大半使用不能。
旅行blogで深センの情報を読もうと思っても、閲覧制限があるようでLivedoor blogやfc2 blogは参照できなかった。
かといって百度で日本語の現地情報を検索しても、フィルタリングがかかっているようでスカスカの情報しか返ってこない。
記事の筆者も当然この状況を見ているはずだが、これでも深センに希望を感じたのだろうか?
深センへは日本からの直行便が少ないので、広州経由で深センに向かったわけだけどもやたら難儀した。
直線距離だと100km程度で、日本で例えるなら東京宇都宮間ほどの距離。
最近の中国では全土に高速鉄道が走っているので、そいつを使えばわずか30分で着く…のだけれども。
外国人は鉄道のチケットを事前予約するのはできないので現地の駅で切符を買う必要があるので広州南駅に向かったのだが、
自動券売機は、中国の身分証を読み込む必要があるので一切使えない。窓口に並んで切符を買う必要がある。この窓口の待ち時間が異様に長い。
さらに、中国の鉄道は全席指定になっているので、当日券を買おうとしても4時間後の便しか買えなかった。
しかも、鉄道に乗る前に待ち受ける身分証確認と手荷物検査。行列続きで非常に疲れた。
深センについた後も地下鉄の移動前にはX線スキャンの荷物検査があり、非常に面倒だった。
どうやら中国では鉄道は日本でいう飛行機のような存在で、気軽に利用できる乗り物ではないようだ。
記事でも言及されていた深センの電気街、「華強北」。オイラも行ってきました。というかこれ目当てで深セン旅行を決めたんだけどね。
で、実際に行ってみて、結論から言うと「失望」の一言に尽きるかと。
確かに規模は大きいよ。ヨドバシ秋葉レベルのビルが何棟もあって、秋葉原の高架下にあるような個人店がぎっしり中に詰まってるんだから。
だけど売られている商品に多様性がないんだな。店が100店舗あっても大半がスマートフォン販売 or そのアクセサリー。
USBケーブルに充電器、交換用のバッテリーにSDカード、こんな商品を扱う店が9割くらいを占める。
もちろん、Foxxconの横流し品であろうスマートフォンの機構部品を扱う店や、顕微鏡片手にスマートフォンの基盤修理をしている店のようなマニアックなのもあったんだけど少数派。
さらに、オイラの期待していた「深セン」でしか買えないエッジのきいたもの、例えばbitcoinの採掘マシーンとか評判の高い中国メーカーの短波ラジオのようなものは皆無だった。
まあ、この辺はオイラの探し方が足りなかったのかもしれないが、表通りに立ち並ぶ店の品ぞろえは日本とそう変わるものではなかった。
QRコードの読み込みで決済ができきる「微信支付」は銀行口座と紐づけが必要だから、外国人は簡単に利用できないよ。
仕方ないから町の人の使う様子を見ていたんだけど確かに普及はしている。レンタルサイクルや駅の売店で使っている人はすごく多い。
ただし、屋台の支払いでも普通に使われているかというとそうでもないよなという感じ。
「日本ヤバイ遅れている」を強調するために話を盛っているような気はする。体感的には日本の駅ビルテナントでのSuica決済と同程度の印象。
日本に帰るために、深センから国境(香港返還後20年たってもまだ残っているのだ!)を徒歩で超えて香港に入った。
香港の街並みは深センや広州と比べるとどこか古臭く見える。駅も狭いし、鉄道車両も年季が入っている。
だけどここには自由があった。Googleもtwitterもfacebookもすべて使える。DMMの18禁サイトすら自由に見れる。
地下鉄を乗るときの手荷物検査は存在しないし、外国人もオクトパスカード(香港版Suica)を買えるし、クレジットカードの普及率が高いので、商店で気軽にキャッシュレス決済ができる。
中国本土に居たのはわずか数日のことだったが、香港では深センにない自由を感じたのだった。
大げさな表現かもしれないが、独裁国家から自由の国にやってきた気分だった。
昨日まで現地に居たオイラの感想は以上になるが、あなたはこれでも深センに希望を感じるだろうか?
一人称がオイラの時点でお察し。