自慰を覚えたあの日から、私はずっと好きなタイプの男性にレイプされる設定で自慰していた。これには自分もドン引きして、とにかく悩んだ。私にレイプ願望はないとはっきりと言える。そんなこと言いつつされたいんでしょう、と思うかもしれないが、こればっかりは本当にない。レイプされたいか?という問は、チェーンソーで体を少しずつ切り刻まれながら、四肢をもがれ声も出せずただ苦しんで死にたいか?という問いかけと同じだ。誰だってそんなもんは当たり前に嫌である。だけど自慰の世界ではレイプを望む。これは正常じゃないと思った。私は精神がおかしいのだ。いったいどれほど深く、濁った心の闇が自分の中に眠ってるんだろうか?でもこんなこと誰にも、医者にも相談できない。いい加減やめようといつも思っていたけど、でもやめられなかった。
やめられなかったんだけど、つい最近やめることができた。どうして自慰ではレイプされたいと思うのかわかったからだった。ヒントは、モテない男を自虐し、二次元の嫁と三次元の風俗が実は最高の組み合わせだと語る同僚を評した別の同僚が握っていた。「関係性を築くコストがかかんないから楽だし経済的ではあるよね」そういえばホリエモンも同じ理由で風俗のコスパの良さを昔語っていたっけ。これ。これが私が自慰のときにレイプを望む答えだった。
私が自慰をするときは、当然性欲が高く、けれど若すぎてセックスを禁止されていたり、彼氏がいなかったり、彼氏とするのが面倒くさいときだ。セックスとはコミュニケーションである。ただ、性欲を発散したいだけのときはコミュニケーションは面倒である。だからそういったものを省けたり、あるいはニュートラルでいられる肉体関係、それも、私がマグロ状態でも相手が必死に腰を降ってくれる、ものすごく楽ちんな肉体関係、それこそがレイプだったのだ。
たとえば素敵な王子様とラブラブセックスというシチュエーションを自慰のときに考えたとすると、私は王子様のビジュアルのみならず、社会的地位や性格、私と王子様はどうフィーリングがあうのか、これまでどういうデートやセックスをしてきたのか、この日はどうしてセックスをすることになったのか、総方の避妊に対する考え方などを決めないと、とてもじゃないが自慰できない。しかも自慰しながら王子様が何を考えているかを脳内で実況しないといけない。たとえば今の私の表情が可愛かったからピストン感覚早めたなど。これでは面倒くさい。そこで私は、いわば人の形をしたバイブレーターとして、名前も動機も何もわからない、ときには顔すらわからない、とにかく私とのセックスに必死なことだけはわかるレイプ犯をつくりあげた。というわけなんだろうな、と気づけた。
レイプされるシチュエーションに悪くないよね〜みたいなことを言っている女性がいても、現実にレイプされたいとは限らないという話。それは単に、関係性構築のいらない、安全で便利なヒトガタのバイブレーターである可能性がある
なるほど、コミュニケーションのコストをゼロにしたセックスがレイプと言えますね。動物と同じですよね? セクサロイドが実用化されたら安全なレイプが可能になりますね。
王子様についてはそこまで設定固めないとできないのに、レイプ犯人については特に設定を決めなくても大丈夫なのが興味深い
純粋な性的対象ほど背景なんて気にしなくね? 男だって美少女コンテンツ見る時に「この子はこんな家庭で育って、過去にこういう傷を受けたからこういうタイプの男性が好きで、こう...
単に自分を見てチンコビンビンな王子様じゃ、どうしてダメなのかなというのが興味深い 王子様はそんなことしない!ということだろうかね
元増田じゃないからただの予測だけど。 例えばシンデレラのストーリーで、初夜に王子様がちんこビンビンになってルパンジャンプで自分にがっついてきたとしてもあんまり女性的には...
ふーむ それだけ聞くと、奉仕や配慮は「したことにする」でいいような気がするが、無意識の部分だからそう簡単に割り切れないのかな ともあれ、くだらない疑問に答えてくれてありが...
という理由を見つけて安心する変態増田子であった
この文章、創作だったとしても知性を感じた。 状況の分析能力が優れている。 こういう人がいる職場で働きたい。