沿線地域戸惑いの声 JRダイヤ改正案 はやとの風定期便中止「観光に影響も」 吉都線減便「高校生に支障」 [宮崎県]
JR九州が来春のダイヤ改正で、観光列車「はやとの風」(鹿児島中央-吉松)の定期運行中止や吉都線(吉松-都城)減便を検討していることが明らかになった1日、沿線の地域からは戸惑いの声が上がった。宮崎、鹿児島両県は同社に内容を確認するなど対応に追われた。
はやとの風が走る肥薩線は2016年度、1キロ当たりの1日の平均通過人員を示す「輸送密度」が458人と九州最少。路線存続を危ぶむ声も出ていた。定期運行中止が正式決定になれば、乗客が一定数ある日のみの運行となる。鹿児島県の観光関係者は「肥薩線のシンボルであり、霧島方面の観光への影響が心配」と話した。
輸送密度が肥薩線に続き少なかった吉都線。計画では1日11往復から3往復減便となる。両県の沿線5市町でつくる利用促進協議会は本年度、子どもの団体客への運賃補助を始め、11月までに約1400人の利用があった。鹿児島県湧水町の担当者は「事実なら大変残念。減便は予想していたより早い」。宮崎県小林市の担当者は「高校生の部活動が終わる時間帯の列車が削減されれば支障が出る」と明かした。
吉都線存続に向け、観光列車誘致を目指す小林市の市民団体の吉村秀昭会長(38)も「路線維持のための誘致活動だが、影響があるかもしれない」と話した。
この日、宮崎県の河野俊嗣知事は「県民生活にどんな影響が出るかを見極めることが必要。影響が及ぶならJRに(対応を)要望する」との考えを示した。
=2017/12/02付 西日本新聞朝刊=